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tetuko_fe7のレビュー・評価・感想

異動辞令は音楽隊!
7

本物の演奏に引き込まれる!映画『異動辞令は音楽隊!』

県警の花形捜査一課からある日突然、警察音楽隊に異動を命じられた鬼刑事の奮闘を描いたヒューマンドラマ。
この作品は、第41回日本アカデミー賞 最優秀作品「ミッドナイトスワン」を手掛けた、内田英治監督の完全オリジナル作品です。
コンプライアンスを問われる今の時代に昭和さながらの法律すれすれの捜査で部下からも同僚からもうとまれる鬼刑事成瀬役に阿部寛。
主役の阿部寛さんの圧倒的な存在感、コミカルでありながらホロリとする安心して楽しめる作品なのですが、やはり1番の見どころは、ストーリーの中の重要な場面で使用される数々の名曲はキャスト達がクランクイン前から猛練習した一切、吹き替えなしの演奏だという点です。
物語の中でも成瀬役の阿部寛さんはどんどんドラムにのめり込んでいきますが、実際の撮影後にドラムを買うかかなり悩んだというほど、ドラムにハマったというエピソードも。
また、主題歌はOfficial髭男dismの書下ろし「ChoralA」ですが、作詞・作曲担当のメンバーの楢﨑誠さんはかつて島根県警察音楽隊でサックスを演奏していたそうでこの作品にも、カメオ出演しています。
刑事ものというと、一見、自分自身には無関係な世界観のように思いますが、それぞれの抱える問題は他人事ではなく、誰にでも起こりうる身近なことで、どこかで立ち止まったり、自問自答しながら、改めて人の優しさを感じ、今までと同じ景色がまるで違って見えてくる。そして音楽の力は素晴らしいと再確認できる作品です。

TENET テネット
10

時間の概念を覆される難解ストーリー。誰もが知的好奇心を刺激される大作!

時間や空間、時系列などをテーマにした作品の天才、クリストファー・ノーラン監督の超大作。本作品も「時間」を主軸に作られているが、歴代の中でも特に難解なものに仕上がっている。作品のキーワードとも言える「順行」「逆行」という言葉。まずこれを理解することが難しい。頭ではわかるが、感覚が追いつかない。今まであったような再生、逆再生とはまた違う概念だ。なので頭が混乱する。だがそんな視聴者を置いてけぼりにするように、映画自体はスピーディーに進んでいく。理解が追いつかないまま、次から次に疑問が蓄積していく。すごいのはそれでも作品にぐいぐい引き込まれていくところだ。ストーリーがノーラン監督の中で完璧に仕上がっているので、ブレることなく話が終盤に向かい、一本に繋がっていく。疑問が解消された時の感動も一入だ。ただ注意してもらいたいのは、大抵の場合は初見で全てを理解するのは無理だということ。少なくとも2回以上視聴することによって、理解度が増し、より楽しめる。これだけ聞くと多少見るのが面倒に感じるかもしれないが、アクションをはじめ、CGを極力使用したがらない監督のこだわりによる映像の全てが魅力的で飽きさせない。気が付けばあっという間にラストまで駆け抜けている。更に字幕で見ると、あえて世界各国の訛りが残ったままの英語が聞けるので、英語学習に興味のある方にもお勧めだ。そんなちょっとしたところも監督らしさが感じられて楽しい。ノーラン監督作品好きは勿論、誰もが知的好奇心をくすぐられる作品なので、少しでも興味があるなら是非この世界観に飛び込んでほしい。