アタックNo.1(Attack No.1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

浦野千賀子原作によるスポ根少女漫画。1968年に「週刊マーガレット」にて連載。当時は「サインはV」と並ぶ2大バレーボール漫画として人気を博した。1969年からフジテレビ系列でテレビアニメ化。2年間で全104話放送された。富士見学園中等部に転校してきた主人公・鮎原こずえが、バレーボール部のキャプテンとして様々な人々に支えられ、中学、高校、そして世界のアタックNo.1に成長していく姿を描く。

『アタックNo.1』のあらすじ・ストーリー

中学生篇(転校生~全国大会)

主人公・鮎原こずえは東京の名門校から静岡・富士見学園中等部に転校して来た。転向早々校内の不良グループと仲良くなるが、バレー部のキャプテンから反感を買われ、こずえを含めた不良グループとバレー部とで1か月後にバレーボールの試合をすることになる。
こずえの遠い親戚で新聞部の一ノ瀬努や学校中が見守る中、限られた期間でバレー経験の無い不良グループを必死に特訓するこずえ。
そして試合当日。こずえが考えた奇襲作戦によって劣勢を跳ね返し勝利、こずえはバレー部の新キャプテンに就任する。
ある日バレー部に入部してきた早川みどりがキャプテンの座を奪おうとするが、最初の試合でみどりは試合の経験が無いことが判明。それでも傲慢なプレーを続けるみどりにこずえは怒り二人の仲はますますこじれるばかり。そんな二人の才能に注目していた英語教師の本郷先生が新生バレー部を一から作り直すべくコーチに志願。徹底的に鍛え上げた結果、こずえとみどりに友情が生れ、同時に最強のアタックコンビが誕生する。
さらに富士見学園と合併することになった浜紀中学から四天王と呼ばれる強力な選手たちが加わり日本一を目指すバレー部に。
そして、いよいよ全国大会。豪快に勝ち続ける富士見学園は、ついに回転レシーブの名手・垣之内がいる福岡中学との決勝戦を迎える。こずえも必死の訓練で空中回転レシーブをマスターし垣之内に挑むが、惜しくも敗れ優勝を逃してしまう。

中学生篇(世界ジュニア選手権)

世界ジュニア選手権大会に、日本チームの初参加が決まった。こずえ、みどり、垣之内をはじめ全国大会で戦った代表校の主力選手たちがオールジャパンチームに選出。鬼のごとき厳しい練習をする猪野熊コーチのもと、強化合宿を開始する。だが鬼監督・猪野熊の特訓は熾烈を極め、次第に脱落者が出始める。しかし、レギュラーを目指すこずえたちのバレーの技術は確実に向上していった。技術的にも精神的にも強くなったオールジャパンチーム。多くの人に見送られ、世界選手権の開催されるアメリカへ出発する。
そして、世界選手権が開幕。新たなライバル達の出現に、緊張を隠せないメンバーは初戦のアメリカチームに辛くも勝利。この大会での最大の壁となるのは、ソ連のボルチンスカヤの殺人スパイク。これを破らなければ優勝は望めない。そして決勝の相手は予想通り準決勝でチェコを破ったソ連チームと決まった。そんな中、こずえたちは、アメリカのキャシー、韓国の崔らの協力を得て、殺人スパイクに対する秘策、二段レシーブの特訓を始める。
いよいよソ連との決勝戦。オールジャパンは第1セットを奪うが、ソ連の猛攻がこずえたちに襲いかかり、接戦の末、第3セットにもつれ込む。互角の戦いを続けるこずえたち。そして、迎えたソ連のマッチポイント。シェレーニナの放ったスパイクが無情にもコートに突き刺さり惜しくもゲームセット。
こずえは世界の選手たちとオリンピックで戦うことを誓い、さらにチームメイトと高校のインターハイでの再会を誓うのだった。

高校生篇(地区予選~努の死)

