jihen2@jihen2

jihen2
jihen2
@jihen2
29 Articles
6 Reviews
0 Contributions
0 Likes
jihen2

jihen2のレビュー・評価・感想

JAGGLA / ジャグラ
10

HIPHOP最高!!!

自分は最初HIPHOPは、あまりよくないイメージを持っていました。しかしHIPHOPに1番と言って良いほど必要なのが“リアル”です。自分はアウトローの世界は漫画などでしか見たことがありませんでしたが、HIPHOPは「聴く小説」といって良いほどの情報量があります。

JAGGLAはクルー(チームメイト)を2人亡くしています。1人は後輩、1人はJAGGLAをHIPHOPの世界に誘った親友です。そんな強烈なバックボーンを持つ彼は「4.21」などの曲で、親友に対しての想いを曲に乗せて歌っています。

自分が1番JAGGLAが好きな理由は、めちゃめちゃ渋いからです。
自分は「漢は多くは語らないほうがカッコいい」と思っており、JAGGLAのある曲の歌詞で「本心はバースに忍ばす」というものがあるのですが、これに全てが詰まってるとおもいます。

そしてHIPHOPは不良の為の音楽などではなく、前を向くのが難しくなった人や、人のあり方、仲間、友達、家族などの周りへの感謝を思い出させてくれる曲が多くあります。
自分はHIPHOPを聴くようになってから、「うんとかっこいい漢」に近づけていると思っています。HIPHOPは自分の人生の教科書です。

影踏み
8

双子だと大変。

横山秀夫さんの作品は好きなので、本作も楽しみにしていました。事件モノではありますが、犯人ら登場人物に悲しい事情があり、人間ドラマでもある作品でした。そんな悪い人には見えない修一がなんで、泥棒なんかをしているのか、泥棒の最中なのに、死のうとする人を止めたり、死に人一倍敏感なのはなぜなのかとか修一の過去が悲しくて見入ってしまいました。
彼にひっついてまわっている啓二は、年齢も違うし、どういう師弟関係なのかも明らかにされてなかったから何なんだろうと思っていたけど、オチを知ってなるほどと思いました。双子だと、ほんと普通の兄弟以上に相手に嫉妬とかしちゃいそうです。
でも弟がちょっと道を外れちゃったときに、母親がしたことはあれでしたね。それまでにいろいろあって、母親を責めるのは違うとは思いますが、ほかの解決策はなかったのかなと思っちゃいます。最後の最後には思いとどまったようですが、そのことが修一に与えた影響が大きすぎました。修一も、彼の恋人も振り回されかわいそうでした。これからはちょっと前を向けそうになっててそれがよかったです。
役者陣も主役が山崎まさよしだなんてびっくりしましたが、全然演技もいけてました。それに他の人たちも個性派と呼ばれる人が多くて、とても面白い映画になってました。

Mr.Children / ミスター・チルドレン / ミスチル
9

「ネガティヴ」に寄り添うバンドMr.Children

Mr.Childrenは1992年にデビューした4人組の国民的ロックバンドです。
私は、ファンクラブに入会して11年目なのですが、1番の魅力は「頑張ろう」、「応援しているよ」などと歌でポジティブを強要するのではなく、Mr.Childrenの4人の内にある「本質的な思い」が歌によって引き出されて、結果として聴く人のネガティブに寄り添い、繋がることが出来るところだと思います。
誰かを励ますのではなく、自分自身を開放することにより、その結果、誰かと繋がり何かをプラスに作用していく流れをMr.Childrenの楽曲から感じます。デビューから30年近くたった今なお、日本の音楽シーンでトップを走り続けることが出来る理由がそこにあると感じます。
ボーカルの桜井和寿さんの多彩な感情から生まれるメロディーと歌詞、それを引き立てる鈴木英哉さんのドラム、中川敬輔さんのベース、田原健一さんのギターがバックアップするチームワークも必見です。
サッカーで例えると、FCバルセロナのメッシ選手を引き立てるために他のチームメイトが自分の役割に徹していて、お互いに良さを導き出しているのと同じような関係性があります。
1992年〜1997年、1998年〜2000年、2001年〜2009年、2010年〜2021年と、それぞれの期間によって全く別のアーティストではないかと思うほど楽曲が変化していて、たくさんの作品を楽しめることもMr.Childrenの特徴です。

