バリー・リンドン

バリー・リンドンのレビュー・評価・感想

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バリー・リンドン
8

完璧主義者キューブリックが映し出した豪華絢爛たる歴史絵巻『バリーリンドン』

『バリーリンドン』は1975年に公開された劇映画で、脚本・監督・政策はスタンリー・キューブリックです。この作品は1844年発表の小説『バリー・リンドンの幸運』(ウィリアム・メイクピース・サッカリー)を原作にしています。出演はライアン・オニール、パトリック・マギー、レオナルド・ロッシーター、ハーディ・クリューガー。映画では、18世紀の架空のアイルランド人の機会主義者が社会的に立身出世して亡き夫の貴族の地位を手に入れるために裕福な未亡人と結婚する過程が描かれています。
キューブリックは『バリー・リンドン』の細作を1971年の『時計仕掛けのオレンジ』の後に始めました。本来、彼はナポレオンの伝記映画の監督を意図していましたが、類似作の1970年の『ワーテルロー』が商業的に失敗したために資金提供を受けられなくなりました。キューブリックは結局『バリー・リンドン』の監督を行うことになり、ナポレオン映画のための研究を活かして7年戦争期に時代を設定しました。撮影は1973年の12月に始まり、おおよそ8か月間続きました。ロケは英国、アイルランド、東西ドイツで行われました。
映画のカメラワークは「画期的」と評されています。ロングショットを多用し、ゆっくりと背景へのズームで終わると、場面全体はロウソク明かりのもとで撮影されたようになり、まるでウィリアム・ホガースの絵画のような雰囲気を醸し出します。屋外の場面はアイルランド、英国、西独で撮影され、屋内の撮影は主にロンドンで行われました。製作にはトラブルが付きものでした。後方支援、天候、政治(キューブリックはIRAの人質になることを恐れていました)に関連する問題です。