『ガイガン』解説まとめ【あらすじ・登場人物・名言・主題歌など(ネタバレあり)】

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ガイガンとは、東宝製作の怪獣映画「ゴジラシリーズ」に登場する架空の怪獣である。
初登場作品は1972年のシリーズ第12作「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」で、その後も度々シリーズに出演している。「未来怪獣」「サイボーグ怪獣」の異名通り、ゴーグル状の単眼、鉤爪状の手、腹部に回転ノコギリと全身武器の凶悪怪獣であり、その華麗な姿と残忍な戦いぶりから、根強い人気を誇る怪獣である。

概要

頭部に備えたゴーグルのような単眼と大きな角、肘から先が大きな鉤爪状になっている両腕が特徴。腹部の回転鋸や額に埋め込まれた光線砲などはゴジラシリーズでは珍しいサイボーグ怪獣という特異な存在であることを象徴している。背中には翼状のヒレを3枚持ち、手足の付け根や胴部にはプロテクターらしき物を備えるなど、何らかの生物を改造した痕跡が伺える。鳴き声は全作共通で「キシャーッ」という甲高い声に電子音を加えたような独特なもの。

キングギドラなど他の悪役怪獣とタッグを組むことが多い。その華麗な姿と残忍な闘いぶり、徹頭徹尾悪役として登場した独特の存在感で、「ゴジラ対ガイガン」の公開当初、子供たちから人気を集めた。翌年には次作「ゴジラ対メガロ」、さらにテレビ番組「流星人間ゾーン」(日本テレビ、東宝)にも登場する等、一躍人気怪獣となった。なお、アニメ・特撮監督として活躍する樋口真嗣のお気に入り怪獣として知られている。

登場作品ごとの解説

昭和ゴジラシリーズのガイガン

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それまでのゴジラ怪獣とは異なるシャープなラインが魅力。緑と金の鮮やかなコントラストも見事。

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ゴジラ対メガロより。前作よりやや面長であるなど、微妙にマイナーチェンジしている。

身長:65メートル
体重:2万5千トン
飛行速度:マッハ400(大気圏外)、マッハ3(大気圏内)
武器:ハンマーハンド、腹部の回転カッター、強力キック、額の光線砲(劇中未使用)

シリーズ第12作「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」および第13作「ゴジラ対メガロ」に登場。

地球侵略をもくろむM宇宙ハンター星雲人が、宇宙恐竜をサイボーグへ改造した怪獣(金色の鱗と羽を持つことから、キングギドラの同族ではないかという説がある)。宇宙空間を移送の際は青い水晶のような円盤の中に入っており、地球飛来時に爆発と共に姿を現した。大気圏内では羽根を拡げず、畳んで飛行する。
鉤爪状のハンマーハンド、一本爪の足によるキック攻撃、腹部の回転カッターが武器で、特に回転カッターは相手に組み付いたり、高速飛行のすれ違いざまに相手を切り裂くなどの多彩な使用方法があり、ガイガンの高い飛行能力も相まって驚異的な威力を誇る武器である。

デザイナーはかつて講談社に所属し、「少年マガジン」を中心に挿絵画家として活動していたイラストレーター・水氣隆義氏。
特徴的なサングラス状の目は日本映画の『山と谷と雲』(1959年公開)に出演していた石原裕次郎から着想を受けたもので、当初の構想ではサングラスの下に左右へ動くモノアイが埋め込まれている設定であった。鉤爪状の両腕や一本爪だけの足はバルタン星人に影響されたものである。また、特技監督の中野昭慶から、「恐竜は極彩色だったのではないか」、「臨戦態勢で身体を大きく見せたい」との考えによるデザインが求められたために色彩が派手にされたうえ、手を鎌状にして両手を拡げた構図が「X」状になるように工夫された。胸の意匠には、これも中野の意向で十二単が採り入れられている。
ガイガンの名前の由来は、ナイスガイの「guy」と、メインモチーフである「雁」を合わせて水氣自身が命名したものである。
デザイナーについてはファンの間で様々な説が飛び交っており長らく不明であったが、映画公開から40年近くたった2009年になって、水氣氏が名乗り出た事でようやく明らかとなった。

「ゴジラ対ガイガン」では、キングギドラと共に宇宙より飛来し、M宇宙ハンター星雲人が設置した司令基地「ゴジラタワー」から放たれる特殊な磁気テープの信号でキングギドラ共々操られ、大規模な破壊活動を展開する。その後、現れたゴジラやアンギラスと激闘を繰り広げる。M宇宙ハンター星雲人の支援もあってゴジラたちを追い詰めるも、地球人の活躍でゴジラタワーを破壊され、更に誤って正面衝突したキングギドラと喧嘩したことで形勢が逆転し、ゴジラとアンギラスの連携攻撃をまともに食らってしまい、最後はキングギドラともども宇宙へ撤退する。

「ゴジラ対メガロ」では、メガロを支援するためにシートピア海底人がM宇宙ハンター星雲人にガイガンによる応援を要請し、それによりM宇宙ハンター星から飛来する。当初はメガロと共にジェットジャガーを2対1で追いつめるが、ゴジラが登場したために形勢が逆転。ジェットジャガーに右腕を圧し折られた後、空中高く投げられそこにゴジラの放射火炎を受け、地面に大きく叩きつけられ戦闘不能になり、メガロを残し宇宙へ退却する。

なお、前作登場時と同一個体とされているが、着ぐるみが新調されており、顔が縦長になり、前作にあった歯が本作ではかなり減るなどのマイナーチェンジが施されている。

平成ゴジラシリーズのガイガン

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こちらは改修前。鉤爪状の手は鎌の形に、全身はヘビメタファッション調にアレンジされている。