MIYAVI
9

独創的な侍ギタリスト

日本国内だけでなくアジアやヨーロッパ、アメリカなどでも活躍しています。主に音楽活動がメインですが、俳優や難民支援など様々なことにもチャレンジしています。メディア出演時はギターのみで、コラボした他のアーティストが歌う場合が多いですが、ソロでフルアルバムも出てますので、自身のソロライブなどはギターを弾きながら自分で歌っています。歌唱力がすごくあるとは言えませんが、作曲する歌に関しては、リズムが覚えやすく、ロックというよりかはポップスに近く、誰でも分かりやすくノリやすいメロディーです。ギターでスラップ奏法という弦を叩く弾き方を交えつつメロディーを作るので独創的です。歌詞も英語表記のものもありますが、恋愛色は少なく、俺たちが新しい時代をつくり未来を切り開くといった前向きなものが多いです。そして見た目から好きになった方も多く、スタイルも良くビジュアルがすごくかっこいいです。20代のころヴィジュアル系バンドをしていた名残か少しアイメイクをしています。全身にタトゥーが入っていて、自身はこのタトゥーを”メモ帳”と言っていましたが、すべて文字で彼の人生に関係のある言葉が刻まれています。

でんぱ組.inc
10

だからでんぱ組.incが好きだ

正直なところ、わたしはアイドルにあまり明るくない。アイドルは歌って踊って笑顔をふりまく人たちのことだと思っていた。彼女たちに出会って、そのアイドルという生きざまを見て、この考えがいかにちっぽけで愚かなものだったかを思い知った。

一番始めに出会ったのは、大学の先輩のiPodのなかだった。その先輩は男で、スポーツをしている、いかついでかいやつだった。
煙草ふかしながらなに聴いてんのか尋ねた。
「でんぱっていうアイドルグループだよ。神曲ばっかで飽きないから、お前も聴いてみろよ」
いやいや、そんないかついツラでアイドルの? 神、なんて? 神曲? とにかくわたしは聴いてみた。テクノポップ調のサウンドがでかでかと耳に響く。チャカチャカとしたアップテンポなミュージックに乗ってくる可愛らしくも力強い声。アイドルの曲って、今こんなんなってんの?
思ってたのと違った衝撃で固まっていると、先輩は言った。
「YouTubeに動画あがってるから観てみなよ」

何はともあれ観た。なんだこれ。可愛くてウインクなんか飛ばしちゃう女の子たちが、めっちゃ激しい曲とか平気で踊って、わたしの方めがけて、まっすぐまっすぐ歌っている。そのとき観た(聴いた)曲は『サクラあっぱれーしょん』というのだが、アップテンポで歌いやすそうで耳に残る曲だった。その日だけで三十回はリピートしたのだが、毎回曲の後半にある歌詞でうるっときてしまう。「君の未来を明るく照らすなんてお茶の子サイサイさ」。彼女たちはその光り輝く笑顔で、踊りで、身体すべてでわたしの未来を照らしてくれた。なんとなく怠惰な日常、そこはかとない不安、そんなものを吹き飛ばしてくれた。
メンバーが入れ替わったり、少しライブの期間があいたり、いくつもいくつも彼女たち自身に不安になることが訪れても、わたしが応援する理由は変わらない。そこに居て活動してくれるから。彼女たちは「でんぱ組.inc」という、いびつで力強くて可愛くて美しい看板を背負って、ステージで歌ってくれているから。新曲が配信される度に驚かされ、行く先をいつまでも観ていたいと思わせてくれるアイドルだ。

グリーンブック / Green Book
9

時代に抗った黒人ピアニストと、無学な白人用心棒の心の交流を描く

まだまだ黒人差別の色濃い1960年代。一流のミュージシャンと言えど例外ではありませんでした。
本作の主人公であるイタリア系アメリカ人であるトニー・リップは、生活のためにある黒人ピアニスト、ドン・シャーリーの運転手兼交渉人を引き受けます。
特に差別の残る南部一帯を巡るツアーに出たシャーリー一行を待ち受ける、賞賛と侮蔑の入り混じった世界。アフリカ系アメリカ人が安全に旅行をするために黒人旅行者が携帯した、グリーンブックという本作のタイトルに、当時の有色人種を取り巻く環境が託されています。
困難な状況を持ち前の腕っ節と機転で切り抜けながら、無事クリスマスまでにニューヨークに帰ってこれるのか。

文化や芸術の世界で、黒人が目覚ましい活躍を見せた1960年代。リトル・リチャードやアレサ・フランクリンなど、本編にも登場した多くの黒人も差別に苦しめられていました。
個人的にはツアー最後の公演地での出来事が印象的でした。コンサートを放棄しても守るべき人としての尊厳。胸を打つシーンです。
イタリア系アメリカ人であるトニーもまた、黒人に対して差別意識を持つ、ごく普通の白人の一人でしたが、博学で才能溢れるシャーリーの姿に敬意を抱くようになります。
人種の壁を超えて人と人の心が通い、差別に立ち向かう様に心うたれました。