EVE new generation(イブ・ニュージェネレーション)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『EVE new generation(イブ・ニュージェネレーション)』とは、PlayStation2用ゲームソフトとして2006年8月31日に角川書店から発売された。『EVE burst error』から続いている「EVEシリーズ」の6作目にあたり、私立探偵「天城小次郎」と捜査官「法条まりな」の2人を操作してストーリーを進めていくマルチサイトアドベンチャーゲームとなっている。18禁要素を加えた『EVE 〜new generation X〜』や脱衣麻雀要素を加えた『EVE雀』も発売された。

『EVE newgeneration』の概要

『EVE new generation(イブ・ニュージェネレーション)』とは、2006年8月31日に角川書店から発売されたPlayStation 2専用のアドベンチャーゲームである。『EVE burst error』以来、「EVEシリーズ」としては6作目となる作品で、二人の主人公を切り替えながらストーリーを進めていくマルチサイトシステムとなっている。
2007年3月23日にはタイレルラボラトリー(F&C系列)からアダルト要素を加えたPC用ソフトとして『EVE ~new generation X~』(イブ・ニュージェネレーション・エックス)が、2008年7月25日にはストーリーに脱衣麻雀要素を加えた『EVE雀』(イブじゃん)が発売された。同社刊の『コンプエース』で漫画化もされている。
舞台となるのは前作から数年後の世界。主人公である、あまぎ探偵事務所の私立探偵「天城小次郎」と、内閣情報調査室のエージェント「法条まりな」は、それぞれ別の事件を捜査していくが、やがて一つの線に絡み合ってつながっていく。マルチサイトシステムをフルに活用し、プレイヤーを引き込む作品となっている。

『EVE new generation』のあらすじ・ストーリー

世界観

直接的なストーリーのつながりはないが、前作『EVE TFA』から数年後が物語の舞台となっている。変わらずあまぎ探偵事務所所長として細々とした仕事をして生計を立てている私立探偵の天城小次郎。そして、内閣情報捜査室のエージェントとして活躍している法条まりな。二人の視点から事件を追い求め、やがてそれは1本の線につながっていく。

小次郎編

8月9日

埠頭に佇む乃依

買い物帰りの天城小次郎は、埠頭に佇む1人の少女と出会う。その少女は小次郎の元恋人でもある桂木探偵事務所の所長桂木弥生が探している人物でもあった。やがて一台の車が止まり、出てきた男から口止め料ともとれる小切手を渡されて少女は連れて行かれそうになるが、小次郎は思わず少女の手を取り少女と共に逃げようとした。躊躇なく銃を向けてくる男たちを振り切りなんとか窮地を脱した小次郎は少女を保護するが、少女は自分の名前をはじめとする記憶をなくしてしまっていた。

8月10日

大隈朋義(左)から小切手を受け取る

昨夜、少女を助けた際に燃えてしまったジャケットの胸ポケットに小切手を入れたままだったことを思い出した小次郎は、先日拾った犬の大五郎を使って事件現場に近づこうとしたものの、大五郎は事件現場から出てきた女性に駆け寄っていってしまう。小次郎は彼女から現場の様子を聞こうとするものの情報は得られず、ジャケットや小切手も見つけることはできなかった。

桂木探偵事務所に戻ると、弥生と昨日助けた少女が待っていた。桂木探偵事務所は少女を探しているという女性からの依頼を受けており、少女に捜索依頼主から聞いた「紀瀬木乃依」という名前を教えたものの、「自分の名前ではない」と言い張った。さらに、じゃれつこうとした犬の大五郎を蹴り上げ、話を聞こうとしても機嫌を悪くするばかりでまともに会話もできない状態である。仕方がないので、昨日の小切手に書かれていた銀行や名義人を手掛かりに小次郎は調査を始める。小次郎は公園に住んでいる情報屋三六九の元へ向かい、小切手の名義人についての調査を依頼する。

小切手の名義人である「大隈」が日新銀行の幹部だと探り当てた小次郎は、日銀へと向かう。警備人に怪しまれながらもなんとかロビーへと入ることに成功するが、中は見学ツアーで来ている子どもたちの団体がいるだけで大隈が現れる気配はなく、代わりに法条まりなと出くわす。「早く銀行から離れるように」と言うまりなと言い合っていたその時、突然黒塗りの車が銀行へ突っ込み、サブマシンガンを持った男たちが現れて見学ツアーの子どもたちを人質に立てこもってしまう。小次郎は状況を打開しようとするものの、気づいた男にスタンガンを打たれて気を失ってしまった。気を失う寸前、犯人グループの中に乃依が見えた気がした。

