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mojanajatama4のレビュー・評価・感想

うらみちお兄さん
10

大人が持つ裏の顔

教育番組「ママンとトゥギャザー」の体操のお兄さん、表田裏道の日常の話で、大人なら一度は思ったり感じたりした事の感情がオンパレードの作品です。教育番組で良い子に囲まれながらも闇を吐くお兄さんに、「あー、分かる…」と、頷ける部分も多数です。教育番組なのに歌の歌詞も教育番組らしくなくて面白いです(作者さんは適当に書いた歌詞と書いておられましたが、何だかジワる歌詞です)。
うらみちお兄さんがへこんでいたら、こどもたちが慰めたり、こどもたちの方が大人だったり、「なぜそんな言葉知ってるの!?使ってるの!?」という場面があったり、着ぐるみのウサオくんは何故か邪険に扱われたり、「あぁ、現代のこどもなんだな…」と思えたりします。
うらみちお兄さんの描く絵が筋肉ムキムキで、こどもたちには不評でも何故か世間には受け入れられて商品化したり、実際、何だか妙に印象に残る絵です。
適当なディレクターに振り回されながら、真冬に真夏の映像を撮ったり、真夏に真冬の映像を撮ったり、仕事だと納得しようと努力しながらも闇を吐くお兄さんに「うんうん、だよね…」と、共感する部分が多数です。回りにいる共演者や後輩達もクセが強いのに、実際に自分たちの回りにいるタイプで、現代の大人達の吐きたい闇を代弁してくれている作品だと思います。

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
8

心の芯に響く良作

映画で話題になってから読み始めた者です。正直、能力系のよくあるストーリーだろうと思い期待はしていませんでした。そしてその予想は間違ってはいませんでした。割りとベタな展開だし作画も上手とは言えない、読んだことのない人から見れば「なぜこの漫画が人気なの?」と思ってしまう作品ですが、なぜ人気なのか読んでみてわかったような気がします。
この作品の最もすごい所はキャラクターのセリフの熱さです。強敵との戦いなど重要な局面で発するセリフの真剣な気持ちが心に響いてきて作中何度も目頭を熱くさせられました。セリフ自体は難しいことは何も言っていませんので言い回しがとても上手いのだと思います。また、敵も敵なりに過去に挫折や絶望を経験したうえで主人公たちの目の前に立ちはだかっており、きちんとストーリーの中で語られているので誰もが彼らなりの正義を感じることができ、味方と同じくらい敵に対しても感情移入することができます。
私は代わり映えのない日常の中で少しずつ失われていった物事に対する熱意が蘇るような気持ちで、一度読み始めると続きが気になり止まらなくなってしまいました。そういう意味でいうと、子供よりもむしろ大人に読んでもらいたい作品かなと思います。

雨の日も神様と相撲を
8

スポーツ漫画だけど、ラブ要素もあり、性別問わず楽しめます。

相撲は大好きだけれども体格が伴わない事で相撲人生を諦めてしまった少年が、両親を亡くし親戚の叔父にお世話になることに、引っ越した先は相撲の強さが全ての村で、すべての序列は相撲で決められていた。
何よりも村の全員が相撲が大好きな村だった。何も知らずに転校してきた主人公は初日から相撲勝負に知識と予測で勝っていく、同級生からは一目置かれる存在となり、皆から相撲についての意見を求められるようになるが、意見を求めたいのは人間だけではなかった。
タイトルの通り、雨の日の神様を中心にして物語は進んでいきます。雨の日の神様とはカエルなのですが、このカエル様が神様とは思ない注文を次々としていき、相撲を諦めた少年が自身の相撲に対する価値観を含めて成長し、また恋に落ちていく、全三巻ですがかなり読み応えのある作品です。
相撲の知識は無くとも、相撲って見てもつまんないよね、ってタイプでも楽しく読める事が出来ます。作画もとても上手な方が担当されており、引き込まれるように読んでしまいます。
不思議な話や、ファンタジーが好きな方にはとてもお勧めの一冊となります。貧弱系男子の快進撃ともいえる漫画をぜひ手に取って頂ければ幸いです。

ミスト / The Mist
8

町を覆う霧の中で起こるパニックと生き残った主人公の虚無感

人間の生への自己保存本能というか、人間にとって死とはどういうことなのか深く考えさせられてしまった。ジャンルはホラー映画ということになるのだろう。ある町が霧に覆われ、その中には巨大な虫や怪物がいて、人間が次々に隙をつかれ、襲われ、殺されていく。住民はショッピングセンターに逃げ込み眠れない数日を過ごす。その間も虫や怪物の襲撃はやまず、次々犠牲者が出る。群集心理でパニックを起こし、疑心暗鬼に陥り宗教じみたお告げで人々を先導する女性まで現れる。それらの虫や怪物がどこから来たのか、どうやって発生したのか最後まで分からず恐怖をあおる。主人公はみんなを救おうと必死になるのだが、最後まで彼を信じてついてくる4人の仲間とショッピングセンターから車で脱出を図る。車の燃料も切れ、苦しまずに死ねるようにと持っていた銃を仲間の眉間に打ち込んでいく。老若男女を問わず、子供もいればおばあさんもいる。彼も最後にその銃で仲間のあとを追うつもりだったのだが、霧の切れめに彼が見たものは何だったのか?痛烈な皮肉のラストが待っている。当たり前のように生きて生活しているが、命あっての自分という意識があり、明日を無事迎えられるありがたさが身に染みた。

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
2

恋愛アニメ。タイムループものだけど、ただの恋愛アニメ。

見終わったあと何も残らない、ただの恋愛アニメです。
ただ、映像は綺麗でした。現実では見られない花火の描写も美しかったです。
それだけだったので、見終わったあとに満足感はなく、感動の余韻的なものはありませんでした。

ヒロインは早熟な女の子、もしくはそれに憧れている女の子なのですが、それすら判断しづらいくらい深みが足りず、雰囲気だけ再現した感じの仕上がりです。憧れてる男の子からしたら神秘的に見えたりもしそうなシーンが、そこまでのテンションに持って行って貰えなかった視聴者からすると「何そのアニメでありきたりの展開は…しかも無駄に長くて必要性もない…」と白けてしまい、何を見せられているんだという気持ちになってしまいます。そんなシーンの尺が長かったり感情移入できないままで到達すると、どんなに美しい絵でも苦でしかありません。
主人公の男の子はちょっと抜けたところがある奥手な子で、こちらの心理描写はそこそこ描けていたように思います。

そもそも、わざわざタイムループを何度も取り込む程のストーリーだったのかとも疑問に思え、恋愛ものに何かひと味加えようと思ったのであれば、これじゃなかっただろう感が強いです。

それでも一度は見ておくべきかと聞かれたら、高確率で必要ないと思います。