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wizard_poohc5のレビュー・評価・感想

【推しの子】 / Oshi no Ko
10

トレンドに見合ったアニメだ

今、世界中でトレンドの『【推しの子】』は、この時代だから面白いアニメだと思う。主人公アイは、ダンス歌も上手で、ファンから愛されており、プライベートを一切見せない″完璧な″アイドルだった。しかし、子供がいることがあるファンに知られてしまい、亡くなってしまう。残されたアイの子供2人が、謎に包まれたアイの元夫を探すのが、この話のあらすじだ。いつの時代もそうだが、アイドルは「恋愛」をしながらステージに立つことは難しいとされている。なぜなら、アイドルは自分を武器に「夢」を与える仕事だと言われているからだ。そのため、プライベート・本来の姿を見せることがあってはならず、恋愛をするならば絶対に隠し通す必要がある。それに加え、「アンチ」が非常に厄介だ。例えば、YouTuberが動画内で失言してしまった・理解されない行動をしてしまった時には「炎上」し、匿名という権力を使って大人数で攻撃する。もしくは、実際に危害を加えに行く人もいるだろう。そのように、起こり得る出来事から始まるこの物語は、トレンドに見合っていて、人々は更に面白いと感じるのだと思う。アニメは1話目が肝心だとされているが、【推しの子】はまさにそれが実現されているアニメだと思った。

クーリエ:最高機密の運び屋 / The Courier
9

キューバ危機の救世主とは誰か?

タイトルの問いに、世の中の人は、まず暗殺されたケネディ大統領を思い浮かべるのではないか。
ソ連の傀儡としてのキューバにミサイルが配備されるのを止めることに成功した。
なんて英雄だ。という具合に。その交渉材料は、ではどこから?
その裏方の事実を伝えるのがこの映画である。

これは、キューバ危機から世界を救ったのは、ジェームズ・ボンドのようなド派手なアクションをするスパイものの主人公ではなくて、一介のセールスマンであったという奇跡のような話である。

気になった方は検索してみてほしい。グレヴィル・ウィンという人だ。

一介の、と控えめには書いたが、彼の営業として人の懐に飛び込む資質が優れていなければ、ソ連側のキーマンであるペンコフスキーの心の氷を溶かすこともできなかったであろう。
そのことを思えば、彼は「卓抜した」セールスマンだったというべきなのかもしれない。

最近の、記録映像を援用してくるタイプの「史実に基づく」映画らしく、エンドロールを観ていくと、実際の彼がどんな人だったのかも窺い知ることができる。

ひいては、日本の世間でいわれるような、草の根レベルの交流なんて意味がないとか、民間部門で何ができるのかというシニカルな問いは、「史実を知らないだけ」ということも学べる。

政府部門だけで交渉していて、この民間人が居なければ核戦争開始だったかもしれないのだから。
そういう意味で、この映画は二重三重に推しておきたい。