音無響子(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

音無響子とは漫画『めぞん一刻』に登場するメインヒロインである。一刻館の新しい管理人として赴任した未亡人の美しい女性であり、主人公の五代裕作に惚れられる。またテニスクラブのコーチをしていた好青年の三鷹瞬にも惚れられ、三角関係を展開した。双方から熱烈なアプローチを受けるも、前の旦那が忘れられない彼女は中々彼等の想いに応えられない。一方で五代が他の女性と一緒に居ると嫉妬し、彼を困らせていた。最終的に五代に惹かれて結婚する。その後は娘の春香をもうけ、一刻館の管理人室で五代と共に娘を育てていく。

響子は娘の春香を出産し、五代と共に一刻館に帰る。そこには一刻館の住人達が待っており、響子達を祝福した。

「パパとママが初めて会った場所なの」と、響子のモノローグで、春香に一刻館を紹介するシーンで物語は完結する。一刻館の住人達に囲まれ、響子と五代、春香の3人の新しい生活の始まりを描いている。

音無響子(めぞん一刻)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

入居者の居ない3号室

アニメ版のみ登場の三越

一刻館の3号室は原作では空室のままであった。ファンからは「開かずの3号室」と呼ばれている。これは「一刻館の部屋には、名前にその数字が入っているキャラクターが居住する」という法則の為である。管理人室は音無響子(音無の無の字は0に当たり、管理人室は0号室とも呼べる)1号室は一之瀬、2号室は二階堂、4号室は四谷、5号室は五代、6号室は六本木朱美と、それぞれの部屋の数字の名前が入ったキャラクターが一刻館に居住している。だが、3号室の「3」が名前に入っているキャラクターは三鷹であり、彼は一刻館の外の人間であった。その為、3号室は原作において無人である。

だがアニメ版『めぞん一刻』では50話、51話で一時的に3号室にアニメオリジナルキャラクターが居住する。それは三越善三郎(みつこし ぜんざぶろう)という中年男性である。一見すると穏やかな人物で、一刻館の面々とも良好な関係を築き上げた。だが彼の本性は地上げ屋であり、一刻館を乗っ取ろうと画策していた。しかし一刻館の住人達と接して心動かされた彼は改心し、密かに一刻館から立ち去って行った。

一刻館のモデル

現在の東久留米駅

本作『めぞん一刻』に登場する一刻館にはモデルとなった場所が存在する。それは原作者の高橋留美子が大学時代に下宿していた中野のアパートの裏手にあった「アパート形式の変な建物」である。近所の人々からは「大学の寮らしい」と言われていたが、実態は不明であった。「割れた窓ガラスに本が差し込んであった」「玄関の上の部屋の窓には剣道の籠手と面が乾してあった」等の奇妙な光景を目の当たりにした事が高橋によって語られている。また「トランシーバで通路と部屋とで話していたが、大声で怒鳴りあっている為丸聞こえで、無線機の意味が無かった」とこの建物の住人同士の奇行も高橋に語られいる。こういった奇妙な建物と、そこに住む奇妙な住人達がモデルとなり、一刻館の奇妙な住人達が誕生した。尚、キャラクターにはモデルは無く、全て高橋のオリジナルである。

一刻館の立地も、ファンの間では西武池袋線の東久留米駅の北口の一帯がモデルではないか、と議論されている。この点に関しては作者の言及が無い為、非公式の見解である。だが、初期の一刻館の周囲の風景が当該地域の情景と一致している事がファン達に指摘されていた。また連載中期頃、作者の高橋は練馬区へ転居している。因果関係は明確では無いが、物語初期と中期以降では、一刻館の周囲の情景は異なって描かれていた。尚、原作61話では、一刻館に住む響子への郵便物に「東京都練馬」と記載されているシーンが登場する。この事から、物語上での設定では一刻館は練馬区に存在する事が読み取れる。

連載から30年以上経過し、東久留米駅周辺の情景はすっかり変わってしまった。その為、現地で真偽を確認する手段は無い。

当初は人情路線だった『めぞん一刻』

本作『めぞん一刻』第1巻の1コマ目の一刻館

未亡人響子と、うだつの上がらない青年五代の恋愛を描いた本作『めぞん一刻』であるが、当初は恋愛漫画になる予定では無かった。連載初期は一刻館の住人達を主人公にした「人情物語」として描かれる予定であった。これにより、初期は住人達のドタバタ劇という様相が強めである。この住人達の物語の1つとして、響子と五代の恋愛物語を描く予定だったのである。だが、響子と五代の関係が読者に好評だった為、次第に2人の恋愛物語に方向を転換した。本作のタイトルが『めぞん一刻』と建物系の名前なのは当初の、一刻館の住人達による人情物語路線の名残である。

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