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soark2のレビュー・評価・感想

ブルーピリオド / Blue Period.
8

現代を生きるあなたへ。絶対刺さる漫画ブルーピリオド

主人公は一見不良だけど実は勉強も得意、誰に対しても分け隔てのない明るい人柄で、人気のある高校2年生の矢口八虎。
何事もそつなくこなせてしまう性格だからこそ、いつもどこか達観していて、生活に手ごたえを感じることができないまま日々を過ごしています。
偶然見た美術部員の1枚の油絵をきっかけに絵を描きはじめ、美術を通して世界を見ることで、今まで気付かなった様々な風景や感情、物事との関係性が見えるようになり、さらに美術に没頭していきます。

物語は高校の美術部から、国内最難関の美大、東京芸術大学を目指すという「青春」や「熱」を感じられる、美術のスポコン漫画でありながら、様々に多様化していく価値観の中で人知れず傷ついてしまう現代社会の歪さを非常にリアルにとらえた作品です。
学生から大人まで、社会とのギャップに悩む現代人には自分と重なるシーンが多々登場することでしょう。

『月刊アフタヌーン』にて2017年から連載、その人気から2021年にはアニメ化もされており、どちらかといえば大衆受けしにくそうな、ニッチなジャンルであるにも関わらず、万人に共通する悩みや葛藤をうまく表現されているからこそ、評価を伸ばし続けており、今後にも期待できる漫画だと思います。

ドクター・デスの遺産ーBLACK FILEー
5

ドクター・デスの負の遺産

ドクターです。
…じゃなくて、ドクター・デス。
130人もの末期患者を安楽死させ、1999年には殺人罪を言い渡された実在のアメリカ人医師、ジャック・ケヴォーキアン。(その後も2011年に亡くなるまで安楽死や尊厳死について啓蒙活動を続けたという)
本作はその“ドクター・デス”をモデルにし、日本では違法とされている安楽死を題材にしたクライム・サスペンス小説を映画化。

末期患者を安楽死させる連続殺人が、一件の少年の通報を機に発覚。犯人は“ドクター・デス”と名乗る謎の人物。
警視庁のコンビ、熱血漢型の犬養と冷静沈着型の高千穂は犯人を追うが…。

安楽死という難題にエンタメとして挑戦したのは意欲的。
劇中の末期患者はもがき苦しんでいる。もう助からないかもしれない。助かる見込みもないかもしれない。
家族も精神的にも身体的にも限界。でも何より、家族が苦しむ姿をこれ以上見たくない。
両者が希望するなら、いっそ…。
安楽死の是非は、人が生きていく上で永遠の議論だろう。
そこに現れた“ドクター・デス”。
確かに安らかな死を与えた。
が、日本など容認されてない国では違法だ。
さらに本作の場合、犯人の動機。
間違えてはいけない。現実の安楽死は議論の余地は充分あるが、作品の犯人の動機はただの異常な快楽殺人。
「安楽死させた患者の死顔は美しい」なんて、キチ○イの発想でしかない。

メインはバディ刑事ムービー。
姿の見えぬ犯人を追う捜査劇であり、犯人捜しのミステリー。
犬養には腎臓を患い入院している娘がおり、ドクター・デスが接触。言葉巧みに誘導し、安楽死を希望させる…。
犬養はドクター・デスを捕まえ、娘を救う事が出来るのか…?

やさぐれ感漂う綾野剛とクールな北川景子のコンビネーション。
恋愛感情は排し、一貫して上司部下のバディなのがいい。
当然伏せるが、犯人役の不敵さは見事。

一級の社会派×エンタメの邦画サスペンス!
…にならなかったデス。
色々持ち上げといて、スミマセン…。

題材はいい。でも、重厚さや深みに今一つ欠けた。先述したのはあくまで私の考え。
要所要所のサスペンスもハラハラドキドキ盛り上がらない。何と言うか、邦画サスペンスのしょぼさ、あるあるさ。
犬養と高千穂は“警視庁No.1コンビ”と謳われているが、あまりそれを感じない。
ラスト、何で犬養は単独で犯人の元に向かったの? お前に危険は犯せない…かもしれないけど、バディだし、二人なら犯人逮捕はより確実なのでは…??
致命的なのは、ミステリーの醍醐味の無さ。
ドクター・デスは何者? やはり本作はこれに尽きると思う。
捜査を進めると徐々に浮かび上がってくる犯人像。白髪の老医師。
遺族の証言シーンでその医師が声を発し、もう特徴ある声ですぐ分かっちゃう! さらにその後、お顔出し!
え? もう犯人発覚じゃないよね…?
勿論真犯人は居るが、怪しさ満点でこれもすぐ分かっちゃう。
ドラマ性も深み無く、サスペンスとしてもしょぼく、ミステリーとしても致命的。
公開時から厳しい声が多いのは知っていたが、納得。
ヒューマン・ドラマには定評ある深川栄洋だが(と言うかヒューマン・ドラマでも当たり外れ激しいが)、サスペンス/ミステリー系は向かないね。

もっと巧くやれば第一級の社会派×エンタメ・サスペンス/ミステリーになった筈…。
それか、原作がシリーズ小説のようなので、TVドラマでやれば人気シリーズになったかもしれない筈…。
いずれにしても残念デス。

