青天の霹靂

青天の霹靂のレビュー・評価・感想

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青天の霹靂
8

喜劇と悲劇

とてもいい話でした。マジシャンとか芸人とか舞台の上ではおどけてるけど、やっぱりなかなか切ないところもあるなあと思いました。劇団ひとりさんは喜劇であり悲劇であるものを作りたいと言ってたそうですが、そういう作品だと思います。最初、仕事がうまくいかないマジシャンが人生に絶望するところはほんと切なくて泣けるし、タイムスリップしてから舞台は面白いです。舞台では劇団ひとりと大泉洋がコンビを組むのですが、そこの掛け合いとか最高です。大泉洋さんは佇まいがコミカルであり、それでいて皮肉屋っぼいので、このちょっとうじうじした役がぴったりだなと思いました。劇団ひとりさんは、もともと自分で書いた作品ですし、自分が得意とする雰囲気の男を演じていて、すごくうまかったです。柴咲コウさんも芸人のしっかりした妻感がよく出ていました。お話もすごくしっかりしていて、あんまり予備知識無しに見た私はびっくりしたし、泣いてしまいました。主人公の過去の話なので、今後、劇団ひとりさん、コウさんがどうなるかは知ってるはずなのに、いや知っているからこそ切なくて映画に引き込まれました。劇団ひとりさんが小説を書いていることは知ってましたが、読んだことはないのですが、他の作品も読みたくなりました。