パディントン2

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パディントン2
7

親切が起こす奇跡とチャーミングな映像

2017年のこの作品は、イギリスの児童文学「パディントン」シリーズの実写映画化第2弾です。
ペルーの密林からロンドンに渡り、ブラウン家で幸せに暮らしていたクマのパディントンがある日、世界に1冊しかない飛び出す絵本を見つけました。
ペルーの老クマホームに住み、ロンドンに送り出してくれたルーシーおばさんの100歳の誕生日にプレゼントする絵本を買うため、アルバイトを始めました。しかし、何者かに絵本が盗まれてしまい、容疑者としてパディントンが逮捕されてしまうお話です。
ロンドンに来たかったのに来られなかった、パディントンを育ててくれたおばさんに、ロンドンを描いた飛び出す絵本を贈れば、来た気分になれると考えました。パディントンが見つけた絵本を開いたとき、おばさんと一緒に絵本の中の想像のロンドンに入り込み、飛び出す街を見せて回る、とてもかわいい演出がすてきでした。
高価な絵本を買うため、コツコツと働いてきた、何の罪もないパディントンが、盗みの現場に居合わせ、犯人に間違えられ逮捕されてしまうシーンは、胸が痛みました。刑務所に入れられてしまうシーンも、「どうしてこんなにいいクマが、酷い目に遭わなければいけないの」と思いました。
いつも帽子の中に隠していたマーマレードサンドイッチをきっかけに、刑務所の中でも料理係に気に入られたパディントンは、お菓子を作りました。
囚人たちと友だちになっていくパディントンに、ほっと肩の力が抜けました。
犯人の捜索で面会に来られなかったブラウン家の家族に、「忘れられてしまった」と思ったパディントンは、無実を証明するため、囚人仲間と脱獄することにしました。パディントンの心境を思うと悲しかったものの、みんなで気球に乗る脱獄シーンがかわいかったです。
パディントンにブラウン一家が犯人を見つけたことを話し、合流したみんなが列車で犯人と格闘することになりました。格闘後、川に落下したパディントンは、水中で車両から出られなくなりました。「もうダメか」と思ったとき、感動的な展開が起こりました。
犯人は逮捕されたものの、警察に絵本を押収され、おばさんにプレゼントできませんでした。
近所の人の計らいで、落ち込むパディントンが、もっとすてきな結末を迎えるラストがすばらしかったです。
周囲に親切を惜しまないパディントンが、みんなの善意に助けられていく優しいストーリーに、心が和みます。老若男女問わず楽しめそうなコミカルでハッピーな映画でした。