最後に僭越ながら、再び安楽死についての私の考え。
私もこれまで両親、母方の祖父(祖母は私が赤ん坊の頃に他界)、父方の祖父母を見送ってきた。
中には見るのも辛かった時もあった。
特に、父。
あんなに元気だった父が胃ガンになり、痛々しいほど痩せ細り…。
でもその時、劇中のようなヘンな迷いなど一切無かった。
父も苦しかったろうし、私ら家族も毎日見舞いに行きながら、いつ来てもおかしくない“その時”にビクビクしながらも。
愛する家族をずっと苦しませるのは酷だ。
だからと言って、安らかの言葉を建前にこちらの都合で逝かせるのも酷だ。
苦しさや気持ちは少なからず分かる。
でも、同じ酷なら…誰かの手を借りず、命の限り、最期の時まで一緒に。
私はそう望む。

逆転裁判 / 逆裁 / Phoenix Wright: Ace Attorney
8

本格裁判を味わえるミステリードラマ

逆転裁判が2001年に第一作目が発売され、その後もシリーズが発売され続けている有名な裁判ゲームです。内容は主人公の弁護士、成歩堂(通称ナルホドくん)が無実の被告人を無罪とすべく、捜査を行い、法廷で戦うというものです。ゲームの要素は「捜査パート」と「裁判パート」の大きく二つに分かれています。捜査パートでは事件関係者への聞き込みや、事件現場の調査を行い、裁判で有利となる証拠や証言を探し、裁判パートでは見つけた証拠を武器に、ライバル検事と戦います。ゲームクリアの基準は被告人を無罪とすることと単純ではありますが、そこまでたどり着くためには地道な捜査が必要となります。作中ではフィクションならではのぶっ飛んだ事件も多く、正直リアリティを欠くようなところもありますが、ゲームだからこそ出会える非現実的トリックを求める方にはぴったりのゲームと言えるでしょう。
このゲームの魅力は何といっても個性豊かなキャラクターたちでしょう。一癖も二癖もあるキャラクター達から証拠を集める際にとるコミュニケーションは、くすっと笑えたり、本気でイライラさせられたりと、終始振り回されっぱなしです!変人ぞろいのゲームなので、一筋縄ではいかない、それがこのゲームの面白さでしょう。

信長のシェフ
8

戦国×グルメ「信長のシェフ」

平成から戦国時代にタイムスリップした記憶喪失のフレンチシェフ「ケン」が、織田信長の料理人として生きていく物語です。まず、戦国時代の人間が見たことも無い、フランス料理に驚く様子が楽しいです。そしてこの漫画の面白いところほ、主人公は一介の料理人に過ぎないにも関わらず、織田信長の難題を全て料理を出すことによって解決します。間者に情報を抜き取られることを危惧して、あえてぼかして伝える信長の意志を汲み取り、料理によって家臣へ伝える。時の権力者に斬新な料理を出して信長の権力を示し懐柔する。戦場で焼肉を焼いて敵兵に日常を思い出させ、戦う意思を削ぐなど、ただ信長に料理を作るのではなく、料理で信長の覇権争いに貢献します。現代よりずっと食材の乏しい戦国時代で、工夫することによって美味しく栄養のある料理を作り上げるところも面白いです。ケンの良いところは、刀を向けられようと絶対に曲げない料理人としての矜恃です。その気高さが信長に気に入られ、料理人でありながら政治を大きく動かす立場にあります。信長からケンへの「おぬし、室町幕府を終わらせてこい」という指示など、一見料理ではどうしようもないような任務にハラハラすることもあります。もちろん料理もどれも美味しそうで、最後にレシピまでついているのが面白いです。

Minecraft / マインクラフト / マイクラ
8

遊び方は無限大、大人から子供まで時間を忘れる作品

Minecraftはコンシューマー機(PS4.XBOX.PC.ニンテンドースイッチ)やPC版など様々なプラットフォームで展開しているサンドボックスゲームです。ほとんどの物体、物質、生き物が四角く形成されていてとてもポップなデザインになっています。またプレイヤーが生きていく世界はランダムで形成されており新しくデータを作る度マップが変わるのも魅力の一つです。雪山、荒野、平原、洞窟、渓谷なかにはきのこ島なんてものもあったりします。MOBのなかには牛、羊、豚、鳥の畜産動物から熱帯魚、フグ、イルカ、鮭、鱈、イカなどの海洋生物、夜になればゾンビ、ウィッチ、スケルトンなどといったモンスターも登場します。多種多様な生き物やモブがいて様々な地域、ブロックがあればプレイヤーの遊び方やその世界での生き方は文字通り無限大です。現に大人から子供まで幅広い層でのユーザーがおり、youtubeやTik Tokのコンテンツの関しても沢山アップロードされています。また回路的な要素もありロジカルな自動装置の作成もでき楽しみ方の奥深さもあります。どっぷり遊べるのもさることながら隙間時間に少し遊べたりとヘビーユーザーにもライトユーザーにも親しみやすくクリエイティブなものが好きな人にはハマるようなタイトルになっています。