響け!ユーフォニアム / Sound! Euphonium

響け!ユーフォニアム / Sound! Euphonium

『響け!ユーフォニアム』は、武田綾乃による日本のライトノベルシリーズが原作のアニメ作品である。小説は2013年より刊行され、2023年8月時点で10巻まで発売しており、スピンオフ作品も4巻発売している。2015年にアニメ化され、以後続編や映画も制作された。この作品は、音楽と青春をテーマにしたドラマを描いており、特に吹奏楽部を通じて登場人物たちの成長や友情、努力を描いている。
物語は、主人公は黄前久美子(おうまえ くみこ)であり、担当パートはユーフォニアムである。物語は、彼女が高校生となり吹奏楽部に入部するところから始まり、部員たちの日常や吹奏楽部コンクールまでの道のりが描かれる。
テレビアニメは、京都アニメーションによって制作され、美しいアニメーションが話題となった。アニメの劇中音楽は洗足学園音楽大学の1年生から編成されたバンドなどが演奏シーンを担当している。キャラクターの成長描写、音楽の演奏シーンなどが評価された。

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響け!ユーフォニアム / Sound! Euphonium
9

誰もが経験した部活の青春のあれやこれがそこに!

『響け!ユーフォニアム』は、武田綾乃さんが書いた小説をアニメ化した、ある高校の吹奏楽部の話です。
主人公は黄前久美子。思ったことがすぐに口に出ちゃう、少しドジだけど、その愛嬌が最大の強みでもあります。そんな彼女が、中学最後の吹奏楽コンクールで、ダメ金を取ったところから物語は始まります。
ダメ金というのは金賞だけど全国大会に出場できないという意味。久美子のクラスはみんな「ダメ金だけどよかったね」と、その健闘を称えていました。そう、ただ一人を除いては。

久美子の横で悔し涙を浮かべる子。彼女の名前は高坂麗奈。
麗奈は「悔しくて、死にそう、なんでみんなダメ金なんかで喜べるの?全国目指してたんじゃないの?」と言いました。その吹奏楽に対する姿勢の違いにハッとさせられた久美子。

時は流れ、高校入学。
久美子はもちろん吹奏楽に入部を決め、部室に行きます。するとそこには高坂麗奈の姿がありました。
久美子の高校の吹奏楽部は決してレベルが高いとは言えず、また高い目標があるわけもなく、楽しくやれたらいいなという考え方が一般的でした。それは高坂麗奈の部活に取り組む姿勢とはまるで違いました。
そこに新しい風が流れ、吹奏楽部はみるみるうちにその姿を変え、やがて本気で全国を目指していくことになります。

『響け!ユーフォニアム』が面白いのは、人が変わっていく成長を見れるところです。
みんな誰もが経験したであろう、部活動での真面目な人と不真面目な人が入り乱れているコミュニティ。そしてみんなが息をそろえて真面目に取り組んでいくことの楽しさ。またコンクールメンバーに選ばれる者、落とされる者という残酷な能力社会。
学年が進むことで生まれる後輩、巣立っていく先輩、変わっていく自分。
それらのディティールが非常に豊かに描かれており、まるで自分の学生生活を追体験しているかのような錯覚を覚えます。
そんな青春時代をもう一度謳歌したい人に『響け!ユーフォニアム』をおススメします!