小林さんちのメイドラゴン / Miss Kobayashi's Dragon Maid

小林さんちのメイドラゴン / Miss Kobayashi's Dragon Maid

「小林さんちのメイドラゴン」はクール教信者による漫画作品を原作とするアニメーション。放送時期は2017年1月12日から2017年4月6日。「ドラゴンでメイド」という、異色のヒロイン・トールと作品の主人公・小林さんの日常を描いた作品。
酔いに酔った小林は山奥に一人で侵入し、トールと出会う。酔った勢いでトールに「うちに来るか?」と尋ねたことから小林は彼女をメイドとして雇うことになる。

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小林さんちのメイドラゴン / Miss Kobayashi's Dragon Maid
10

かわいいだけじゃなく心情描写がしっかりしている傑作アニメ

「小林さんちのメイドラゴン」は、原作者「クール教信者」さん、アニメ化は2回(2期)された傑作アニメです。

プログラマーの小林さんが酔った勢い(泥酔)でドラゴン(人型にもなれる)を家に連れ帰ってしまったことから始まるドラゴンと人とのドタバタコメディ。

ラブコメなんだけど、どっちかっていうと異文化交流、異分子としてのドラゴンと人間、あるいはもっとフラットに意志を持った個としての生物として、
違うところ、ぶつかるところ、分かり合うこと、みたいな普遍的なテーマを扱っている。
そこが一本の大きな核となっていて本作はできている。
そういうところが「ラブコメだから二人はくっつくんでしょ」ではなく、もっとどういう関係性を築くのかという方に焦点が当たっているなーと思っている。
つまり人間や生物、生命に対して、個々人(竜)の個性とか考え方、共存、相互理解っていう普遍的なテーマを扱っているところが多くの人に響くとてもよい作品になっています。
タイトルから「メイドという典型的なオタク、サブカルチャーの萌えとか、いわゆるHな要素とかそういうところで売っているんでしょ」
と最初はそういう作品と誤解しかかったんですが、どちらかというと「人を好きになる」「その人のことを知りたい」という根源的な、そういう想いをどう伝えるかであったり、
ドラゴンは人間なんてちっぽけで儚い存在だと思っているが小林さんだけは特別だったり…。
ドラゴンだから人間のことはよく分からず、時折おかしいこともあったり、
人間社会に関して(日本社会に関して)改めてあるよねと考える機会になってみたり…。
やっぱり、人(ドラゴン)の心って難しいなぁって思ってみたり、とてもよくできた作品なのです。

ちなみに、小林さんはメイドに対して並々ならぬこだわりがあって、トールは小林さんの(趣味嗜好のために)メイド(メイドラゴン)を目指しているんですが、本当にオタクがこういうの好きでしょっていう所謂メイド(メイドカフェの)ではなくて、クラシカルな…こう、お屋敷の仕事をするために雇われたっていう奴が好きなので、メイド/巨乳=オタクって好きだよね、をバッサリ斬ってくれるので、全体的にオタクとか萌えに寄り過ぎない安定した場所で、人とドラゴンの関係を描いてくれるので、とても落ち着いてみられる作品です。一度見てみてください。ハマります。