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gaiarのレビュー・評価・感想

装甲騎兵ボトムズ / Armored Trooper Votoms
8

不朽の名作 装甲騎兵ボトムズ

この記事にはネタバレが含まれます。ご理解の程よろしくお願いします。
装甲騎兵ボトムズ。名前を聞いたことはありますか?ボトムズは1983年から1984年にかけて放送されたハードボイルド系未来ロボットアニメです。放映終了後もOVAや派生作品、ゲーム等一大コンテンツとなっております。殺伐とした世界観に戦いの連続。OPの「炎の運命」の歌詞の通り「むせる」ような毎回繰り広げられる地獄の戦闘に次ぐ戦闘。ボトムズと言う量産機を使って戦う主人公。未来ロボットアニメと言うジャンルでありながら実際の戦争のようなリアリティや人間描写に惹き込まれるまさに名作です。
世界観は惑星間の宇宙戦争を何年もしている超科学で発達した未来社会。主人公のキリコ(男)は戦争の中で生まれ、物心ついた時から戦争をしていると言う生粋の兵士です。正確にはボトムズと言う「棺桶」と揶揄されている量産型のロボットに乗って戦う兵士です。そんなキリコが様々な思惑と巨大な黒幕によってあらゆる状況下で戦って戦って戦いまくると言うものです。
キリコは第一話で死にます。えっ、と思うかもしれませんがいきなり味方に裏切られて味方?の極秘部隊に捕らえられて拷問を受けて死んで、何故か驚異的な回復力で蘇生します。もう、この時点で誰を信用して良いのか分からなくなります。巨大な黒幕が敵側と味方側で暗躍しているのに加えて派閥争いや軍部の腐敗でキリコは毎回理不尽な目に遭い、危険な最前線で戦わされたり上官に裏切られて殺されそうになります。まさに地獄です。
そんな中でも主人公が死なないのは主人公が異能生存体だからです。これは銃で撃たれたり爆発に巻き込まれたり炎に包まれたりしてキズついても死なないと言う不死身のような存在です。この異能力のせいでキリコは黒幕に付け狙われ、毎回地獄の戦闘に駆り出されます。そんな理不尽な目に遭うキリコですが兎に角カッコいい。毎回ピンチを冷静沈着に乗り越えて生き残る。仲間がピンチの時は危険を顧みずに助けに行く。ボトムズの腕前が随一でバタバタと敵を倒していく。まさにハードボイルドですね。
絶望的な戦場の中でギリギリの死線を潜り抜けながら生き残り、また次の戦場に旅立っていく。時に優しく、クールなキリコが兎に角カッコいい。そんな装甲騎兵ボトムズでした。

メメント / Memento
7

みんなに利用されててかわいそうだった。

記憶が10分しか持たない男がみんなに利用されていてかわいそうでした。最初は彼のために犯人を探してくれた刑事でさえ、これはいい殺し屋ができたとばかり、彼を使っていて、ひどいなと思いました。ほんとにこんなことになった場合、どうするのが正解なのでしょうか。彼は体に刺青をしたり、メモの場所も見失わないように努力してたけど、それでもダメだったし、ほんと大変です。でも、なぜ彼が復讐が終わった時、それを刺青にしなかったのか、それが分かりません。そうすればこんな複雑なことにならなかったのにと思います。刑事の最後も悲惨なものでした。自業自得といえばそれまでだけど、友達でもあったわけでそのことを思うとちょっとかわいそうかなとも思います。なんか、つい魔がさして、悪に落ちてしまうことはありますから。サミーの話も怖い話で、その真実がかなりきつかったです。本作は時系列順になっておらず、見ていてこんがらがるものでした。それがまた、面白くもあるのですが、一回だけでは分からないと思います。主人公と一緒にメモをとりながら見たら面白いかもしれません。モノクロを効果的に使ってもいて、技巧的な映画でもあるなって感じです。

ディア・ハンター
9

ベトナム戦争帰還兵たちの精神の崩壊をリリカルに描いた長編映画『ディア・ハンター』

『ディア・ハンター』は1978年公開のアメリカの戦争劇映画で、監督はマイケル・チミノ。ベトナム戦争での戦闘を経て人生に変貌をきたしてしまった3人のロシア系アメリカ人を描いています。3人の米兵を演じたのはロバート・デニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール。助演でメリル・ストリープ。
映画の舞台はピッツバーグの南、モノガヘラ川に面した労働者の町クレアトン(ペンシルベニア州)とベトナムの地です。この映画の一部、ラスベガスとロシアンルーレットの場面は、ルイス・A・ガーファンクルとクイン・K・レデカーによる映画化されなかった脚本「遊びにやって来た男」に基づいています。製作者のマイケル・デーレィがこの脚本の製作権を買取り、脚本家/監督のマイケル・チミノを雇って脚本を書き直させました。チミノはデレク・ウォシュバーントと共にロシアンルーレットの要素を取り出して、それをベトナム戦争の文脈に置きなおしました。製作は予算超過、スケジュール遅延をきたしたうえに、1500万ドルの製作費を吸い尽くしました。映画の公開後、ロシアンルーレットの場面は沸騰した議論を巻き起こします。映画の製作元であるEMIフィルムが国際配給権を、ユニバーサルピクチャは北米での配給をそれぞれ担いました。

