ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実

ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実のレビュー・評価・感想

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ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実
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米国のベトナムへの軍事介入(「ベトナム戦争」)を証言者の言葉を通して綴った『ハーツ・アンド・マインズ』

『ハーツ・アンド・マインズ』は1974年のアメリカのベトナム戦争に関するドキュメンタリー映画で、監督はピーター・デイヴィスです。映画の題名は1974年に元大統領リンドン・B・ジョンソンが口にした「究極の勝利はそこに住んでいる人々の人心(ハーツ・アンド・マインズ)を獲得できるかによる」という言葉の引用に由来します。
本作は1975年の第47回アカデミー賞の最優秀ドキュメンタリー賞に輝きました。映画は1974年のカンヌ映画祭で先行上映されました。商業公開は米国での法的な問題のために遅延しています。それというのもインタビューを受けた国家安全保障アドバイザーのウォルト・ロストウが映画は「幾分かミスリーディング」で、インタビューの結果を確認する機会を与えられないままでいるとを主張して、作品の一時的な公開見合わせを訴えたからなのです。コロンビア映画は配給を拒否したので、製作者は権利を買い戻して、代替の公開手段を探しました。映画の公開はロサンザルスで1週間のみ、そうすることで1974年のアカデミー賞の選考対象になることができました。
ベトナムの戦場で巻き添えを喰らって死んでしまった農民の葬儀の場面の後に、1964-68年のベトナムでの軍事作戦の司令官だっらウェストモアランド将軍がディビスに語ります。「東洋人は西洋人がするように生命の対価に同じ価値を置かない。…東洋では生命とは安っぽいものだ」と。