ドラえもん / Doraemon

ドラえもん / Doraemon

『ドラえもん』は、藤子・F・不二雄の漫画作品で、1969年に小学館の雑誌で連載が開始され、テレビ朝日でアニメも放映されている。国民的な知名度があり、海外でもアジアを中心に高い人気がある。
主人公は、22世紀の未来からやってきたネコ型ロボットのドラえもんと、勉強もスポーツも苦手な小学生、野比のび太。2人が繰り広げる日常生活を描いた作品である。一話完結型の連載漫画だが、長編シリーズや映画も数多くある。
ドラえもんがポケットから出す多種多様なひみつ道具で、のび太の身に降りかかった災難を一時的に解決させるが、道具を不適切に使い続け、しっぺ返しを受けるというものが多い。のび太の机の引き出しには、未来に行けるタイムマシンがある。その他行きたい場所に行けるどこでもドア、空を飛ぶタケコプターなど便利な道具が多くある。
作者によると、のび太のモデルは、少年時代の作者自身である。他の登場人物も、高岡市で過ごした少年時代の人間関係をモデルにしている。

6muroheartのレビュー・評価・感想

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ドラえもん / Doraemon
7

「ヘソリンガスで幸せに」

今回は、書き手の私が、ガチでぞっとしたドラえもんのお話をご紹介しよう。
学校や野球の試合で怒られて嫌な思いをして、いつものようにドラえもんに泣きつくのび太。今回ドラえもんが出したひみつ道具はヘソリンスタンド。これはその名の通り、ガソリンスタンドに形が似ていて、給油ノズルそっくりな機械の先端をおへそに直に当ててガスを注入する。するとガスが効いている三十分間のなかでどんなに辛い思いや怪我をしても、ずっとご機嫌でいられるのだ。しかし三十分が経つと、蓄積していた痛みや悲しみをいっぺんに感じるようになる。それが嫌でのび太は再びガスを注入する。私はこのサイクルに見覚えを感じた、いったいどこで見たのだろうか、ああ、思い出した、学生時代にネットで見かけた違法薬物による中毒のサイクル図だ。

しかもジャイアンとスネ夫に機械を取られて、ガス注入一回十円と同級生や友達を相手に売人行為まで始めてしまった。
ガスのリピーターはあっという間に大勢出来て、親の財布を盗んでまでガスを欲しがる子供まで出てきてしまう。
この話は機械の中のガスがなくなったところへ、ドラえもんが痛みを大げさに感じるガスと中身を取り換えたことによって終了した。
痛みは体と心を守るための大切なサインなのに、それを消して快感に浸らせ、快感を失うのを拒絶させる、このサイクルを維持するためだけに人生を浪費することになる。こんな恐ろしい機械が作られて販売されるなんて、22世紀の人々の倫理観を疑う上に、これをのび太に出してやったドラえもんも、人間にとって痛みとは大切なものだとわかっていたはずなのに、痛みを消すことに依存する道具なんか出したら騒動になるだろうともう少し深く考えてほしかった。