DRAGON QUEST -ダイの大冒険- / ダイの大冒険 / ダイ大 / Dragon Quest: The Great Adventure of Dai

『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』は、堀井雄二(監修)、三条陸(原作)、稲田浩司(作画)による日本の漫画およびアニメ作品である。
主人公は孤児として流れ着いた孤島でモンスター達に育てられながら勇者にあこがれる少年ダイ、そんなダイの相棒であり未熟な魔法使いから大魔導士へと成長するポップ、二人の師匠で元勇者のアバン、かつてのアバンのかつての仲間の娘でもあるマァム、アバンに師事するも彼を養父の仇と思い込んで魔王軍に加わっていたヒュンケル、一国の王女であり正義の心と広い度量を持ったレオナ。そしてそんな彼らと熱い絆で結ばれた仲間達が大魔王に挑む王道ファンタジーである。
類型発行部数は4700万部を誇る週刊少年ジャンプの王道少年漫画だが、当初はタイトル通り、スクウェア・エニックスの人気RPGゲーム『DRAGON QUEST』のバックアップの為に週刊少年ジャンプで企画された読み切り漫画だった。それが読者の熱い支持で連載に至り、二度のアニメ化、ゲーム化などもはたしている。
スピンオフに『勇者アバンと獄炎の魔王』などがある。

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DRAGON QUEST -ダイの大冒険- / ダイの大冒険 / ダイ大 / Dragon Quest: The Great Adventure of Dai
10

「成長」をテーマにした大ヒットテレビゲームの漫画版

90年代を代表する週刊少年ジャンプ連載作品。
テレビゲーム「ドラゴンクエスト」を題材としているが、ゲームをプレイしたことのない人でも問題なく楽しむことができる。
それは本作が持つ「成長」という普遍的なテーマと大きく関係しているように思える。
ダイの大冒険の登場人物の多くは時間の経過とともにはっきりと「成長」する。
身体的な変化という意味ではなく、作中で経験した出来事から影響を受けた行動、発言をするのである。
その成長が最もわかりやすいのは魔法使いのポップである。
物語の序盤は臆病・薄情・卑怯といった典型的なヘタレのキャラクターであった。
しかし、尊敬する師と出会い仲間と死線を潜り抜けていくうちに、次第にたくましく成長していく。
そして他人の為に自身を犠牲にできる強い心を持つようになる。
この「成長」の過程がしっかりと物語で描かれているので不自然に思うことが全くない。
また、主人公の味方だけでなく敵も「成長」することによって、単なるバトル漫画とは一線を画す人間ドラマが展開されている。
物語の後半は成長した登場人物たちが集結し、ラスボスである大魔王に挑む。
ここで集結した仲間たち全員に「成長」を感じることができる。
この感情の高まりこそがダイの大冒険の最大の魅力と言っても過言ではないだろう。
全ての登場人物が物語の中で、紛れもなく生きているのだ。