MASTERキートン / マスターキートン / MASTER KEATON
10

様々な顔を持つ主人公が織りなす人間模様とその活躍

舞台がヨーロッパ全土に及び時にはアフリカの砂漠になることもある。
様々な世界史、ヨーロッパの国際情勢、特殊部隊のサバイバル術、先頭の知識作者は相当インテリジェンスが高いんだと思う。
各国の地理も日本人にはなじみの薄い地名なんかもよく出てくるし、ヨーロッパで活動している様々な組織、団体、ヨーロッパの歴史からくる人間気質など鋭い洞察力が垣間見える。
この漫画を読んでヨーロッパに関する知識が本当に増えた。
保険会社の調査員という仕事柄、保険金詐欺の調査や誘拐にもかかわってくるし、謎解きの推理小説のような楽しみも味わえる。
面白いのはピンチに際したときにキャリアとなっている英特殊部隊SASのサバイバル術の知識と経験が生きることだ。
サバイバルとはあらかじめ用意された武器や装備品ではなく自分が置かれた環境にあるものを使ってその代用にして武器や装備品にして利用する事だ。
裏付ける知識は方位学、気象学、地理、歴史学、物理学、化学、生物学、医学多岐にわたる。
人間の生活は様々な学問の知識の上に成り立っているということを実感させられる。
お人好しでやさしい性格でありながらピンチに陥ると軍隊で鍛えられた猛者の知識と経験が顔を出す。
そのギャップも面白い。作者は主人公のようにヨーロッパで何年も生活して軍隊の入隊経験もあるのではないだろうかと思わせるほど。
人を傷つける事には負い目を感じていて、自分の身を守る時でも相手を殺すことはできないというのも主人公をとても親しみやすくしている。
18巻完で1話完結のストーリーだがぜひ続編も期待している。

人間椅子
10

曲がらない、曲げられない男たちが紡ぎだす入魂の和式メタル

1987年、バブル経済に沸く東京を遠く離れた青森県弘前市出身の和嶋慎二氏(ギター/ボーカル)と鈴木研一氏(ベース/ボーカル)によって生まれたメタル色の強いスリーピースバンド。
一口にメタルと言っても愛好家の中では実に多種多様に棲み分けがされているものの、人間椅子の初期からの大きな特徴となるのが津軽弁の響きが引き出す独特のリズム感や地元津軽を初めとする日本、特に東北地方の習俗や和嶋氏が追求するオカルトや仏教色の入り混じった世界観によって、どの曲を聴こうがすぐに人間椅子だと分かる点であり、「メタル」と言う括りに入れてしまうのが憚られるほど個性的な世界を繰り広げています。

人気オーディション番組で注目を浴び1990年にメジャーデビューを果たすも、1990年代当時の音楽潮流は彼らが追求するHR/HMの音作りとも独特の詩が紡ぎだす世界観ともかけ離れており、その後実力の高さは認められつつも売り上げ面では不遇の時代を長く過ごします。
中核メンバーである和嶋氏と鈴木氏は一貫してバンドのメンバーですが、ドラムのメンバーがその時々で入れ替わりそれぞれが特徴を生かしたプレーをしている事によって、曲調の根は変わらずとも表面的な曲調はドラマーの在籍時代によって特徴が違う曲もあり、聞き比べも楽しいものです。
2000年代末から再評価が進み、日本での新規ファンの獲得のみならず大規模フェスやYOUTUBEにおける「無情のスキャット」での高視聴数などによって海外での認知を爆発的に高めたことにより、2020年現在では高い認知度と評価に売り上げを得ています。
印象的な作品は多々ありますが、「りんごの泪」「死神の饗宴」「宇宙からの色」「黒猫」「幸福のねじ」「なまはげ」などに彼らの作品の特徴と時期による変遷が良く表れていると思います。

ターミネーター / The Terminator / T1
10

映画ターミネーターについて

2029年近未来、人工知能スカイネットによる指示で機械軍が全世界を支配しつつあります。
人類軍のリーダー、ジョン・コナーの指揮により人類軍が逆襲し始めます。そこで機械軍はジョンが現れないように、1984年の過去にサイボーグT800(ターミネーター)を送り込み、ジョンの母であるサラ・コナーを抹殺しようと考えます。それに気づいたジョンはターミネーターからサラを守る為にカイル・リースを1984年に送り込みます。
その頃、銃砲店に入ったターミネーターは拳銃AMTハードボーラー、UZIマシンガンを手に入れ店主を撃ち殺してしまいます。そして合理的なターミネーターは電話帳でサラ・コナーと言う名前を探して全員抹殺するという作戦に出ます。ジョンの母サラ・コナーは自分と同姓同名のサラ・コナーが次々と殺されているのを知り不安になり、とにかく自宅から出てディスコに行きじっとしていると、ターミネーターのレーザーサイトに捕捉されてしまいます。
その時、彼女を見ていたカイルがショットガンでターミネーターを狙撃します。ですが相手はターミネーターなので何度撃っても起き上がって来ます。車で逃げても警察に保護されてもターミネーターは諦めず追ってきます。警察署に入る時は受付をジロジロ確認し「また戻って来る」と言い5秒ぐらい経つと車で警察署に突っ込み襲撃します。その後カイルとサラはトラックで逃げるのですが、ターミネーターはバイク(ホンダCB750Four)でカイルが投げる爆弾を避けながら追いかけます。そこからまだまだターミネーターはカイル、サラをしつこく自分が動けなくなるまで追いかけますが、そこが見所です。