amazarashi / アマザラシ

amazarashi / アマザラシ

amazarashiとは青森県で結成された日本のロックバンド。
時代をリアルに切り取る歌詞とメロディアスな楽曲、耳に心地よいミドルトーンの声。
アニメやゲーム業界とのタイアップを精力的にこなし、なおかつメンバーの顔写真が検索してもヒットしない謎に包まれたバンドである。
紗幕をステージ前面に張り、そこにタイポグラフィーと映像を投影するという独自のライブ演出が展開される。

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amazarashi / アマザラシ
9

"深く暗いどん底"にいる人を救い上げるamazarashiというバンドについて

amazarashiというロックバンドをご存じでしょうか。
テレビ出演も少なく、顔出しも一切行っていないにも関わらず、多くのファンの心を掴んで離さないバンドです。
2007年に結成され、2010年の「爆弾の作り方」でメジャーデビューを果たした彼等。
Vo.秋田ひろむの特徴的なミックスボイスと、字余りながら儚い歌詞が聴く人の心に刺さります。
「日常に降りかかる悲しみや苦しみを雨に例え、僕らは雨曝しだが”それでも”というところを歌いたい」という想いから命名されたバンド名のとおり、現代社会に疲れた人や心に暗い影を落としてしまった人に寄り添うような音楽だからこそ多くのファンに指示されているバンドなのです。
アニメのタイアップ楽曲に多く取り上げられたことで、音楽好き以外の層からも注目されることになりました。
「季節は次々死んでいく」ではアニメ『東京喰種』のEDに起用され、「空に歌えば」ではアニメ『僕のヒーローアカデミア』のオープニングに起用されました。
amazarashiの描く楽曲は、心の奥底に根付いた暗い部分を否定せずに、"それでも"と後押しする楽曲が多く、現在のアニメーションで描かれる「光と闇」の二面性に上手くマッチしてるといえます。
以降もアニメのタイアップが多く、多くの若者の支持を集めています。
芸能界でもファンが多いバンドとしても有名で、Vo.秋田ひろむは中島美嘉へ「僕が死のうと思ったのは」、菅田将暉へ「ロングホープ・フィリア」を楽曲提供しています。
この楽曲提供から輪が広まることとなり、楽曲「未来になれなかったあの夜に」のミュージックビデオでは、横浜流星、杉野遥亮、泉澤祐希、柄本時生などの豪華キャストが出演する運びとなりました。
また、コロナウイルスによって全国ツアーの延期や収録環境に制限があった令和二年には、コロナ過で秋田ひろむやメンバーが感じた想いを載せた「令和二年、雨天決行」がリリースされました。
本E.P.に収録されている「令和二年」はコロナ過で苦しんだ人たちへの鎮魂歌となっており、リアルな苦しみを背負った世界へのアンサーソングとなっています。
MVは真駒内滝野霊園で撮影され、安藤忠雄が設計した「頭大仏」にプロジェクションマッピングを投影するという奇抜ながら美しい祈りが込められました。
暗い中に希望があって、光の端っこに深い闇がある…そういう誰しもが抱えている本音の部分に寄り添ってくれるバンドです。
このように、amazarashiというバンドは、ジャンルや時代を超えて支持されるロックバンドなのです。