夕方、警察病院で目を覚ました小次郎の元に弥生が訪れ、弥生は乃依がいなくなったことを小次郎に伝える。小次郎は犯人グループの中に乃依がいたと明かし、「犯人の少年たちと会わせてくれ」とまりなに頼み込むが「それは無理だ」と言われてしまう。

退院後倉庫街に戻ると、そこには乃依がいた。彼女は瞬間移動ができると小次郎に伝えるが小次郎は信じない。乃依は小次郎に、「自分が日銀に行っていないということの証明と自分の記憶を取り戻してほしい」と依頼する。事務所の中で乃依から話を聞いていると、彼女の足に「アルトを探して」と書かれているのを見つける。乃依には全く心当たりがない様子だったので、とりあえずは記憶喪失の原因を探るために大学病院で検査をすることにした。

8月11日

情報交換をする弥生(左)と小次郎(右)

乃依と共に大学病院を訪れた小次郎。しかし検査の途中停電が起こり、乃依は忽然と姿を消してしまった。またもいなくなってしまった乃依、そしてアルトについて探るうちに乃依が依然暮らしていたと思われるラベイユ児童養護施設の存在を知り、行ってみると昨日事件現場で出会った女性と再会する。彼女の名前は紀瀬木エフィと言い、ラベイユ児童養護施設の園長であり、紀瀬木乃依の母親であった。施設にはビーグル犬や施設の子どもたち、さらに桂木探偵事務所に乃依の捜索を依頼した女性ミゾグチの姿もあった。

事務所へと戻ってきた小次郎はラベイユ養護施設でエフィから借りてきたDVD-ROMに乃依のデータが存在しているかどうかを弥生と一緒に確かめることにしたが、その最中に小次郎は謎の眩暈を感じてそのままソファに倒れ込んでしまう。そして小次郎は、見覚えのない場所でまりなが老人に銃を向けるという不思議な夢を見る。

ドアを叩く音で眠りから覚めた小次郎。扉を開けるとそこには、大隈とその部下に銃口を突き付けられた弥生がいた。大隈は乃依の居場所を小次郎に問いただすと、「この事件から手を引け」という条件の元で弥生を解放した。解放された弥生は小次郎に、エフィの苗字は紀瀬木だということ、ラベイユ児童養護施設の運営母体はブラーという名のNPO法人であり、エフィはそのブラーと、デボラ製薬会社の取締役社長でもあるということを伝えた。

その夜、小次郎の携帯電話に、まりなの同僚である鐘本美奈代から電話がかかってくる。鐘本美奈代は、まりなが殺人容疑で指名手配されていることを告げ居場所を知らないか聞かれるが、小次郎は知らないと答える。鐘本美奈代との電話の後すぐにまりなから電話を受け、小次郎は指名手配のことを問いただすが、まりなは「黙ってホテルまで来てほしい」ことを伝えるだけだった。

指定されたホテルの部屋に向かった小次郎は、部屋の中で出会った女の子に「やっと会えたね、小次郎」と言われる。その少女の名はアルトといい、乃依とは双子の姉妹であることやアルトと乃依は共に沖岸島で育っていることを聞く。乃依とは8月5日にはぐれてしまったらしいが、アルトは乃依が考えていることを受信できるのでどこにいるかが分かっており、「乃依は今小次郎の事務所にいる」と言う。聞きたいことは山ほどあったが、ホテルが警察に包囲されていることを受けてとりあえずホテルから脱出することに。荷台にまりなを乗せてエレベーターに乗り込んだはずのアルトだったが、小次郎が追いついた時にはアルトの姿はなく、まりなのみだった。タンクローリーを運転して助けに来たミカエルと共にホテルを脱出し、闇夜を奔走する。タンクローリーの中で、小次郎とまりなはこれまでの情報を交換し、これまでの事件の犯人の心当たりとして「ヤエダハツミ」の名前を聞く。

途中でタンクローリーから別の車に乗り換え、小次郎は倉庫街で車を降りて事務所へと戻ると、アルトの言う通り乃依が大五郎と一緒に待っており、小次郎は事務所よりも安全な公園へと場所を移して話を聞くことにした。乃依にはテレポーテーションの能力があり、病院からもテレポーテーションで別の場所に移動したということだった。小次郎は乃依に妹のアルトが見つかったことを伝えたが、乃依は全く思い出せない様子だった。

