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crimsonfoxx7

crimsonfoxx7のレビュー・評価・感想

ベイビーステップ / Baby Steps
8

自分でも試したくなるテニスマンガ

几帳面な性格で計画を立ててそれを実行し、学校の成績は常にオールA。まじめに勉強することが苦でなくその生活が正しいと何の疑問も持っていなかった主人公・丸尾栄一郎が高校でテニスと出会い、そこから世界が変わっていくテニスマンガ。小さい頃から英才教育を受けていたわけでもなく、テニスと出会って超人的な才能を発揮するわけでもなく、ただ主人公がテニスが面白いと感じてハマっていく地味なストーリー。ただ地味と思うほど練習の仕方は現実的だし、戦略を立てていく試合展開に読んでて自分でもできそうと思えるほど内容はリアル。対戦相手の特徴や戦略などとても細かく書かれているため文字数はとても多いので、そこは好みが分かれる部分。もちろん試合中は対戦相手の心情も描かれているため、相手にも感情移入出来てストーリーも魅力的。対戦相手のプレイスタイルや国による考えの違いなどもあり、毎回違う試合展開になり毎回楽しんで読める。そして本当に平凡な身体能力の主人公が色々調べ実行し、自分に合った練習方法、戦い方を考え、挫折しかけるもそれを乗り越えて結果に結びついていく展開に勇気をもらえ、自分も頑張ってみようと思える作品。全47巻と大ボリュームではあるが、割と試合ごとに区切りがつくので興味があればちょっと読んでみようかなと気楽に手をだしてみてもいいのではないかと思える内容。

呪詛 / Incantation
8

映画『呪詛』の概要

2022年3月に台湾で公開され、同年7月にNetflixで公開されたホラー映画『呪詛』。
台湾史上最も怖い映画というキャッチコピー通り、SNS上では「一人で見ないほうがいい」「トラウマになる」といった感想が多く見られます。
今回はこの作品の概要について紹介します。
まず作品が作られた経緯についてですが、この作品はあるカルト教団の家族にまつわる台湾の実話から着想を得たものであると、ケビン・コー監督は語っています。
コー監督はこの実話に恐れと魅力を感じ、作品のモチーフにすることを決断したそうです。
さて、ここからは作品の中身について紹介します。
あらすじとしては、かつて友人と訪れたある場所で参加した儀式でタブーを破ってしまった主人公の女性(リー・ルオナン)が、当時身ごもっていた自分の娘にその呪いがかかってしまっていることを知り、それを解こうとするというものです。
この映画は一貫してPOV(Point Of View)方式で撮影されているため常にその場で体感しているような臨場感があり、それに加えて予告編でも見受けられるようなグロテスクなシーンが作中に頻繁に登場するため、ホラー映画を見慣れていない人からするとなかなか過激な内容かもしれません。
しかし、ホラー映画のあらゆる怖さの要素が詰まった最上級の恐ろしさを体験したい方にはぜひともオススメしたい作品です。

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
10

鬼滅の刃とは、愛に溢れた物語だった

「鬼滅ブーム」を巻き起こした吾峠呼世晴作の鬼滅の刃。子供達の間でも話題は常に鬼滅の刃。
一体どんな話なのだろう…と聞いてみたところ、我が子が言うには「鬼退治」。え?桃太郎みたいな話?それが世間を騒がせているの?と、桃太郎話にそこまで興味を持たなかった私ですが…。とある日、友人がinstagramのストーリーズにて「大人買い」と鬼滅の刃のコミックを載せていたことがきっかけで、私はどんどん鬼滅の刃の沼にはまっていく…私の中の鬼滅ブームの始まりでした。その友人から話を聞くと「アニメを子供と一緒に見ていたら子供よりも自分がはまってしまって…今じゃ私のほうが鬼滅という言葉に反応している」とのこと。そして「私の推しは義勇さん?もしも推しがいたら教えてね」と。義勇さんって誰?何者?世の中がステイホームだった2020年のゴールデンウィークに、私はついに鬼滅の刃のアニメを「暇つぶしに見てみるか」という感覚で見始めました。
鬼滅の刃とは、簡単にまとめると「家族が鬼に殺され、唯一生きていた妹は鬼になってしまい、妹を人間に戻す為、鬼と戦う主人公」のお話です。第一話を終えての率直な感想は「つらい」でした。桃太郎と全然違うじゃない!いや、こんな残酷なことってあるのか…そこから当時配信されていた那田蜘蛛山編まで、1日半かけてぶっ通しで見ました。見た人達は涙腺崩壊すると言いますがアニメで、しかも鬼の話で、こんなに自分が涙を流すとも思っていませんでした。
そしてアニメを最後まで見終えたその日に、現在出ているコミックの最新巻まで全て大人買いしました。ゴールデンウィーク中にそちらもすべて読み終えました。つらさの中にある、温かい気持ち。炭治郎が憎き鬼に対しても、想いを寄せているところ。そんなまっすぐな炭治郎に次第に惹かれていきました。そして次第に私の""推し""は炭治郎に…?
私の周りにもまだまだ「すごい流行ってるけど、そこまで見る気になれないんだよね」なんて話す人は多くいます。「男の子が好きな戦闘系の漫画でしょ?」いえいえ、全然違います。子供よりも大人が心打たれる作品です。もしも今でも鬼滅の刃にまだ私が足を踏み込んでいなかったら、きっと今の私は後悔しかしないだろうなぁ…自分が生きているこの時代に、このような作品に出会えたことは、私にとって宝です。

そらのレストラン
9

『いただきます』をちゃんと伝えたい

この映画を見ると、自然と『いただきます』を伝えなくてはと思わせてくれる作品だと思います。
設楽牧場を経営している、亘夫婦の食卓でごはんを食べる前に乳牛たちがいる牧場に向かって『いただきます』を伝えます。
それは、亘が育てている乳牛のおかげで牛乳やバターを食べることができていることを感謝するための言葉なのだなと感じました。
そして、札幌の有名レストランのシェフ、朝田がせたな町にやってきて、この町で作られているもので料理を作って感激して『いただきます』と言っていたり。
最後の、いつも一緒にいる仲間たちと朝田と1日限りのそらのレストランをオープンして。
チーズ作りの師匠である大谷のチーズを、大谷の妻である佐弥子が食べる前の『いただきます』の重さには心を打たれました。
この作品は『おいしい』にも色々な感情が散りばめられていて、中盤からは涙が止まりませんでした。
普段、何事もなく当然のように食事を摂っているけど、あらゆる食べ物には愛情を込めて育ててくれた農家さんがいること。
その食材を美味しさを引き出すために様々な工夫をしている人がいることがいることを忘れてはいけないと思わされた作品でした。
この映画のおかげで『いただきます』とちゃんと伝えることの大切さを学べた、素晴らしい映画です。