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mahiro109i2のレビュー・評価・感想

悪女は砂時計をひっくり返す
10

これ以上にない“悪女漫画”界トップ作品

主人公は悪女をやり遂げた。数ある悪女系漫画の中でも、冒頭で主人公の目的をハッキリと読者の胸に刻み、そして主人公が憎む相手のことを一貫して《救いようのない敵》として描き切る展開は、この作品以外知らない。
読者はずっと主人公の敵であった存在に待ち受ける最後がどのようなものかを期待し読み進める。復讐が物語の軸であり、物語の冒頭で主人公を襲った屈辱を《敵》に与えることでスカッと終えるものだと思っていたのだ。
ところが肝心の軸である復讐のシーンだけは、《敵》が綺麗に、そして誇らしげに貴族として逝く描写だった。約100話にわたる悪女2人(義姉妹)による読者を張り詰めさせた戦いの末に、一気に「本当の主人公の敵は作者で、作者は《敵》の味方だったのか」と疑うくらいあっさりと綺麗に終わらせた。そこが逆にリアルで虚しい。復讐のために生きていた人間が目的をやり遂げたにも関わらず、《敵》だけが勝手に自分で納得・満足し笑顔でこの世を去ったのだ。きっと自分が主人公なら《敵》が逝っても尚縛られて生きていくのだろう…復讐とは相手がいなくなったら結局虚しいものなんだと作品を通して感じさせてくれた。主人公の復讐の先にある未来がどのようなものになるのか、是非綺麗なイラストの漫画で確認してほしい。

猫の恩返し / The Cat Returns
7

猫だけの国があると思ったらそれはそれで、なんか怖いかも

主人公「はる」は、どこにでもいる普通で動物(猫)に優しい高校生。
ひょんなことから猫の国に招待されてしまう。猫を助けただけなのに、その猫に人間にとっては大変迷惑なことをされてまぁびっくり。
普通に家の周りが猫じゃらし!カバンの中にはまたたび!?下駄箱にはねずみ!
普通ならだれかに嫌がらせもしくはイジメられてるのかと滅入っていくところたけどそこは、親友とはるの性格なのかスルーする(マジで序章にすぎないこの展開)どこからか聞こえてきた声に導かれてしゃべる猫と夜にしか動けない猫の置物とカラスのオブジェに会いに行く。
猫の国で生活できる猫、猫の国で生活できない猫その差はよくわからないけれどその2種類の猫たちが2足歩行して普通に人間と同じに生活してることが、笑えてほっこりする。
主人公はるを助ける猫のオブジェ(バロン)がまたイケメンで紳士周りにこんな人いたらうっとりしてしまう。
はるもバロンに心惹かれている一面もあってカワイイネと思いながら続きをみてしまう。
はるがバロンに会いに行くのを道案内した野良猫ムタは大食いだったらしく猫の国では恐れられていて自慢げにいるムタについ「なにやってんの」と突っ込んでしまいそう。
猫の国から帰ってきたはるの成長ぶりがなんと今までの生活と違って高校生か?と思ってしまう最後だった。

人間失格 太宰治と3人の女たち
8

エロティシズムを感じない蜷川実花作品

監督が蜷川実花ということもあり、全体的に赤が多く使われている印象。
かといって、他の作品同様に全般的に色彩豊かに描かれている。
中盤からの吐血シーンは、雪とのコントラストが鮮やかに表現されており、美しくさえ感じられる。
主人公の太宰治は小栗旬が演じるが、実際は身長が180センチメートルもないため違和感を感じてしまう。
愛人役を演じる沢尻エリカはもちろんのこと、二階堂ふみの体を張った演技力には多くの人が圧巻させられるだろう。
愛人との生活が多いことから、分類としてはアダルトに含まれるのかと思いきや、単なるR15指定のドラマとなっているのは驚きだ。
ストーリーは人間失格の映画化ではなく、作家太宰治と妻を含めた太宰治を取り巻く女たちとの関係が描かれるものだ。
序盤は入水自殺未遂から始まり、太宰治がどんなに女性に関して体たらくであったか理解させられてしまう。
自宅には3人の子どもがおり、太宰治のファンであった静子も1人もうけることになる。
静子の後にBarで働く富栄と関係を持つようになり、富栄からも子どもが欲しいとせがまれるが思いとどまる。
女ごとに1作ずつ小説が発表されていき、家族がそれを見守っていた。
終盤は、アルコール中毒と肺結核と格闘しながら執筆活動を続けようとする苦悩が描かれている。
おおよそは良いが、太宰治の身長に難ありのため本評価は8とした。