8月12日

ラベイユ児童養護施設から走って逃げるアルト

小次郎と乃依、大五郎は、中央公園にある情報屋の三六九の小屋で一晩を明かした。三六九から、ミゾグチが別の探偵にアルトの捜索を依頼していたという新しい情報を得る。停電中でも自発用発電機で快適な生活を送っている三六九の元に乃依と大五郎を預け、小次郎は捜査のために街へと繰り出す。

小次郎がラベイユ児童養護施設に到着した時、目の前に乃依が現れた。どうやら小次郎の後をつけていたようだ。仕方なく乃依を連れて施設に入っていくと、乃依を見つけたエフィがそのまま彼女を抱きしめたが、その瞬間に乃依は貧血を起こし倒れてしまった。医務室で乃依を休ませている間に、小次郎はエフィに乃依とアルトのことについて質問をぶつけると、エフィから返ってきた答えは、「乃依とアルトは、私の娘であり、クローンである」という答えだった。乃依とアルトの関係について尋ねると、「二つの体に一つの心が宿っている状態」だと説明され、計画がすでに始まっていることを告げられた。施設にいたアルトを見つけるが、小次郎の姿を見たアルトは逃げ出す。医務室には乃依の姿はなく、乃依の服の上にアルトの服を着ていたため、小次郎は乃依とアルトは同一人物かつ二重人格であると推理する。

アルトを見つけられなかった小次郎は、大学病院で乃依の検査を担当した獅子渡という医師から連絡を受けて病院へと向かう。乃依の記憶喪失の原因は、ベクタマイドという、デボラ製薬で開発された一部の記憶だけを消すことができるという薬ではないかということを伝えられる。記憶を回復させる方法としてアンタゴニストという薬が有効であるとして、獅子渡からその薬を渡される。

大学病院から桂木探偵事務所へと向かった小次郎は、弥生が得た様々な資料を見る。紀瀬木家の戸籍謄本には、乃依とアルトは15年前に双子として誕生し、エフィが11歳の時に私生児として届け出ていたことが記載されていた。そしてアルトは1年前に事故死している。エフィの母親の紀瀬木初海も、エフィを私生児として届け出ていた。紀瀬木初海はデボラ製薬とブラーの創設者でもある。「まりなに聞いた『ヤエダハツミ』は何か関係があるのだろうか」と小次郎は考える。日銀襲撃に関する新しい情報も分かった。日銀襲撃時にアルトの代わりに捕まったのは鐘本リエという少女で、彼女もまたラベイユ児童養護施設で育っていたのだ。さらに彼女は後に鐘本美奈代に養子として引き取られていた。鐘本美奈代もラベイユやブラーに関わっているとのことで、内閣情報調査室にも圧力がかかっているということだった。

大隈朋義邸の住所を得た小次郎が大隈邸に忍び込むと、録音室に家政婦が縛られており、レコーディングスタジオで対峙している大隈とまりなを見つける。まりなの横にはアルトも一緒にいたが、途中からいなくなってしまった。アルトを追いかけようとした小次郎だったが、まりなが大隈に銃を向けたことで動きが止まる。録音室からは声が届かないためレコーディングスタジオへと急ぐが、スタジオの中にはすでにまりなはおらず、死亡した大隈が横たわっていた。

まりなの姿に違和感を感じながらも家政婦に警察を呼ぶように伝え、小次郎は中央公園へ。乃依の同意を得て、失った記憶を回復する薬であるアンタゴニストを注射する。記憶が戻るまでの時間を利用して島津川の花火大会を楽しむ二人だったが、乃依は少しずつ戻って来る記憶に戸惑いを感じている様子だった。そして小次郎が目を離した一瞬の隙に何者かに突然連れ去られてしまう。弥生から情報を受けて乃依が連れ去られた場所が海上だと知った小次郎は、出港しそうな大型クルーザーへと乗り込むが、そこには誰もいない。船はどんどん進んでおり防波堤への衝突を防ぐために舵を切る小次郎だったが、後ろから何者かにスタンガンで襲われ、そこで記憶は途切れた。

8月13日

廃校の保健室の柱に縛られて眠っている小次郎

沖岸島で小次郎が目を覚ました時、携帯電話の表示は8月13日となっていたため小次郎は8月13日だと思い込んでいたが、実際は8月14日。まりなの犯行を目撃させるトリックを成立させるために全て仕組まれていた。

8月14日

小次郎のピンチに駆け付けた氷室恭子

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