ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(ホラー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とは、1968年アメリカで公開されたホラー映画。死者が蘇り人を襲い始める事件に直面した主人公たちが一軒家に籠城して内輪で争いながらも、死者からの襲撃をから一夜を生き抜くという内容である。11万ドルの予算で製作され1800万ドルの収入を上げた。
原作はジョン・A・ルッソ、監督はジョージ・A・ロメロ。「ゾンビ」というモンスターは本作品で創作され登場した。人種、社会問題をも作品に反映しており、単なる恐怖映画を超えた名作としてロングランを続けた。

後半も登場した

ゾンビ映画史上初めて登場したゾンビと言える。

ウォルト・マクレラン(演:ジョージ・コサナ)

「死者」狩りを指揮する保安官。「火を恐れる」「人間を襲うのを止めさせるには頭部を破壊するしかない」と「死者」の特徴を説明する。この特徴はその後のあらゆる映画・ゲームにおけるゾンビの特徴となった。

リポーター(演:ビル・カーディル)

政府関係者をインタビューする

「死者」が蘇るパニックの原因は政府の人工衛星にあるのでは、と追及する。「国のやっていることは信用できない」映画製作当時の世相を暗喩している。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「地下室へ行けよ!」

ハリーとベンは出会って早々仲違いをする。

地下室へ籠城することを主張するハリーと、1階に留まるべきだと言うベンが言い争い、ベンが「(別行動をとろう)さっさと地下室へ行け!」と叫ぶ。農家という閉ざされた空間ながらも、国家間の領土争いと同じ小競り合いをする。当時の米ソ間の緊張状態を皮肉に描いた名言である。

「死者」となったジョニー

変わり果てたジョニー

映画のクライマックス、バリケードが破れて大量の「死者」がなだれこんで来た。その中には冒頭の犠牲者ジョニーもいた。バーバラにとって自分を「守って」くれた人間が自分を「襲う」側になってしまう。後のゾンビ映画の醍醐味ともいえる「立場の変化」の記念すべき初シーンである。

食人シーン

ショッキングな食人シーン

「死者」とはいえ食人というタブーを犯す場面は衝撃的な恐怖を観客に与えた。また「死者」が生者を襲う理由として「人肉を求めている」、ことが食人シーンより判明した。小道具の人肉は燻製したハムを使用した。食人を扱った映画作品に1962年ヤコペッティ監督の「残酷大陸」にかつて食人を行っていた民族が登場する(但しドキュメンタリー風のやらせ)。1980年にホラー映画「食人族」が世界的にヒットし2001年には「ハンニバル」が公開された。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の 裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「リビング・デッド」という名称

コメディー色の強いゾンビ映画「バタリアン」

本作品はルッソとロメロの共同執筆であったが作品製作後に二人は袂を分けた。権利の関係上「リビング・デッド(生きている死者)」という単語をロメロは使用することが出来なくなり、以降のロメロのゾンビ作品は「デッド」という呼称が利用されている。ロッソは本作品の続編を執筆し1985年に「リターン・オブ・ザ・リビングデッド(邦題 バタリアン)」として大幅に改変した内容で製作された。

人工衛星と放射能

科学者の意見を聞くテレビアナウンサー

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