King Gnu / キングヌー
10

令和の時代を創るのは、多彩多才なメンバーで構成されるKing Gnu

令和になって急遽耳にすることが多くなったのではないでしょうか。king gnuこそ、これからの令和の時代の音楽業界をけん引し、世界の名だたるアーティストを席巻すると思っています。なぜなら、日本の音楽業界にはこれほど多才なメンバーがそろって調和しているグループは存在しえないと思うからです。
有名なのは「白日」。この曲を作ったのは、ギター兼ヴォーカルの常田大希。彼はking gnuの全ての作詞作曲をしています。見た目はやんちゃそうですが、実は両親は音楽奏者であり彼自身はチェロ奏者、東京芸術大学を中退。きちんと音楽に精通したいわばサラブレッドです。
そして美しい声を響かせるのはヴォーカルの井口理。彼も声楽を専門に学び東京芸術大学を卒業しています。とにかくこの2人が幼少期からきちんと音楽を「学び」、体得したからこそ全く違う世界観と、日本のポップス界の常識を超える音楽を奏でます。
歌詞はaikoやYUKIのように、遠回りした言葉ではなくまるで話かけているようなストレートな言葉を使っているのもポイントです。聞いたことがないけれども聞きなれないわけではない曲調に彼らの熱いメッセージを乗せている曲を1つでいいから聞いてほしいです。絶対に虜になります。

ドラゴンクエストV 天空の花嫁 / DQ5 / ドラクエ5 / Dragon Quest V: Hand of the Heavenly Bride
8

映画にもなるほどの根強い人気を誇る王道ドラクエ

始まりは父パパスと幼い主人公(プレーヤー)の船旅から。そこから幼い主人公が生まれてすぐに別れた母親マーサを魔界から救い出すために、勇者と勇者が身につける天空の剣、盾、兜を探して世界中を旅していることがわかる。
パパスは頼もしく人望も厚い人柄から、船の港に到着した際も、また家臣のサンチェが守りをしている家のあるサンタローズ村にも手厚く出迎えられる。
そんな時に幼なじみビアンカとの出会い。ビアンカの父さんが風邪をひいてしまった為に薬師の所に出かけるが薬師は洞窟に行ったきり帰ってこない事態に。ここから主人公のレベル溜めが始まる。そしてビアンカ家族を送るためにアルパカへ。そこで出会った村の子ども達にいじめられていたキラーパンサー。このキラーパンサーを助けるためにビアンカとともに近くの城でお化け退治へ。この時ビアンカは威勢だけはいいがHPが低く、よく「きぜつ」していたため薬草を常備していた。
物語はレベルアップにつれトントンと進行。
キラーパンサーを助け出し主人公と行動を共にする。妖精の世界に入る頃、村のある所に怪しい青年登場(この青年が誰で何のためにいたのかがレベルアップして判明した時は鳥肌ものの感動だった)。
そして、この頃の主人公は幼くて字が読めない。そのためにパパスの持っている本も読めなかったのだが、これもレベルアップしてやがて判明する事になる。
この後事態は急展開を迎える。
父パパスの死、10年以上の奴隷生活、奴隷生活からの脱出、サンタローズが廃村に、天空の剣の発見、キラーパンサーとの再会、そして花嫁候補となるフローラ、ビアンカの選択…。
さまざまなドラマがあり、まさに主人公の半生を通して、主人公は父パパスからの思いを引き継ぎ母のいる魔界へと向かう。
ドラゴンクエストVの主人公は他のドラクエシリーズに比べて理不尽な状況がとても多く、プレイしながら何度も涙が出ていた。そして主人公がこれだけ苦労してこれだけ強くなっていても、主人公は勇者ではない事。これが物哀しさを誘う。そして主人公の成長と共に行けなかった気になる所や読めなかった本の内容が判明するのもドラクエシリーズの醍醐味。随所にドラマがあり主人公の成長につれセリフが少しずつ変化しているのも素晴らしい。目新しさはないが人間ドラマの王道RPGであると思う。

トイ・ストーリー4 / Toy Story 4
9

ウッディの選択に賛否両論あると思います

3で完結していたと思っていましたが、4も涙あり、笑いありでした。大人も十分楽しめます。過去の出来事を交えながら、今までを振り返るオープニング。後付けかもしれませんが、ボーとの別れの挨拶もしていたのですね。そのボーが再登場して、恋の行方は?

ウッディは、バズたちと別れて新しい世界を選びましたが、3の決断と矛盾しているので、感想が分かれると思いますが、私はこう解釈しました。
ウッディは、過去の話では、バズにライバル心をもって対抗していたのに、今回は新しいおもちゃ・フォーキーの保護者のように世話をしています。自分の体に傷をつけてでも、フォーキーを取り戻したいほどの忠誠心と自己犠牲。ウッディも成長したのでしょう。だから自分が、新しい持ち主のボニーの1軍おもちゃにはなれないことも自覚し、ボーが新しい広い世界で見てきたことを一緒に見てみたいと思ったのではないでしょうか。それに、またボニーの元に戻ると、今後も、おもちゃの輪廻転生ループになり、ストーリーもワンパターンになりそうです。

ちなみに、フォーキーは、高級なおもちゃではなく、幼稚園で手作りしたおもちゃというのが、子供からおもちゃをねだられる親の心境を思うと好感が持てます。

新キャラのギャビー・ギャビーも、初めは怖かったのですが、「いらない」と言われてゴミ箱から出てこなかったときは私もつらかったし、新しい持ち主が見つかったときは、涙が出ました。ダッキー&バニーの、ボケも、ここで回収できました。

5が出来るとしたら、新天地で新しいおもちゃの可能性を見せてほしいです。