エクソシストを堕とせない(エクおと)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エクソシストを堕とせない』(略称:エクおと)とは、集英社のWebアプリ『少年ジャンプ+』に掲載されているバトル漫画。原作は有馬あるま、作画はフカヤマますくである。2021年12月から連載が開始された。
最強のエクソシストである少年・神父(通称:神父くん)は、悪魔の王・サタンに狙われているという愛月イムリを守るために日本にやってきた。そしてイムリを狙って送り込まれる「七つの大罪」を冠する魔王達と壮絶な戦いが繰り広げる。

『エクソシストを堕とせない』の概要

『エクソシストを堕とせない』(エクソシストをおとせない)とは、集英社のWebアプリ『少年ジャンプ+』に掲載されているバトル漫画。公式の略称は「エクおと」。原作は有馬あるま、作画はフカヤマますくである。2021年12月15日から連載を開始。「次にくるマンガ大賞2022」では、Webマンガ部門にて第9位を獲得した。悪魔や天使などオカルト要素を含んだバトル漫画だが、一方では主人公達の切なくも甘く苦しい恋物語が描かれている。

絵柄が全体的にかわいらしく、一見読みやすそうに感じられるが、七つの大罪やキリスト教における聖書の内容が現代風かつ、より歪にアレンジされており、全体的に作風は暗く重たい。性的な描写やグロテスクな描写が多く見られる。

「悪魔の王・サタンを倒すために生まれてきた」と言われる最強のエクソシストである少年・神父(通称:神父くん)は、サタンに狙われているという画家の少女・愛月イムリ(あつき イムリ)を守るために日本にやってきた。そしてイムリを狙って送り込まれる「七つの大罪」を冠する魔王達と壮絶な戦いを繰り広げていく。イムリとの出会いを経て神父くんは、その心に恋と希望を抱いていくのだった。

『エクソシストを堕とせない』のあらすじ・ストーリー

神父くんとイムリの出会い

最強のエクソシストである16歳の少年・神父くん(本名不明)は、魔王・サタンに狙われているという18歳の日本人の画家・愛月イムリ(あつき イムリ)の護衛のために日本を訪れた。イムリは、「恋する悪魔」をテーマにした絵画を描き続ける画家で、個展を開けるほどの絶大な人気をもつ画家だ。そんなイムリを狙うというサタンからの声明を受けて神父くんは日本にやってきたのだ。神父くんはイムリを一番近くで護衛するため、人里から少し離れた場所に教会が用意した家で一緒に暮らし始める。神に尽くし、日々悪魔と戦うことしかしてこなかった神父くんは他者とのコミュニケーションが上手ではない。しかし下手くそなりに誠実にイムリと向き合い、イムリを何者からも守ることを誓う。

しかしイムリの正体は、サタンから神父くんを恋に堕とすように命令された悪魔・リリン(サキュバスの原種)だった。神父くんを恋に堕とすことで、その力を失わせるためのサタンの策略である。サタンがイムリを狙っているというのは、自作自演だったのだ。イムリは生まれつき魔力を持っておらず、エクソシストである神父くん達に自分が悪魔だとバレることはない。イムリはサタンから神父くんを恋に堕とすように命令された時「私が誰と付き合うか決める権利なんてサタン様にはありません いつも通り オトすかどうかは自分で決めます」と言ってあまり乗り気ではない素振りを見せた。イムリが悪魔であることを、他の悪魔達も基本的には知らない。イムリは様子見程度の気持ちで神父くんとデートしたりして様子を探っていくことにした。

こうして神父くんとイムリの同棲生活がスタートするのだった。

”強欲”の魔王・マモン

神父くんとイムリが同棲生活を初めてすぐのことだった。「七つの大罪」の1つ”強欲”の大魔王・マモンからの挑戦状が届いた。マモンは過去に1度神父くんと戦ったことがあり、その時は神父くんに敗北している。”強欲”のマモンは強さを欲し、”神父くんに勝つこと”を欲した。

神父くんは後手に回らないためにマモンの招待状を受け、招待状にかかれていた場所へ向かった。イムリも一緒だ。護衛対象のイムリと離れるのは危険という判断の上だった。神父くんはマモンと対峙する。マモンは過去の戦いで神父くんの能力について知っており、その状態で戦うのはフェアではないとして、自身の能力を神父くんに披露する。そうしてフェアな状態になった上で戦いが始まった。勝利したのは神父くんであり、敗北したマモンは地獄(ゲヘナ)へと帰っていくのだった。

