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yuri_rry3

yuri_rry3のレビュー・評価・感想

コジコジ / COJI-COJI
7

第1話「コジコジはコジコジ」

メルヘンの国に住んでいるコジコジは、学校のテストで-5点をとって、担任の先生に放課後に職員室へ来るように言われます。「日頃何をしているんだ」と、不出来を叱る先生に対してコジコジは、一切委縮せずに「寝て食べて遊んでる」と正直に言います。将来は何になりたいんだと聞かれ、「コジコジはコジコジだよ」と、まるで哲学の真理のようなことをかっこつけずにさらっと告げます。
一方、コジコジの友達で半魚鳥の次郎くんは、職員室の窓から一部始終を見ていて、コジコジの自論に驚嘆しました。その日の夜、お母さんにテストの悪い点数を叱られたときに、「おれは次郎で、次郎でしかないんだよ」とコジコジの真似をします。しかし、お母さんに「立派な愛されキャラになって楽をさせろ、いつまでも次郎のままじゃ困るんだよ」とぶたれてしまいます。
テスト返却時に、次郎くんは点数が悪くてお母さんに怒られると落ち込んでいました。コジコジは何も動じずに「これを見て元気だしなよ」と、自分の-5点のテストを差し出します。
テストの点数が悪かったという同じ出来事に対して、2人の反応は大きく違っています。これは次郎くんに日頃からお母さんに怒られたり、ぶたれたりなどの耐え難い外的要因が有って、宇宙から生まれて宇宙そのものが両親であるコジコジは、身近な存在の親から「あれが正しい」「こうしないとダメ」と言われたことがないから心の持ちように大きな差があるのではないか、と感じました。そもそも、広大で強大なパワーを持つ宇宙から生まれたコジコジにとっては、テストの点数やたった1人の先生のお怒りなど気にすることではないから、強靭なハートでいられるのでしょうか。なんにせよ、HSPな書き手は、些細なことを時間をかけて気にしすぎるので、その図太い大らかさを分けていだたきたいです。

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
10

現代版新ジャンル桃太郎

主人公が、鬼に変えられた妹を人間に戻すべく鬼退治をしながら旅をする物語。
多くの仲間達との出会い、別れを繰り返し強くなっていく主人公が描かれたダークファンタジー漫画である。
週刊少年ジャンプで連載されており、漫画自体は完結しているがその後もアニメや映画化もされ大人気作品となっている。
この漫画の魅力といえば、まずこの主人公の人物像である。
作中では様々な困難や壁が主人公に立ちはだかるが、妹のため・仲間のため直向きに強く乗り越え、自分を犠牲にしてまでも周りのことを第一に考える姿は心打たれるものがある。
また、作中で敵として描かれている鬼に対しても情をみせるなど、今までに見たことのないほどの心優しき少年が描かれている。
その次の魅力としては、鬼の描写である。
作品では鬼は元々人間で、鬼になった背景が必ず描かれており、それは涙なしでは見られない切ない物語。
六編構成となっており、一編ごとに必ず感動できるものになっている。
この作品は切ない物語だけが描かれているのではなく、筆者独特の表現でクスッと笑える場面もあり、笑いあり涙ありとはこのことで、読者の気持ちを鷲掴みにし、一度読めば最後まで続きが気になる依存漫画である。

左ききのエレン
8

天才や凡人、才能の有無が気になる方必読

デザイナーである朝倉光一は一流クリエイターを志すが、決してうまくいくことは無く周りにはどんどんと差がついてしまう。その一人である圧倒的芸術の才能を持っている山岸エレン。彼女は彼女なりに幼いころに父を亡くしその才能が自分にとっては嫌悪感しか抱かなくなる中で必死に才能に対して努力であらがう光一に出会い、独自の感情を抱く。このエレンの天才には天才ゆえの孤独や感情に悩ませる中の成長が何とも忠実に再現されており見どころである。
またほかの登場人物にも常に器用で、それが自分にとって最高の幸せであると思う加藤さゆり。大手企業の娘である岸あやのとあかりのそれぞれの才能の活かし方。などすべての登場人物が主人公のように描かれている上にストーリーを持っている。常に自分で努力とは?集中とは?才能とは?など考えさせられることもあるが何より自分も頑張ろうと思えることが一番大きいところである。
ストーリーが進むにつれて光一の感情の変化や行動の変化、それに伴うデザイナーとしての立ち位置などとても必死さが伝わってくることは間違いない。そして、それぞれがそれぞれの道に進んだ結果の最後の伏線回収によりすべてがつながりもう一度鳥肌が立ってしまう。ぜひ、自分が天才だと思わない人は100%何かしら学べることがあるので読んでほしい。

リング / Ring (film)
8

貞子が怖い

シリーズ化されましたが、やはり最初の「リング」が一番怖くておもしろかったです。
終盤、貞子がテレビから出てくるところなど、何度も見慣れた私でも怖いので初見の人はかなり怖いのではないでしょうか。私も最初見たときは「嘘でしょ!嘘でしょ!」という感じでした。
話は、呪いのビデオを姪が見たらしいジャーナリストの松嶋菜々子が元夫の真田広之とその謎を解くというものです。撮られた時代がまだビデオの時代だったし、何が収録されているかわからないカセットなんてありふれていた時代だったから、そういうこともあるかなと思えて怖いです。
ホラーですが謎を解くために貞子の故郷を訪ねたり、サスペンス的なところもあるし、子どもを助けたいという母の気持ちも出ていて、親子ドラマだったりもします。貞子は最後に出てくるところは怖いけど、なかなか数奇な人生を歩んでいてかわいそうだなとも思います。貞子の正体とかは、原作小説が進むにつれ明らかになっていきますが、なかなか複雑になってくるのでこの映画でわかる程度の過去の方が私は好きです。
この映画でジャパニーズ・ホラーの知名度もあがり、いろいろ作られましたが、やはり「リング」を超えるものはないかなと思います。