ピンク・フラミンゴ / Pink Flamingos

ピンク・フラミンゴ / Pink Flamingosのレビュー・評価・感想

New Review
ピンク・フラミンゴ / Pink Flamingos
8

私は何を見せられているんだ?映画に対してマジでそう思う時が来た

大好きなオカルト考察系動画配信者が、動画内で紹介して知った奇作。「世界一下品な人間」という、不名誉しかない称号をめぐって、ディヴァイン一家とマーブル一家が日常を送りながら争っているカルトコメディだ。登場人物のほぼ全員がいかれた個性と頭を持っている。全裸の男女の間に本物の鶏を無理やり挟んで交わったり(鶏の爪でガチで肌を切った)、監禁した女性に子供を産ませて里子ビジネスをしたり、ディヴァインの誕生日パーティで人間を殺して食べたりと、狂っている言動が次郎系ラーメンのようにてんこ盛りだ。
ディヴァインの母は、脳機能が劣っていて幼児と同じ言動をとる。しかし、汚いいかれ野郎どもだらけの作中では、唯一愛らしくてピュアな存在だ。しかし、彼女は、物語の後半で大好きな卵を売りに来るエッグマン(ソニックの悪役の博士ではなく、スーツできめた紳士)と結婚して、ねこぐるまに乗せられて新婚旅行に行ってから出番はない。キレイどころがなくなったせいか、ディヴァインと息子がマーブル一家に不法侵入して、家具や置物を嘗め回して唾をかけるという頭がおかしい場面が、とても脳と心にガツンときた。どういうことなんだよ、私は何を見せられているんだよ。映画に対してマジでこんな気持ちになる日がくるなんて、思ってもいなかった。ちなみに、火事で家が焼失するシーンがあるので、火にトラウマがある人は見てはいけない。