富士見高校へと進学したこずえとみどりは早速バレー部に入部。先輩部員の不祥事により一時は廃部の危機にもさらされるが、女性教師の清水コーチと新たに加わった本郷コーチのもと、3年生のキャプテン大沼や新しい仲間と共に強力なチームへと生まれ変わっていく。
そんな中、インターハイへの切符を掛けた地区予選が始まる。インターハイには優勝候補の大阪・寺堂院高校、八木沢三姉妹がいる。こずえ、みどり、大沼は打倒寺堂院のための新必殺技の特訓を開始する。
一方、こずえの良き理解者の一ノ瀬努は家業の八百屋を立て直す為に高校進学をあきらめ、野菜の産地直売にチャレンジしようとしていた。努とこずえはお互いの新たな挑戦を励まし合うと同時にほのかな愛も芽生え始める。
地区予選も順調に勝ち上がり、迎えた美沢学院との準決勝、ついに新必殺技“ダブル・アタック”が成功しストレートで勝利。決勝の試合前日、努はこずえに決勝に勝ったら一緒に富士山に登る約束をする。明日は必ず応援に行くから!と言い残して帰る努を笑顔で見送るこずえ。
そして天竜高校との決勝戦。第1セットを順調にとったものの、“ダブル・アタック”に慣れてきた天竜に、第2セットを奪われてしまう。客席に努の姿がない事が気にかかるこずえ。その頃、努は産地から野菜を積んで戻る途中、不慮の事故に遭い、生死の境をさまよっていた。早く試合を終わらせようとするこずえ。最後に放った“ダブル・アタック”は、何と天竜選手の視界から消えた。優勝が決まり、急いで病室へ駆けつけたこずえ。だが時すでに遅く、努は息を引きとっていた。

高校生篇(インターハイ)

務の死から立ち直り、バレー部に復帰したこずえは天竜戦の最後の1点“消えるアタック”を修得するため猛練習を開始する。
そしてインターハイ。会場には垣之内や三条など懐かしい顔もあった。
第1回戦の相手は、大型アタッカー山本を擁するスポーツ強化学校・青葉学園。富士見は“消えるアタック”の成功で、何とか青葉に勝利する。
一方、垣之内の福岡は寺堂院に完敗。三条の神奈川女子も健闘空しく甲徳に不自然な敗北を喫していた。富士見の明日の相手はその甲徳高校。
その夜こずえは努にそっくりな青年・竜二に電話で神社の境内に呼び出された。だがそこで待っていたのは、甲徳高校のキャプテン藤陽子だった。彼女はこずえに、本郷のスキャンダル写真を見せ、明日の試合での八百長を脅迫する。
脅迫はこずえのみならず、みどりと大沼にも伸びていた。試合が始まり、本調子が出せない富士見は甲徳にリードされてしまう。だが神聖なコートを裏切りたくないこずえは、土壇場で脅しをはねのけ大逆転で勝利を収める。
そして目標だった寺堂院高校との決勝戦。八木沢三姉妹の“稲妻攻撃”が炸裂、富士見はこずえの“消えるアタック”、そして大沼とのコンビ技“ダブル回転スパイク”で対抗するが1セットも奪うことが出来ずに敗退。実力の差を見せつけられてしまう。

高校生篇(全国高校選手権)

キャプテン大沼が部を引退することになり、こずえを後任に指名。そして転入生の真木村京子が新メンバーとして仲間に加わった。
全国選手権大会の地区予選が始まり、試合経験の浅かった真木村もバレーの潜在能力を発揮しどんどんと勝ち抜いていく。
本選出場を決め東京に向かうが、そこでこずえは出場校の選手に怪我を負わせてしまい、本郷はこずえの選抜第1回戦の出場辞退を申し出る。
こずえを欠いた富士見チームは、三条を擁する神奈川女子に苦戦するが辛くも勝利し、準々決勝では垣之内の福岡高校を撃破。
そして準決勝はリベンジを誓った相手・寺堂院高校との決戦となった。
“三位一体”の攻略に自信を持つこずえ。だが、試合が始まると寺堂院の三位一体をグレードアップした“四位一体攻撃”に翻弄される。これに対してこずえは寺堂院の八木沢桂の疲労に目をつけ、彼女を集中攻撃する。勝利はしたが、担架で運ばれていった桂の姿にこずえは自責の念にとらわれてしまう。
ついに始まった決勝戦。相手の東南学院はコンピューターで富士見を完全に分析していた。強敵を前にしたこずえは、準決勝での桂への罪悪感からスパイクが打てなくなってしまうが、駆けつけた桂の姉・静から「機械に負ける鮎原などライバルではない」との桂からの伝言を聞き、こずえは自分がバレーをすることの意味を手にし、東南学院を打ち破るのだった。

