グリーンブック / Green Book

グリーンブック / Green Book

『グリーンブック』とは、ユニバーサル・ピクチャーズ配給、ピーター・ファレリー監督による長編伝記コメディ映画。黒人差別が強い時期に、単独でディープサウスへの演奏旅行へ挑む天才黒人ピアニストと腕っぷしが強いイタリア系アメリカ人運転手が、ツアーの道程でさまざまな嫌がらせに遭遇し、当初はいがみ合いながらも一つ一つトラブルを切り抜け、最終公演までツアーを敢行する。その後2013年まで生涯続くことになる、厚い友情と信頼関係を築きあげるまでを描いた。8週間の実録ロードムービー。2018年制作・アメリカ作品。

0hzoo_yamadaのレビュー・評価・感想

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グリーンブック / Green Book
10

凸凹コンビのロードムービー

実話系で舞台は60年代のアメリカです。主役は2人います。イタリア系移民のチンピラが黒人天才ピアニストの興業のためにドライバー兼その他雑用係として雇われ、黒人や移民差別の強いアメリカ南部の道中でおきる様々なトラブルや主役2人の人間関係を主な軸にして物語は進みます。難しい描写は特に無く登場人物も最低限かつ最適人数で物語自体も至極シンプルなためとても観やすい作品です。主役の1人は高い教養と天才的なピアノの才能があり富と名声を手にしているが黒人であるため様々な差別を受けており、家族も疎遠な兄が1人いるだけの孤独な人物です。もう片方は愛する妻や可愛い子どもやその他の家族や友人に恵まれるも自身の無教養で短気な性格なためチンピラまがいのことをして日銭を稼いでいて人生に価値を見出せないでいます。イタリア系移民ということもあって黒人ほどではありませんが差別を受けることもあります。そんな2人がピアノコンサートの興行のために主従関係を結び旅路につくのですから狭い車内で衝突が起きないわけがありません。食事の仕方からなんでもない会話をきっかけに喧嘩しっぱなしです。そんなギスギスした空気の中でも2人は興業をこなしていきます。何から何まで違う2人ですが様々なトラブルを経ることでやがてお互いの足りないものお互いが持っていることに気づき欠点を補っていきます。上流と下流とで生活階級の違う2人が信頼関係を築きやがては互いに無くてはならない存在になっていくところに心が熱くなります。我々の実生活において大切なことをこの映画で表現されています。確かにこの映画は大どんでん返しもアクションシーンもありません単調なロードムービーです。しかし、自分の周りに絶対的な信頼できる人はいますか?互いの弱味を見せてもなお歌舞しあえる仲間はいますか?喧嘩ばかりしてないでその相手を理解しようとしていますか?そんなことを自問自答できる作品です。騙されたと思ってぜひご覧ください。