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fallen2のレビュー・評価・感想

サバイバルファミリー
10

父のあり方

パニック映画が好きでよく見るのですが、ハリウッド物だとムキムキで知性的なお父さんが家族や街を守るために体を張って活躍する、というものが多いです。
そういうのも好きでなのですが、この作品にはそんなカッコいいお父さんは登場しません!(作品のジャンルとしてはコメディですが)
プライドが高くて家族や同僚の前で威張っている、よくいる中年のおっさんです。
世界中で電気が使えなくなる、という大変な事態を前に「俺に任せておけ!!」と豪語するも、何もできず不甲斐ないところばかり。
もっとも、お父さんはだけではなく、お母さんは魚も捌けないし野菜についた虫で大騒ぎだし、息子と娘はスマホ大好きな今どきの子達。
サバイバル能力ゼロの家族が、東京に残っているよりは、と熊本まで自転車で旅をしますが、順調に行くはずもなく…
最後には息子と娘から「少しは父親らしいことをしてみせろよ!」となじられ、妻からは「しょうがないでしょ。お父さんはそんな人なんだから」と本音を吐露されてしまい、父のプライドは地に落ちます。
物凄くリアルな家族が、物凄く非現実的な状況で悪戦苦闘する、という物凄く斬新で面白い映画でした。
普段威張っているだけのお父さんが家族からどう見られているのか、そしてそのハリボテの威厳が失墜した時にどう行動するのか?
スーパーヒーローのようなお父さんじゃなくても家族を守れるのか?
リアルでちょっと切なくて、笑える良質の娯楽映画です
役者の小日向文世さんがこのお父さん役にぴったりで最後まで楽しく観れました

DEATH NOTE / デスノート / デスノ
9

様々なメディアミックス展開の中でも特に劇伴が素晴らしいアニメ

少年ジャンプに掲載され、実写映画、ドラマ、舞台化と様々なメディアミックス展開をされ、高い人気を誇る本コンテンツですが、TVアニメについても非常によく出来ていました。アニメは作画と演出、さらに声優さんの演技等などが合わさって実現される総合芸術ですが中でも今作で注目したいのが劇伴です。本作では、平野義久さん・タニウチヒデキさんという作曲家さん2名の競作にてBGMが作り出されています。主に、平野義久さんが作品の世界観を象徴する楽曲を、タニウチヒデキさんが個性的な各キャラクターのイメージを表現する曲を書かれており、どちらも非常に有効的に使用されています。また、アニメのサウンドトラックでありがちな、TVで使われた楽曲が収録されておらずガッカリということもなく、挿入歌も含め、ストーリーの進行に合わせて発売された3枚のサウンドトラックCDに余すことなく収録されています。
「Lのテーマ」はその名の通り、人気キャラクターの名探偵Lの活躍シーンで使用されますが、STORY.11「突入」内のLと捜査員の電話のやり取りのシーンでは曲の転調部分と相まって非常に緊迫感のあるシーンとなっています。また「Toward The Climax」では、STORY.37「新世界(最終話)」にてタイトル通り最終決戦に向かうシーンのカタルシスに満ちた曲となっています。他にもアニメだからこそ出来る演出に満ちたデスノートを是非、楽しんでいただければと思います。