アンデッドアンラック / アンデラ / Undead Unluck

アンデッドアンラック / アンデラ / Undead Unluck

『アンデッドアンラック』(公式略称:アンデラ)とは、日本の漫画家・戸塚慶文による少年漫画。2020年に『週刊少年ジャンプ』にて連載が開始。同年、「次にくるマンガ大賞 2020」にてコミックス部門1位を受賞して一躍話題となった。2022年8月にTVアニメ化が発表され、翌2023年7月に放映が開始される。
主人公・出雲風子(いずも ふうこ)は、相手に生身で接触すると相手に不運が起きる特殊な能力「不運(アンラック)」の否定者。そんな風子が「不死(アンデッド)」のアンディと出会い、物語は幕を開ける。

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アンデッドアンラック / アンデラ / Undead Unluckのレビュー・評価・感想

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アンデッドアンラック / アンデラ / Undead Unluck
10

鬼滅の刃に続く、約束された次期ジャンプ看板漫画!

少年漫画の王道の一つに「能力バトルもの」があるが、その中でも非常に異色の作品。この漫画の能力は「否定能力」と言われ、該当するこの世のルールを否定する。その能力を持つ者は「否定者」と言われる。
例えば、主人公の出雲風子の能力は「不運」であり、自分が触れた者の運を奪い、その相手への想いが強ければ強いほど能力が大きく発動して死に至らしめる。そして、もう一人の主人公であるアンディの能力は「不死」であり、己の死を否定して永遠の時を生き続ける。この物語は偶然出会った二人がお互いに徐々に惹かれあっていくという恋愛要素が強く、永遠の時を生き続けている「不死(アンデッド)」に対し、「不運(アンラック)」が彼に対しての想いを強めていくことにより、その能力によって彼に「最高の死を与えてあげる」ことがこの物語の最終的なゴールである。

しかし、これらの能力は生まれ持っていた能力ではない。例えば「アンラック」は、彼女がまだ幼い時に、両親が海外に飛行機で飛び立つ前に抱き合っている瞬間に発現した。それにより両親もろともその飛行機に搭乗した260名以上の人たちが命を落とした。その後彼女は誰にも触れることが許されないまま生活を続け、そんな生活に耐えきれず、まさに自死しようとしていた瞬間にアンデッドと出会い、物語が始まるのである。
この作品には30人以上の否定者が登場するが、彼らは皆救いようがないような不幸な過去を持っており、それらの不幸は全て自身の否定能力が発現した瞬間に起こっている。なぜなら、人間がもがき苦しむさまを観察するのを楽しむ「神」が、その人にとってその否定能力が発現したら最高に不幸になるタイミングを狙って付与するからである。この作品は、否定能力を与えた人間たちの運命を弄び、世界を何度も滅ぼしてはその度に作り直すことで人間をおもちゃのように扱い、見世物感覚で楽しみ続けている神に対する抵抗の物語である。

先に、この物語は「能力バトルもの」と書いたが、上記のように「ループもの」の側面も持っている。ただし、精神や肉体が時間遡行するわけではなく、数十億年の時間を何度もかけて、地球の破壊と創造が繰り返されているという点において非常に新しい。そして、「不死(アンデッド)」はその否定能力により数百億年を生き続けているのである。

ストーリーの展開に全く無駄がなく、非常にテンポが早いので読んでいて飽きない。また、キャラクターの描き分けもうまく、大人数の登場人物が全員これでもかっていうくらい立っており、それぞれのキャラクターに強い魅力を感じる。コミカルな笑い、バトルの熱さ、涙が抑えきれない切なさと感動を覚えるシーンが山のようにあり、何度も繰り返し楽しめるストーリーにもなっている。「能力バトルもの」「ループもの」ではあるものの、単純にそれらのジャンルに収まらず、王道の設定を踏襲しつつもそのどちらでもまだ誰も成し遂げていない新たな境地にチャレンジしている。また、数多くの伏線が張り巡らされ続けており、様々な考察を楽しむことができる謎解き要素も強い。2クール連続放送でアニメが放送され、そこで豪華声優や豪華スタッフが大量に採用されている時点で、ジャンプ編集部がこの作品に大きな期待をかけている作品だということは分かるだろう。

アンデッドアンラック / アンデラ / Undead Unluck
4

過大評価?読み手の理解力不足?アニメ化決定作品

2023年にアニメ化が決定しているジャンプ作品、アンデッドアンラック。ジャンプ作品のアニメ化が立て続けに行われているのでいてもたってもいられず、原作を大人買い。いざ読んでみると人生に絶望し自殺を決意した少女の前に不死身の男が現れて、、、一話目から回を重ねるごとに加速していくストーリー展開。よく言えば勢いがあるが、独特すぎる世界観に意味不明な設定が脳に飛び込んできて頭の処理が追いつかないまま急展開からの急展開。これはダイジェストなのか?というテンポで話が進んでいく。漫画の面白さというのは、ストーリーや設定ももちろん、キャラクターの人間性に好感を持てるかどうかも関わってくる。とにかく超人的なキャラクターが出てきてそれを取り巻くキャラクターも曲者であることは分かるのだが、芯となる部分を理解できないまま、シリアス展開、感動展開に持っていこうとしていくのは多少無理がある。常に置いてけぼりなまま話が進んでいくので100パー理解するには読み直しが必要になる。読み直してこの作品を好きになろうと試みるも、終始何が起きているか分からず話の連続性、全体を通しての繋がり、大枠が掴みきれない。導入部である程度の親切さがないまま、作品を好きになるのは無理がある。この作品自体が初連載とのことですでに売れっ子となっている作家と比べると脚本の作り方に実力不足を感じる。面白いではなく、面白い風な作品。

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