her/世界でひとつの彼女

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her/世界でひとつの彼女のレビュー・評価・感想

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her/世界でひとつの彼女
8

いいことか悪いことかなんて、簡単にいえない。

私はホアキン・フェニックスが好きだなあと深く感じた映画です。彼の演じる不器用な男がたまりません。また、本作の彼は人の変わりに手紙を書く代筆屋をしているんだけど、その文章がすごくよくて、かっこいいってなりました。人工知能と付き合うというなんじゃそれって話なのですが、ちゃんと切なくて、ちゃんとラブストーリーでした。それがいいことなのか悪いことなのかなんて、簡単にわかることではないと思います。やっぱり実在しなきゃみたいなのは勝手な言い分な気もしました。2人で話せて、2人で旅行とかいけて、それならそれだけでいい気もしてきした。主人公の周りにはいい人がたくさんいて、そのことをすぐに否定するとかもなかったし、いい人生送ってきたんだなあって感じました。なんかバーチャルでしか生きられない人だから、そっちに行った感がなかったんですよね。それがよいと思います。彼と人工知能の関係性もですが、長年の友達との関係性もすごく気になる話で、最終的にどうなるのかなってドキドキしながら見れました。オチもすごくよかったと思います。また、人工知能サマンサの声が吹替え版だと林原めぐみさんで、そりゃあ、セクシーでかわいい声で、これは好きになるって思いました。

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8

AIとの恋愛もわかる。

恋愛に体は必要ないのかもしれないなあと思いました。
いつもそばにいて話を聞いてくれて、気の利いた会話もできるなんて、AIと付き合いたいと思っても不思議ではありません。
それが悲しいことなのかどうかも私にはわからないなと思いました。
セオドアは離婚間近で暗い男だけど、優しげだし、いい男でした。
手紙の代筆という仕事も興味深かったです。
自分のことではないけれどあれだけの手紙を書けるのですから、ほんとに愛情深い男なのだと思います。AIとの恋愛についてだって、真剣だったんだなと思いました。
でも、相手はAIで、人より行動範囲も広いし、いくつにも分けられるだろうから、いろんな人とも付き合える、そういうところを受け入れるのは難しいよねと思いました。
まさか、あんなにも恋人がいるなんて、びっくりです。この恋愛は現実からの逃げだったのかもしれませんが、意味はあったものだと思います。
今後、セオドアは昔からの友達の女性と恋愛に発展するのかもしれません。
あの女性もすごく感じのいい人だったので、そうなったらうれしいなと思います。
でも、付き合わなくてずっと友達という関係もそれはそれでいい感じなのでOKです。
こういう、今後どうなるのかなと余韻をもたせてくれる終わりは素晴らしいなと思うし、好きです。
いいラストだったと思います。

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8

人工知能との恋がとてもロマンチック

SFをお得意とする女優、スカーレット・ヨハンソンが、この作品ではAIー人工知能ーの役を演じています。

パソコンやスマホのOSと会話ができるようになった近未来では、仕事のパートナーのように、また友達のように、OSと親密な関係を築くことが可能に。
そして、現実の恋人や伴侶とうまくいかず、孤独を抱える人々の中には、OSと恋愛する人も出現しはじめるのでした。

主人公のセオドアもそのひとり。
彼は自分のパソコンのOSである、サマンサと恋に落ちます。
サマンサは賢く従順で、人工知能と言えども、セオドアと温かい関係を築いていきます。
我が強く、ままならない人間の女性とは比べ物にならないくらい魅力的で、OSと恋に落ちてしまう人が出てくるのも納得。
OSは実際に体を持っているわけではないので、ユーザーとは声だけでやり取りをするのですが、その様子がとてもロマンチックに描かれています。
そして、こんなOSがあったらいいなと、うらやましくなってしまうほど楽しそうな関係でもあります。

生身の人間と面と向かってやり取りすることが次第に少なくなってきている現代では、この作品に共感できる人は多いのではないでしょうか。
人間のパートナーよりも、パソコンやスマホに向かっていることが多い中で、この作品のようなことが近未来に起こりうる可能性も否定できません。

そして、人工知能のサマンサを演じたスカーレット・ヨハンソンの声だけの演技が非常に魅力的でした。