ひぐらしのなく頃に / Higurashi When They Cry

ひぐらしのなく頃に / Higurashi When They Cry

『ひぐらしのなく頃に』とは、竜騎士07原作のアニメ作品。原作はビジュアルノベルで、2006年から断続的にアニメ化された。小説や実写映画なども制作され、2000年代後半から2010年代前半を代表する人気作品となった。
雛見沢村に引っ越してきた少年前原圭一は、同じ学校に通う部活仲間の竜宮レナや園崎魅音らと平和に暮らしていた。しかしある時フリーカメラマンの富竹ジロウという人物から、過去に村で起きた殺人事件の話を聞く。事件のことを調べ始めた圭一の周囲で不穏な事態が相次ぎ、凄惨な惨劇が繰り返されていく。

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ひぐらしのなく頃に / Higurashi When They Cry
8

スプラッタホラーに隠された友情物語

知っている人にも凄惨なシーンのあるホラー作品として有名な本作ですが、私にはそれらよりも彼らの絆を描くシーンが印象に強く残っています。

ゲーム版では、選択肢が出ないにも関わらずジャンルを推理ゲームともされていて「この真相は一体どう言うことなんだ?」とプレイヤーが考えるものでした。

○○編としてそれぞれ見られる各ストーリーは、全てが実際にこの物語内で起きた出来事です。

いわゆるタイムリープをし、凄惨な未来から過去へと戻り、理想の未来のために同じ時間を繰り返している形で、物語は基本的に1人以上が「前の世界の記憶」を保持した状態で新しく世界が始まります。
梨花は多くの回数、世界を繰り返し未来を変えようとしてきましたが上手くはいきません。

圭一が転校してこなかった世界。
圭一がレナと魅音を殺してしまう世界。
詩音が魅音と圭一を殺してしまう世界。
沙都子が虐待されてしまう世界。
何度も何度も何度も何度も世界を繰り返し、前回の世界での問題点を解決しても他の大きな問題が立ちはだかることが繰り返される絶望感は恐ろしいほどです。

最終的には、登場人物のほぼ全員が協力することで大きな問題に対応・対処し、全ての黒幕であり障害であった三四を止めることができ、彼女自身の苦しみも富竹の存在によって軽減された、はずです。

今回こそはきっといける、と言う希望と、また駄目だったという絶望感の落差が激しく衝撃を受けることが多い作品。
だからこそ、最後の全てが救われたように感じられるラストに受ける達成感は、筆舌にしがたいものがあります。