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改修後のガイガン。手はチェーンソーに変わり、更に凶悪に。

身長:120メートル
カマ(ブラッディ・トリガー)の長さ:45メートル
チェーンソー(ブラッディ・チェーンソー)の長さ:45メートル
体重:6万トン
武器:ギガリューム・クラスター、ブラッディ・トリガー(改修前)、ブラッディ・チェーンソー(改修後)、ブラデッド・カッター、ブラデッド・スライサー

シリーズ第28作「ゴジラFINAL WARS」に登場。

X星人の使役する怪獣。単眼から散弾状の破壊光線(拡散光線ギガリューム・クラスター)と、胸部の大ノコ(ブラデッド・カッター)および小型の丸ノコ(ブラデッド・スライサー)、両腕に備えられた鎌(ブラッディ・トリガー)および鎖(ファッキング・クロー)を発射する能力を持つ。一度ゴジラに敗れた後は、吹き飛ばされた頭部を新造、両腕を巨大なチェーンソー(ブラッディ・チェーンソー)に変更、尻尾の先に鋏を追加する等の強化改造が施された。改造後の名称は、公開当時の玩具ではパワーアップ・タイプ、関連書籍などでは改造ガイガンとも表記される。

デザイナーは韮沢靖。再登場怪獣としては最も見た目が変わり、身体はダークメタリックブルーのレザーで覆われたようなものとなり、関節部には刃のついた装甲、そして両腕には大型化された機械武装が装備され、より残忍さ、サイボーグらしさが強調されている。また、初代ガイガンと比較して体型はややスマートになり、鱗の意匠は失われ、ダークメタリックブルー、シルバー、メタリックレッドを基調としたカラーリングとなっている。

かつてX星人が地球に侵攻してきた時に使役され、先代のモスラを倒して当時の古代文明を滅ぼしたという経歴を持つ。その後ミイラとなって海底で長きにわたり眠っていた。北海道近辺の海で地球防衛軍に回収されて保管されるが、X星人の再来襲時には統制官の掛け声で再起動。「ギガリューム・クラスター」で地球防衛軍本部を破壊し、南極でゴジラを復活させようとする新・轟天号を妨害しようとするが失敗。ゴジラ復活後は、その首にチェーンをかけて引き込み、ブラデッド・カッターで倒そうと迫るが、至近距離からの熱線で頭部を吹き飛ばされ倒される。
その後、飛来したモスラに対し強化改造を施されて再戦することになる。モスラとの激しい空中戦の末にブラッディ・チェーンソーを使った空中逆手不意打ち切りでモスラの羽を切断し一度は撃墜する。モンスターXと共に、2対1でゴジラに襲い掛かるも、乱入したモスラと再度戦い、ブラデッド・スライサーで油断させた隙に放ったギガリューム・クラスターによってモスラを倒したかに見えたが、モスラの放った鱗粉で軌道を狂わされたカッターによって自らの首を切断され、直後モスラのファイアーヒートアタックによって倒される。

その他作品に登場したガイガン

未来恐獣ガイガン

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見た目は変わらないが、「ガイガン忍法」なる技を使う。いつ身に着けたのだろうか。

1973年放映の特撮テレビドラマ・流星人間ゾーンの第11話「間一髪 ゴジラの叫び!」に登場。M宇宙ハンター星雲人の怪獣としてではなく、ゾーンファミリーの敵であるガロガバラン星人に操られる「恐獣」として登場する。ゴジラシリーズで見られた、回転カッターによる攻撃は使わず、専らハンマーハンドによる格闘攻撃を行っていた。

宇宙からやってきてゴジラやゾーンファイターと戦う。一度はゴジラに倒されるも、「ガイガン忍法生き返りの術」で復活し、今度はゾーンファイターと戦う。死闘の末、流星ミサイルマイトの直撃を受けて泡を噴いて絶命、直後に大爆発した。一度目の復活の際、「両腕の爪がある限り不死身」とナレーションされていて、ゾーンの流星プロトンビームで爪を傷つけるシーンがあるが、結局はうやむやのまま終わった。

着ぐるみは「ゴジラ対メガロ」で使用されたものと同様。

ガイガン名場面・迷場面

名場面

凶悪宇宙怪獣、鮮烈のデビュー

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炎に照らされるガイガン。「新怪獣」を猛烈にアピールするインパクトのあるシーンだ。

「ゴジラ対ガイガン」より。
M宇宙ハンター星雲人の指令を受け、宇宙のかなたより飛来したガイガンは、宇宙超怪獣キングギドラと共に、東京を襲う。
鉤爪状の腕、足、胸の回転カッターでビルを次々と切り崩していくガイガン。
東京は2大怪獣によって火の海に包まれるのだった。

ガイガンの存在感、カッコよさを存分にアピールした場面。この後やってくるゴジラ、アンギラスコンビに対しても残忍な戦法で終始優位に戦いを進め、ガイガン人気を不動のものとしたのであった。

ガイガン起動

FINAL WARSでの起動シーン。やたらハイテンションな統制官にも注目だ。

ゴジラFINAL WARSより。
かつてX星人が地球に侵攻した際に使役され、先代のモスラを倒してそのままミイラとなって眠り続けていたガイガン。
だが再び地球侵攻を狙うX星人の手で、ガイガンは再起動する。
「ガイガァァァァン!起動ぉぉぉぉぉッ!!!」
X星人の声で、「侵略兵器」は再びその姿を現すのだった。

迷場面

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@keeper

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