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tata123430のレビュー・評価・感想

蛍火の杜へ
7

子供のころの思い出のように儚い物語

主人公の蛍は幼少期に、妖怪の棲む山神の森で仮面をつけた青年ギンと出会う。その青年は森に棲んでおり、人間に触れられると消滅してしまうという。人ではない青年と人間の少女が織りなす、切なくて感動するアニメ映画。

夏の間だけ会える2人は、ふとした事がきっかけで出会うが、毎年夏が恋しくなるほど心を通わせていく。毎年毎年成長していく蛍と、外見も何も変わらないギン。ラストで、意図せず人間に触れてしまったギンが、消えゆく体に驚きながらも、「やっとお前に触れられる」と悲しむでもなく抱擁を求めるところが、蛍に対する想いの強さを感じた。「好き」や「愛している」という好意の言葉のほかに、こんなに胸を締め付ける表現があるとは思わなかった。「綺麗なものは儚く、壊れやすい」とはこのことなのだと実感した。

45分ほどの短編映画だが、最初から最後までストーリーや映像が繊細で美しい。年を重ねるごとに少しずつ心の距離が縮まってゆっくりと恋心が育まれていくのに、「お互いが相容れない存在で、犯せない領域がある」ということを思い知る葛藤の描写には、徐々に胸が苦しくなっていった。また、長いセリフがなく、会話が淡々を進んでいく様子が、「子供のころの思い出」のようで鑑賞しやすかった。

切なくて胸が苦しくなるけれど、悲しいだけでは終わらず、美しい映画だった。

新感染 ファイナル・エクスプレス / Train to Busan
9

今までに見たことがない泣いてしまうゾンビ映画

「ありきたりなゾンビ映画」。そんな気持ちで見たことを後悔します。たくさんの邦画や洋画がある中、独自の切り口で楽しませてくれる韓国映画です。

あるウイルスにかかった女性が特急列車に乗り込んだ所から物語は始まります。
女性は突然凶暴化して乗客を襲い、襲われた人が次々と凶暴化していきます。
ソウル発釜山行きの列車の中には、別居中の妻に会いにいく父と子、妊娠した妻と一緒に乗り込んだ夫、野球部員の高校生などが乗っており、皆大切な人を守るために奮闘します。
列車内はパニックが起こり乗客は逃げ出します。しかし走行中の列車内は狭く逃げ場のない場所で、駅に停まり出ようとしても外には大勢の感染者がいます。

ゾンビ映画と聞くと敬遠してしまう方もいらっしゃると思うのですが、この映画はゾンビ映画でありながらゾンビよりも乗客達の紆余曲折を描いており、自分だけ助かればいいと思ったり誰かを守るために犠牲になったり危険な状況ながらふと泣いてしまう。大切な家族や友人と観てほしい一本です。

どうやってゾンビから逃げ、どうやって闘い、どうやって大切な人を守れるか。
誰にでも身近な列車内で起こる出来事なので感情移入しやすいと思います。
最初から最後まで手に汗握る展開が続くので、ハラハラドキドキ楽しめると思います。
親子愛、夫婦愛、恋人愛、様々な愛に満ち溢れたこの映画をぜひ一度ご覧ください。
私はこの作品でブレイクした俳優マ・ドンソクに注目してほしいです。
今までと少し違う映画を見たい!
映画を観てほっこりしたい!
そんな方にオススメです。