”嫉妬”の魔王・リヴァイアサン

マモンとの戦いが終わった後、教会から2人の女性のエクソシストがやってきた。毛先に少しウェーブがかかったショートカットが特徴のシスターレア、仮面で顔を隠しているシスターバーバラの2人だ。2人はイムリの新たなお世話係として日本にやってきたのだ。男の神父くんがイムリの世話をするのには限界があるだろうという配慮があってのことだったが、イムリはサタンからの命令で神父くんの品定めの途中である。神父くんと離れることをイムリがしぶるのを見たシスターレアは、神父くん VS シスターレア・バーバラチームによるお世話係勝負を行い、その結果でイムリがお世話係を選んではどうかと提案した。お世話係の勝負の舞台は、海沿いにある教会が所持している別荘。そこで神父くんとシスターレア・バーバラチームが交代でイムリの世話をする。その結果でどちらがお世話係にふさわしいかをイムリが決めるのだ。

お世話勝負が始まって2日目。浜辺に1人の少女が倒れていた。気を失っていた少女を保護して神父くん達は別荘に連れ帰る。自身のことを”ママ”と呼ぶ少女の正体は「七つの大罪」の1つ”嫉妬”のリヴァイアサンだった。イムリだけはその正体に気づいており、風に当たってくると言ってリヴァイアサンを外に連れ出すと、何故ここにいるのかを問うた。リヴァイアサンは神父くんと友達になりたいだけだった。リヴァイアサンはずっと友達が欲しかったが、持って生まれた力が強すぎるため、大抵のものは撫でれば死んでしまう。その点、サタンを倒せるという力を持つ神父ならば、対等な友達になれるのではないかと思ったのだ。そしてリヴァイアサンが望んだ通り、神父くん達と過ごす時間は楽しいものだった。しかしリヴァイアサンを慕う海の生き物達がリヴァイアサンを迎えに来てしまう。自身が悪魔、しかも魔王であることが知られたリヴァイアサンは、神父くん達と戦うしかなくなった。戦いに赴く神父くんの背中を見て、イムリは1つだけ神父くんに問う。「あの子のことも助けてあげられない?」 イムリはリヴァイアサンの苦悩を知っており、リヴァイアサンがただ本当に友達が欲しかっただけであることも知っていた。その言葉に神父くんは、「わかった オレも助けたい」と答えた。

神父くんとリヴァイアサンの戦いは壮絶なものとなり、神父くんは重症を負い、本当の姿に戻ったリヴァイアサンに食べられてしまう。しかし神父くんはリヴァイアサンの内側から攻撃を仕掛けてなんとか脱出。リヴァイアサンは泡となって消えた。そのまま海から浮かんでこない神父くんを助けるためにイムリも海へと飛び込む。2人で海上へ戻った後、イムリは自身が神父くんが好きであることを自覚した。イムリは神父くんに本当の名前について尋ねる。神父くんは「オレの名前は――――」とイムリに教えた。イムリは神父くんをきちんとオトしたら神父くんの名前を呼ぶと決意するのだった。

”暴食”の魔王・ベルゼブル

過去幾度か教会と戦い、地上での活動限界を迎えて鳴りを潜めていた「七つの大罪」の1つ”暴食”の魔王・ベルゼブルが復活した。日本の東京はベルゼブルの力に汚染され、人々の命が危うくなる。神父くんはイムリを連れて、シスターレアとシスターバーバラと共にベルゼブルの元へと向かった。しかし途中にいた悪魔達に妨害されてしまう。二手に別れてベルゼブルの元へと向かい、先にベルゼブルの元へ到着したのはシスターレアとシスターバーバラだった。シスターレアは、幼い頃にベルゼブルにたぶらかされ、彼を解き放つ手助けをしてしまった。そして家族も村人も全て殺されてしまった過去がある。ベルゼブルを酷く憎んでいたシスターレアはやっとベルゼブルに復讐できることを喜び戦った。シスターレアの力でベルゼブルを押しているように見えたが、シスターバーバラを人質に取られてしまい、シスターレアは彼女を助けるために教会の機密事項をベルゼブルに話してしまう。それにシスターレアが絶望していたところへ、神父くんがイムリを連れて現れた。今度は親父くんとベルゼブルの戦いが始まる。途中現れた神父くんの師匠・ダンテも加わり、神父くん達はなんとかベルゼブルを倒すことができた。誰かが死んでもおかしくない状況だった。シスターレアやシスターバーバラは重症を負ったが生きている。イムリはそれを素直に喜ぶのだった。

