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butterfly224のレビュー・評価・感想

ショーシャンクの空に / The Shawshank Redemption
10

ショーシャンクの空に 感想

この映画を観て一言述べるのであれば、「どんな境遇に遭っても決して諦めてはいけない」でしょうか。
1994年にアメリカで公開、そして日本初公開が1995年と一昔前の作品ですが、これからも時代を越えて名作と言われるほどの作品だと思います。

簡単なあらすじとしては、妻とその愛人を殺害したという冤罪で無期の刑を宣告されショーシャンク刑務所に服役した主人公アンディが、数々の苦難に遭いながらも決して希望を捨てず、負けずに立ち向かっていく姿が描かれています。

この作品が長年名作だと言われ続けるのは、その圧倒的なまでの爽快感だと考えます。
舞台となる大規模な刑務所では刑務官の暴力、囚人同士の喧嘩が日常茶飯事であり、アンディも服役したばかりの頃は「新入り」ということで狙われていました。
それでも同じ終身刑で服役していた「何でも揃える調達屋」のレッドという相棒のような存在ができ、たった十数センチのロックハンマーで20年という到底信じられないような時間を掛けて穴を掘り進め、脱獄に成功しついに自由を手にします。

この刑務所が刑務所所長の絶対的な支配があり、権力や金、独自の技能を持った者、それはまるで悪をはらんだ現代社会を見ているような感覚になります。
この現代の縮図からの開放を描いているが故に、観た者に爽快感を与えているのです。

最後には決して諦めずに「自由」を手にしたアンディ。
この映画は作中に名言も数多く存在し、観た者の心に希望を持つことの大切さを感じさせるヒューマンドラマとなっています。
公開してから20年以上経った今でも根強い人気を誇る不朽の名作です。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン / Violet Evergarden
9

機械の少女が心に触れ、紡いでいく。「愛している」を考える。

舞台は架空の大陸。
大戦後、両腕と命ともいえる上官を失った軍属の少女、ヴァイオレット・エヴァーガーデンが「自動手記人形:ドール」として手紙の代筆を請け負い、手紙を届ける物語。
心までも人形のようなヴァイオレットが、様々な人との触れ合いを通して人間らしく成長していく姿が美しい。人間が隠してしまう本音も彼女のまっすぐな言葉が引き出して紡いでいく。
ヴァイオレットは最初は元軍属のため心の機微を理解できず、言われたことをそのまま手紙にしたためてしまう。依頼者の関係が壊れてしまったこともわからなかった彼女は学校で手紙の書き方を、クラスメイトとの関わりで心を掬い上げて言葉を選んでいくことを学ぶ。その後は方々へ赴き文章を紡ぐ。「お客様がお望みなら、どこでも駆けつけます」と。
自分を想ってくれる家族、婚約者への恋文、遠い未来へ残す記録、遺していく娘に向けた母親の愛、遺された父親が娘のために書いた作品。各エピソードが秀逸で、毎回涙を誘う。
物語の後半は大陸を取り巻く戦争、ヴァイオレットの過去にスポットが当たる。きな臭くなってくる情勢に心を得たヴァイオレットがどう動くのかも見どころ。
作画は美しさに定評のある京都アニメーション。奥行と透明感あふれる景色、髪の1本に至るまでの描きこみや表情の移り変わり、涙の美しさなど見応えは満点。キャラクターにも個性があって、衣装や使われている道具など描写も丁寧。
音楽もヨーロッパ風の世界観に弦楽器の調べがマッチしていて聞くだけでも楽しい。シーンに合わせた曲調の変化も引き込まれる要素の一つ。
一人でも、家族や恋人とも、じっくりと楽しんでほしい。

Dr.スランプ / Dr. SLUMP / Dr.スランプ アラレちゃん / ドクタースランプ
8

天才、鳥山明のギャグ漫画

ドラゴンボールの作者としてあまりにも有名な鳥山明が、ドラゴンボールの前に、週刊少年ジャンプにて連載していたギャグ漫画。ドクタースランプという題名から、主人公は則巻せんべいと思われがちだが、そうではなく、そのせんべいさんが作成した、少女型アンドロイド、アラレちゃんが主人公。
アラレちゃんはとても強く、その強さから、悪い奴を倒したりといった活躍をする。アラレちゃんは基本、ふざけるのが大好きな性格で、よくせんべいさんにしかられている。途中からシリアス路線へとシフトをチェンジしたドラゴンボールとは違い、こちらは徹頭徹尾ギャグに徹した漫画となっている。今見ても笑えるような内容となっており、鳥山明のギャグセンスがうかがえる。
ガっちゃんという、翼の生えた空飛ぶ赤子(その正体は後に判明)がいたり、動物がしゃべって人と同じような生活をしていたり、作者が漫画に登場したりと、とにかく常識では描いていない、自由度の高い作風が私はすごく好きだった。また、ドラゴンボールでもそうだが、鳥山明がメカニックが好きであり、そういった描写が随所にちりばめられていて、そういう見方でも楽しめる。
とにかく、なんか元気になりたいときに、何も考えずに読めるところがいい。