全日本代表~世界のアタックNo.1

高校生でただ一人、全日本代表に選ばれたこずえは、合宿地の北海道へと向かった。そこで待ち受けていたのは、猪野熊監督のもと、実業団バレーに所属する一流選手とともに励む厳しい特訓と、こずえに敵意を抱く木山選手の嫌がらせだった。
全日本の選手たちには、こずえの新必殺技”風船アタック”がまるで通用せず、いよいよ合宿は最終日。しかし、その日行われた紅白戦で、新しいアタック”竜巻落し”が完成する。
代表チームは世界選手権開催地ブルガリアへと旅立つ。
開幕初戦で楽勝と思われていたイタリアに苦戦を強いられるが、木山がようやくチームに溶け込み辛くも勝利する。
そしていよいよ決勝リーグに突入。東ドイツ戦では監督の意図に反したちぐはぐなプレーをしてしまうこずえだったが、続くルーマニア戦で”竜巻落し”を次々に決め、その威力に場内が愕然とし、世界中のマスコミもこずえを新しい魔女の誕生と讃える。だが、ソ連との決勝を前にチェコとの試合で伏兵チェシカに”竜巻落し”を破るヒントをつかまれてしまう。
こずえは第二の魔球を編み出そうとするが、そのヒントさえもつかめない。そんな折、日本男子チームの湯島が男子決勝で相手の予想だにしない姿勢でクイックを試す。不思議な変化球が決まり、それがこずえの新必殺技のヒントになる。
最後の戦い、ソ連との決勝戦。不気味なほど冷静さを保っていたシェレーニナが、ついに驚愕の技・半回転スパイクを初披露。こずえのみならず、日本選抜チームを絶望の淵へと追い込んだ。だが試合は大接戦となり、ついにファイナルセットへ。
こずえの勝利への執念が最強の”竜巻落し”となってコートに炸裂!日本の優勝が決まる。
そして、大会のMVPがこずえに決まった。世界のアタックNo.1鮎原こずえの誕生だった。

主な登場人物・キャラクター

鮎原こずえ

主人公。中学2年時に東京の明法学園から静岡の富士見学園へと転校。バレーは明法のアタッカーだった。
富士見学園転校当初に不良グループを率いてバレー部と対戦するはめになるが、対戦に勝利し富士見学園バレー部の主将に就任。
以降、大親友の早川みどりや様々な人々に支えられ、中学、高校と自分の青春をバレーに燃やす。
オールラウンドプレイヤーだがアタッカーとして、「ダブルアタック」「消えるアタック」「竜巻落とし」と必殺技を編み出す。
学校の成績は優秀。性格は少々おっとりしているが、誰にでも優しく人望がある。だが気が強く負けず嫌いなため、ケンカっ早いところもある。
富士見学園・中学オールジャパンのキャプテン。高校2年生のときに実業団オールジャパンに選ばれ、世界大会に出場、MVP賞を受賞する。

早川みどり

小学校時に富士見市に在住。柏木や中沢とは同級生で、父の仕事の都合で京都へ行くが、中学2年の時富士見学園に転校してくる。大資産家のお嬢様。気が強く、ワガガマな性格でキャプテンになりたい一心でこずえともめるが、大会でチームプレイの大切さを知り以後、中学、高校とこずえの大親友であり良きライバルとなる。こずえと同じオールプレイヤーだが、必殺サーブ・木の葉おとしや回転レシーブを得意とする。

一ノ瀬努

こずえの遠い親戚であり、富士見学園中学の新聞部。真面目で正義感の強い性格であり、こずえには優しく、時には厳しく接するよき理解者。
高校には進学せず、家業の八百屋を継ぎ自ら考案した産地直売方式を成功させる。
インターハイ地区予選決勝の前日、こずえと富士山に登る約束をするが、試合当日、仕入れ先の農家から帰る山道で車ごと崖から転落。
こずえとの約束を果たせぬまま病院で息を引き取る。

本郷俊介

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