ウルトラマン超闘士激伝

ウルトラマン超闘士激伝のレビュー・評価・感想

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ウルトラマン超闘士激伝
9

ジャンプ風ウルトラマン画

SDとジャンプのバトル漫画の要素が合わさった贅沢ぶり。所々、『ドラゴンボール』の影響が強い。そもそも原作者は『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の三条氏なのである意味仕方ない(こちらのペンネームは「瑳川竜」であるが同一人物)。また三条氏はかなりのウルトラシリーズ好きなこともあり、小ネタはこれでもかと言わんばかりに詰め込まれているので、元ネタ探しの楽しさがある。扉絵でジープに追われるレオの姿(運転手はセブン)は、お察しいただけること間違いなし。
もともとボンボンで連載されていたが諸事情で打ち切り同然の終わり方をしてしまったものの、2016年に連載再開し2019年に無事連載を終えたので、ファンとしては歓喜そのものであろう。

ストーリーは、天下一武闘会を開催しては毎度毎度妨害があって中断しがち。そこから大きな戦いが始まるので、大会=戦争フラグとも言える。でもって主人公ウルトラマンは1度死んで生き返るまで出番はタロウが主役となり、生き返った後はウルトラマンが主役復帰している。連載当時は平成TVシリーズはティガ・ダイナのみで、この辺りの怪獣は未登場だった代わりにネオスや21、海外ウルトラマンことグレートとパワードが登場しているのが特徴。またタロウが主役の時、師匠のメフィラスとの関係がほぼ悟飯とピッコロなのがバレバレなのは御愛嬌。
続編の新章はタロウの弟子であるメビウス。また闘士についてもコスモス・ヒカリ・(他者の変装だが)ダイナ・ゼロと平成作品のウルトラ戦士も登場している。目玉としてはウルトラ兄弟揃い踏み、メフィラスの復活(OVA版で死亡)、ヤプール王再登場などがあげられるが、ゾフィーにも待望の装鉄鋼装着だったのでデザインも含めてファンを喜ばせる展開は上手。
奇をてらっている点はそこまでないものの、ジャンプ漫画のテイスト盛り込みながらも王道を地で行くストーリーは好感が持てる。