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totti_as_108のレビュー・評価・感想

UNISON SQUARE GARDEN / ユニゾン・スクエア・ガーデン
8

ステージの上で生きるロックバンド、UNISON SQUARE GARDEN

2016年に大ヒットし、オリコンやカラオケ人気曲等たくさんの音楽チャートで上位を獲得した、「シュガーソングとビターステップ」。
また、『TIGGER&BUNNY』や『三月のライオン』、『fate/Grand Order-絶対魔獣戦線バビロニア-』等、アニメのタイアップ等でも次々にファンを獲得してきたアーティスト。
それが、ロックバンド「UNISON SQUARE GARDEN」です。

「シュガーソングとビターステップ」や「オリオンをなぞる」といった代表曲にあらわれているとおり、彼らの曲は、ロックのなかにキャッチ―さやポップさを取り入れており、聴く人の気持ちを弾ませる力を持っています。
演奏力も素晴らしく、スリーピースバンドとして3人で活動しているとは思えない分厚い音と手数の多さで、聴く人を魅了してくれます。
また、軽快な曲調とは打って変わって、歌詞は心地よいリズムながらも難解で、ファンの間でも新曲が出るたびに考察が行われるほどです。
そんな歌詞と曲を書いているのは、ベースの田淵智也さん。そのキャッチ―で難解な世界観を、ギターボーカル・斉藤宏介さんの広い音域から繰り出される甘い声と、ドラム・鈴木貴雄さんのテクニカルで力強いリズム感で見事に表現しています。

そんな3人の力が最大限に発揮されるのが、ライブです。
メディア等でも3人ともがライブを最優先で考えており、何よりも力を入れていることが何度も語られています。
その言葉通り、一般的なイメージとしてライブはCDよりも完成度が落ちると考えられがちですが、彼らの音楽はCDと遜色がないどころか、彼らの想いがぶつかってきて、さらに高いクオリティに感じられます。
できるだけ多くの楽曲をオーディエンスに届けるため、MCはほとんどなく、初めて見ると心配になるほどぶっ続けで演奏をしいます。
そんな所業ができるのも、彼ら自身が一番彼ら自身の音楽を愛しているから。

UNISON SQUARE GARDENの楽曲は、高い技術やセンスをもった彼らが愛し、自信をもって世に送り出した傑作ばかり。
興味のある方はぜひ、UNISON SQUARE GARDENの楽曲を聴き、そしてライブに行ってみてください。

機動武闘伝Gガンダム / Gガン / Mobile Fighter G Gundam / Mobile Fighting Legend G Gundam
10

「代理戦争」としてのスポーツ

ガンダムシリーズをはじめアニメファンでこの作品を知らない人はまず居ないであろう、名作中の名作。もう既に本作の内容の面白さについては語られてきた気もするのですが、今回は少し違う切り口からこの「Gガンダム」を語ってみましょう。
それはタイトルにも書いてあるように「代理戦争」としてのスポーツという側面です。意外と「Gガンダム」を語る上でこの点ってあまりファンの間でも議論になることが少ないからかと思れます。
ここからはネタバレを含みますが、「Gガンダム」の世界観、舞台設定は「ガンダムファイト」という四年に一度地球をリングとして開かれるものです。本編ではこれはあくまで「代理戦争」であって「スポーツ」ではありません。故に戦いのためならどんな手段を使っても許されます。銃火器を初めとした武器を使ってもいいし、地形を活かして策を練って勝つのもありです。また物語後半の決勝大会では直接コックピットを狙ってもいいというルール変更までなされるなど、いわゆるこの時代に流行った他のスポーツ漫画、格闘漫画とはかなり違ったユニークな切り口の大会です。現実で言えば総合格闘技「K-1」に近いと言えるでしょう。
ガンダムシリーズ全体として見ると余りにも非合理的で馬鹿馬鹿しいと思われるシステムですが、しかしそもそも考えてみれば「スポーツ」とは人間の闘争本能、競争心を「ゲーム」として昇華し、戦争の代理として行わせ、国家同士の強さを競い合うものでしょう。実際ガンダムファイトという代理戦争は国家戦争で生じる罪なき人々の犠牲を出さないようにするためのものとして作られたという背景設定があります。
しかし、だからといってそれで問題の本質は解決するわけではありません。むやみやたらと人が死ぬことは避けられましたが、それでもやはり国家間の経済格差による実力の格差は縮まることはありませんし、また全身18m以上もあり人型ロボットを借りて地球で戦う以上、地形破壊や環境破壊を免れることは出来ず、結果として地球のあらゆる国、街が見る影もない位に荒廃しているという問題があります。それを解決するためにネオジャパンのカッシュ博士(主人公ドモンの父親)は「地球再生」を目的としてアルティメットガンダムを開発するのですが、これが裏目に出てデビルガンダムに変貌、「人類抹殺」という真逆の答えを導き出してしまう。最初は「善」を目的として作られた物が「悪」に変わってしまう。
本作を「ガンダムシリーズ」として、改めて見直すとこの「代理戦争としてのスポーツ」から生じる様々な問題が私たちに「何が正しくて何が間違いなのか?」を考えさせるきっかけにもなっており、決してただ強くなって戦って頂点に立つことというありがちなスポーツ漫画のセオリーに終始していないというところに本作の「ガンダムらしさ」があり、今見直しても十分通用する普遍性があります。勿論エンタメとして素晴らしい作品ではありますが、こういう観点からも是非一度ご覧頂きたい一作です。

