NANA / ナナ

NANA / ナナ

『NANA』とは矢沢あいによる音楽と恋愛を描いた長編漫画。実写映画化、アニメ化もされた人気作。1999年から『Cookie』にて連載、2009年8月号から作者急病のため休載している。大雪で足止めされた新幹線の中で、同じ名前で同い年の2人が偶然隣り合わせる。それぞれ目的を抱え東京へ向かっていた2人だったが、ひょんなことから同居することになるのだった。恋愛に生きる奈々と音楽に生きるナナのふたりを中心に、喜びや悲しみ、挫折と成功を繰り返す「夢の実現」と「現実の厳しさ」を感じさせる作品である。

扇木コウのレビュー・評価・感想

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9

漫画『NANA』の魅力

『NANA』は2000年から漫画雑誌『Cookie』で連載されていた少女漫画です。物語は彼氏を追いかけて上京するハチこと小松奈々と、歌手になる夢を叶えるために上京する大崎ナナが偶然同じ新幹線に乗り合わせるところから始まります。そして2人は東京で一旦別れた後、再会し、ひょんなことから同居することに。ハチとナナを中心にして恋愛や複雑な人間模様が描かれており、キュンとしたり切なくなったり、さまざまな感情にさせてくれるストーリーです。

『NANA』の大きな魅力は個性的なキャラクターたち。奈々は人懐っこく天真爛漫で一目ぼれしやすい性格ですが、ナナは複雑な生い立ちで気性が荒く男っぽい性格です。正反対な性格の2人ですが、運命的な出会いを果たしたことがきっかけで、親密な関係になっていきます。他にも2人に関係する様々なキャラクターが登場しますが、皆どこか不器用だったり、時には間違いを犯したり、人間臭い生々しさがあるのが魅力になっており、綺麗な部分だけでなくドロドロした部分が描かれるのも見どころ。複雑に絡み合う人間関係は読み応えがあり、何度読み返しても楽しめます。作者が体調不良のため長い間休載していますが、続きがとても気になるところで休載してしまったので何とか再開してほしいですね。