素晴らしき哉、人生!(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『素晴らしき哉、人生!』とは、1946年に公開されたアメリカ合衆国のファンタジードラマ映画である。監督はフランク・キャプラ。
主人公のジョージ・ベイリーは、人生に絶望し橋の上から身投げを図ろうとする。そんな彼の元に見習い天使のクラレンス・オドバディが現われ、彼を救いにやってくる。子供の頃から運に見放されてきた主人公のジョージ・ベイリーが、見習い天使クラレンスの力を借りて人生の素晴らしさを再確認し、生きていく様子が描かれている。友情や家族の絆、本当の豊かさとは何かに気づく物語である。

不動産会社の販売員(演:チャールズ・レイン)

不動産業者。

『素晴らしき哉、人生!』の用語

グランビル屋敷

ジョージとメアリーが石を投げ窓を割った屋敷。窓を割ることが出来たら願いが叶うといい、ジョージはメアリーに将来の夢を語った。
また、新婚旅行に行けないことになった際にはこの屋敷に集まり、2人で食事をした。

2級天使

天から地上に送り込まれたクラレンスのこと。200年間翼が無いため2級天使と呼ばれる。
翼を獲得するために身投げしそうなジョージを助けに行く。

鈴の音

劇中での鈴の音は天使が翼を獲得した音である。物語のラストではクリスマスツリーの鈴が鳴り、ジョージを救った2級天使のクラレンスが見事翼を獲得した。

『素晴らしき哉、人生!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ジョージ「このせまい町を離れ世界に飛び出すんだ!」

メアリーと出会った帰り道に将来の夢を語るジョージは、「このせまい町を離れ世界に飛び出すんだ!」と言う。
大学を卒業後は建築の仕事に就きたいと考えており、彼のチャレンジ精神とスケールの大きさが分かる発言である。

クラレンス「1人の命は大勢の人生に関わっている。その人間が欠けるとすべてが変わる」

橋の上から身投げをしようとするジョージを止めた天使のクラレンスは、ジョージの存在しなかった世界を見せる。
自分が存在しない世界を見た彼は、今より状況が悪くなった現実を目の当たりにして後悔する。そんな彼にクラレンスは「1人の命は大勢の人生に関わっている。その人間が欠けるとすべてが変わる」と言うのだ。

クラレンスのこの言葉は、自分という存在の素晴らしさ、人生の素晴らしさ、人との関わり合いがいかに大切かを思い出させてくれる。

ジョージの元に集まる家族・友人達

クラレンスのおかげでもう一度生きる力が湧いたジョージ。家族の働きかけで町の皆が集まりお金を工面してくれることになり、大団円を迎える。
お金を多く持っていることではなく、困ったときに手を差し伸べてくれる人がいることが「本当の豊かさ」であると分かる名シーンである。

『素晴らしき哉、人生!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

公開当時は興行的には失敗

2006年にはアメリカ映画協会(AFI)が選ぶ「感動の映画ベスト100」の1位に選ばれるなど名作として評価されているが、1946年に公開された当時は観客には受け入れられず、興行的には惨敗。製作費が285万7千ドルのところ、北米興行収入は326万ドルだった。
しかし時が経つにつれ再評価され始め、アメリカ合衆国ではクリスマスシーズンに毎年放送されるようになり、クリスマス映画の定番となった。

撮影は夏のサンフランシスコ

真冬のクリスマスが舞台の映画だが、撮影したのは6、7月頃のサンフランシスコだという。
そのため、撮影場所に大量の人工雪を用意して撮影を行った。

エンディングは複数撮影

監督は数通りのエンディングを撮影していて、当初の脚本はジョージが跪いて神に祈りを捧げる終わりだったという。しかし、宗教色が強くなってしまうとの懸念があり、家族や友人達と集まって笑顔で終わるというラストシーンになった。監督は後に本作が一番思い入れのある作品だと語っている。

Andykz186
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@Andykz186

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