火垂るの墓 / Grave of the Fireflies
8

戦争は悲しい

最高の反戦映画だと思います。とても悲しくて怖くて、見ると戦争がいかにダメかがわかります。疎開したらどうにかなるのかと思えば、おばにいじめられ、にげたしてしまい、幼い妹は衰弱していき、そんな辛い人生を送り、妹を守ろうとした清太は、たったの14歳です。おばがひどいという人もいるでしょうが、戦争中で余裕のない時に、2人も増えたら食費とか大変だったのかもしれません。節子が死んでしまうのも悲しいし、清太が死んでしまうのも悲しいし、子どもが死んでいるというのに、それが当たり前の光景だと思ってる周りの反応が悲しいです。あの時代では、それほど珍しい光景ではなかったのでしょう。本作は見ると悲しい気持ちになりすぎるのであまり見てこなかったのですが、一度は見るべき作品だし、後世に残すべきものだと思います。戦争映画はたくさんありますが、こういう戦争をしている人ではなく、戦争時代を生きなければならなかった民間の人々の生活に焦点を当てた映画も大事だと思います。戦争は、兵士だけでなく、本当に全ての人の人生を狂わせるものだと思います。清太と節子の兄妹があんな悲しくて短い人生を送らなければいけなかったなんて悲しすぎるなあと涙が出てきます。

ウルトラマン超闘士激伝
9

ジャンプ風ウルトラマン画

SDとジャンプのバトル漫画の要素が合わさった贅沢ぶり。所々、『ドラゴンボール』の影響が強い。そもそも原作者は『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の三条氏なのである意味仕方ない(こちらのペンネームは「瑳川竜」であるが同一人物)。また三条氏はかなりのウルトラシリーズ好きなこともあり、小ネタはこれでもかと言わんばかりに詰め込まれているので、元ネタ探しの楽しさがある。扉絵でジープに追われるレオの姿(運転手はセブン)は、お察しいただけること間違いなし。
もともとボンボンで連載されていたが諸事情で打ち切り同然の終わり方をしてしまったものの、2016年に連載再開し2019年に無事連載を終えたので、ファンとしては歓喜そのものであろう。

ストーリーは、天下一武闘会を開催しては毎度毎度妨害があって中断しがち。そこから大きな戦いが始まるので、大会=戦争フラグとも言える。でもって主人公ウルトラマンは1度死んで生き返るまで出番はタロウが主役となり、生き返った後はウルトラマンが主役復帰している。連載当時は平成TVシリーズはティガ・ダイナのみで、この辺りの怪獣は未登場だった代わりにネオスや21、海外ウルトラマンことグレートとパワードが登場しているのが特徴。またタロウが主役の時、師匠のメフィラスとの関係がほぼ悟飯とピッコロなのがバレバレなのは御愛嬌。
続編の新章はタロウの弟子であるメビウス。また闘士についてもコスモス・ヒカリ・(他者の変装だが)ダイナ・ゼロと平成作品のウルトラ戦士も登場している。目玉としてはウルトラ兄弟揃い踏み、メフィラスの復活(OVA版で死亡)、ヤプール王再登場などがあげられるが、ゾフィーにも待望の装鉄鋼装着だったのでデザインも含めてファンを喜ばせる展開は上手。
奇をてらっている点はそこまでないものの、ジャンプ漫画のテイスト盛り込みながらも王道を地で行くストーリーは好感が持てる。