”色欲”の魔王・アスモデウス

ベルゼブルとの戦いの後、イムリと神父くんはアリアという人物のライブへと出かけた。アリアは歌姫と呼ばれる世界的な人気を持つアーティストで、イムリはそのアリアの新曲のMVで絵を描く仕事を受けていた。ライブが終盤に差し掛かった時、突然会場に不穏な空気が流れ始める。「七つの大罪」の1つ”色欲”の魔王・アスモデウスが現れたのだ。アスモデウスはアリアの歌声を気に入ったとし、40日後に再び歌姫を奪いに来ると予告した。神父くんはライブが終わった後、イムリと共にアリアに会い、状況を説明した。護衛をするためにアリアに学校を休むように提言。しかしアリアはそれを拒否し、神父くんが強いのでれば、神父くんが学校に来て自分を守ればいいと言い出した。神父くんは既にイムリの護衛をしているので、アリアにはミハイルという別の人間が護衛につく予定である。しかし到着にはまだ時間がかかるため、神父くんはアリアの要求をのみ、イムリと共にアリアの通う学校へ入ることになった。

アリアは神父くんとの初対面の時にツンケンした態度を取っていたが、学園生活の中で徐々に神父くんに心へと入っていった。アリアの正体は、”色欲”の魔王・アスモデウスその人だったのだ。イムリはその正体に気づいており、アスモデウスに何故神父くんに近づくのかと迫る。アスモデウスは4年前に1度神父くんに敗れていた。その時アスモデウスは周囲にいた女性を操り、まだ12歳で女性を知らない神父くんを無理やり犯して快楽へ堕とそうとした。神父くんはその時のことがトラウマになっており、”性”に対して異常な嫌悪感や恐怖を持っており、実は女性が苦手なのだ。アスモデウスは自分でつけたそのトラウマを自分自身で癒やし、神父くんを今度こそ犯して堕とそうとしていたのだ。しかしイムリは神父くんのことが好きなので、そんなこと黙ってみていられるはずがない。そしてイムリとアリア(アスモデウス)との神父くんを賭けた戦いが静かにスタートするのだった。

『エクソシストを堕とせない』の登場人物・キャラクター

主要人物

神父くん(本名不明)

CV:斉藤壮馬(公式PV)

悪魔の王・サタンを倒すことができる奇跡の力を持って生まれてきた少年。本名は不明。作中では他の神父と区別するためか、「神父くん」と呼ばれることがほとんどである。悪魔と戦うという使命だけを遂行するために、幼い頃に教会に引き取られ、司教による教育という名の虐待を受けてきた。それにより異常なほどに神に従順になり、最強のエクソシストとして日々悪魔と戦っている。大天使の力を使うことができ、魔王を退けるほどの力を持つ。常人ならば死んでしまうような傷を受けても回復することも可能。

12歳の時に初めて対峙した、「七つの大罪」の1つ”色欲”を司る魔王・アスモデウスとの戦いで、女性を性的に見てしまったことを償うために自ら右目をくり抜いた。以降、右目は義眼である。この時の戦いでアスモデウスに操られた多数の女性に強姦されそうになったことで、”性”に対して考えることに対して酷い嫌悪感を持つようになった。しかし師匠であるダンテの「恋をしろ 人を愛せ」という言葉を信じ、愛や恋については少しずつ理解をしようとしている。

愛月イムリ(あつき イムリ)/リリン

PV:高橋李依

「恋する悪魔」をモチーフにした絵画を描き続ける日本人の画家。18歳。魔王・サタンからの声明で、悪魔に命を狙われていることがわかり、神父くんに護衛されることになった。しかしその正体はサキュバスの原種と呼ばれる悪魔・リリン。魔王・サタンの部下であり、愛月イムリとは仮の姿である。男にとっての「運命の女」、または「男を破滅させる魔性の女」という意味を持つ「ファムファタール」と表現されこともある。生まれつき魔力を持っておらず、そのため教会の人間に悪魔だと気づかれない性質を持つ。

サタンに神父くんを恋に堕とすように命令された。最初は乗り気ではなく、「私が誰と付き合うか決める権利なんてサタン様にはありません いつも通り オトすかどうかは自分で決めます」と魔王でサタンに対しても遠慮のない発言をしていた。しかし神父くんと日々過ごす中で、徐々に神父くんに惹かれていき、彼に恋心を抱くようになる。

教会関係者

ダンテ

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