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ayatani112のレビュー・評価・感想

ホリミヤ / 堀さんと宮村くん / 堀宮
8

多面性と受容:『ホリミヤ』で描かれる普遍的な人間ドラマ

『ホリミヤ』は、HERO原作、萩原ダイスケ作画による作品です。この作品は、高校生の日常と恋愛をテーマにしていますが、その一方で人々が持つ多面性や偏見、友情、家族といったテーマも織り交ぜられています。
主人公の堀京子(ホリ)と宮村伊澄(ミヤ)は、学校ではまったく異なるイメージを持つ二人です。ホリは学校では美人で成績優秀、社交的な女子高生として知られていますが、家では家事と弟の面倒を見る真面目な姉。一方のミヤは、学校では地味で目立たない存在ですが、実はタトゥーとピアスを持つ個性的な一面があります。二人が偶然の出会いを果たし、その多面性を受け入れ合うことで、深い関係が芽生えます。
この作品の魅力は、登場人物たちが持つ「裏の顔」を通じて、人それぞれに複数の側面があることを教えてくれる点です。それは主人公たちだけでなく、サブキャラクターにも当てはまります。この多面性は、読者自身が持つ「他人には見せられない一面」に共感を呼び起こさせるでしょう。
また、ホリとミヤの関係性は非常にリアルであり、恋愛が主軸であるとはいえ、友情や家族に対する愛情もしっかりと描かれています。この作品は、単なる高校生の恋愛話ではなく、成長と自己受容、人それぞれの「普通」を尊重する重要性についても考えさせてくれます。
漫画のアートワークも見事で、表情や仕草が非常に細かく描かれています。これによって、登場人物たちの感情がより鮮明に伝わってきます。
全体として、『ホリミヤ』は多くのテーマを繊細かつ力強く描き出しており、高校生の日常を超えた普遍的なメッセージを持っています。恋愛だけでなく、人間関係や自己認識について考えさせられる作品です。

女王蜂 / QUEEN BEE (band) / Ziyoou-vachi
10

年齢、性別、国籍不明!?バンド「女王蜂」の魅力とは

圧倒的カリスマ・薔薇園アヴをフロントに置いたロックバンド『女王蜂』は、多様性という言葉を体現したようなバンドだ。
2009年、兵庫県神戸市のライブハウスに颯爽と現れて以来、現在に至ってもメンバーの本名、年齢、性別、国籍を未公表とし、
メッセージ性の強い歌詞と激しい中にどこか悲しみを帯びたロックサウンドの音楽を中心に、
MV映像や手作りの衣装、アクセサリーのひとつひとつまでこだわり抜き、自分達のダークで生々しい世界観を強く表現している。
『女王蜂』の魅力を語るうえで、ボーカリスト薔薇園アヴの歌声には触れずにいられない。
映画「モテキ」のテーマソングに抜擢され、女王蜂の名を世に広げた名盤「ディスコ」を始め、
これまで発表された楽曲すべての作詞作曲を手掛け、その歌声は低音から1オクターブ以上離れた超高音低音までを自由、かつ正確に出すことができ、
男性的ながなり声から少女のような可愛らしい声までを自由自在に使いこなす。
本人曰く「やったらできちゃった」というその唯一無二の歌声は、どこか陰鬱で激情にまみれた『女王蜂』というバンドの世界観を表現する為にあるようだ。
テレビ番組でのパフォーマンスをしないと明言している彼らが、うわべばかりの多様性を謳うこの世界にどれほどの衝撃を与えてくれるのか、これから楽しみで仕方ない。