ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜』とは、漫画家小野寺浩二と総合プロデューサー石黒正数が「実際に心霊体験をしたい」という目的の下、様々な心霊スポットを巡る「心霊スポット探訪ガチレポート漫画」である。
『月刊ヤングキングアワーズ』で2012年9月~2015年2月まで連載。
メジャーからマイナーまであらゆる心霊スポットへ赴き心霊体験とその証拠を掴むため東奔西走する、ホラーを取り上げつつも全くホラー要素を感じさせない新感覚な心霊漫画。

望月哲史(もちづき てつし)

『ムー』編集部。第26夜でソレミテメンバーに心霊ツアーを企画する。

石塚麻衣(いしづか まい)

第26夜で登場する。『月刊ムー』の新人編集者、何も分からないまま連れてこられての参加となる。
心霊スポットでの撮影を行う。

吉田悠軌(よしだ ゆうき)

第26夜で登場した怪談作家・ライター。ムー編集部による心霊ツアーで主に案内役と語り手を行う。

『ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜』の用語

インスタントカメラ

第3夜にて登場する。小野寺が「デジカメより写りそう」という理由で使用する。ゆっくり現像される様を見て期待に胸を膨らませるが、心霊写真が写る事は無かった。

石黒Pのドクロ杖

第8夜で登場する仕込み刀が入っている柄にドクロがついた杖である。石黒Pが古道具屋にて5000円で購入した。中二病にようにはしゃいでいるだけで役に立たなかったどころか『初の心霊写真だ!』とはしゃぐも、その正体が反射したドクロ杖と判明し周囲をがっかりさせる。
次の回で石黒Pはこの件で謝罪をしている。その後、「本当に何もなかったロケ」のオチとして読者プレゼントされ窮地を救うという意外な活躍を見せる。

ゴーストレーダー

第9夜にて小野寺が投入した秘密兵器。自宅で試したら反応を示し期待をかけていたと後に触れているが、肝心の心霊スポットでは反応は示すも何も起きなかった。

ちなみに第27夜で小野寺はアプリ版のゴーストレーダーをインストールしている。ハイテク化するもやはり出番はなかった。

ビデオカメラ

第9夜で星野が持参した秘密兵器。前もって撮影し何か写っていないか確認するが2分で映像が切れてしまい「霊的現象による故障では」と期待するが、ただメモリーカードを入れ忘れていただけだった。

安達の穴あきクッション

尾てい骨疲労骨折から復帰した第10夜で登場。まだ完治していないらしく、しばらく安達はこのクッションなしでは生きていけない体になる。

『ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

石黒正数「デラさん、霊は出ますよ、いつか必ず、あきらめなければ」

ソレミテ第1夜「少年画報社ビル」にて石黒正数が小野寺浩二に向けて放ったセリフ。ポルターガイストを見逃し落ち込んだ小野寺を励ました後、去り際に「デラさん、霊は出ますよ、いつか必ず、あきらめなければ」と言うが小野寺に「それは、パチンコに狂った奴と同じセリフだよ」と締めくくられ第1夜のオチに使われる。
単行本の帯でもこのやり取りは記載されており、『ソレミテ』とはこのような雰囲気の漫画であると強い印象を与えた。

石黒正数「俺…人間として何か欠けているのかもしれない…!」

「俺…人間として何か欠けているのかもしれない…!」は、第4夜「道了堂跡」にて女性陣から「霊的不感症」と言われた時の石黒Pの一言。
皆が恐怖を感じている中唯一「そんなに怖くなかった」と語り、道中もずんずん進んでいく様子が語られている。この一言から『ソレミテ~それでも霊が見てみたい~』は「石黒Pの欠けた心のピース」を探す旅にもなる。
深い事を言っているようなセリフだが『ソレミテ』はヒューマンドラマではないので、どこか空回りした笑いを誘うセリフとして『ソレミテ』らしい印象を与えている。

第5夜 東京タワーのジュリアナと眼鏡のTシャツ

空振り回である。同時に『ソレミテ』の数あるエピソードの中では、偶然発生した要素が一番おもしろく絡み合っている奇跡のような話であった。ある意味これが一番『ソレミテ』らしい話といっても過言ではない。
この回では心霊体験とは程遠いギャグが全編で語られている。特に出だしが秀逸である、東京タワーの目撃情報から想像される不気味さとは程遠い明るいビアガーデンの描写、その中で絶滅したかに思えた「ジュリアナ」の存在が際立っておもしろい。それだけではない、間の悪い事に出オチを狙い「メガネのTシャツ」を着てしまった石黒Pの表情とそれを見て心中を察し「見ていられない」と涙する小野寺のシーンは笑いを誘う。

8xmikosi321
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@8xmikosi321

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