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anna_doll

アングラ、耽美映画が好き。

anna_dollのレビュー・評価・感想 (2/2)

ブラック・ジャック21
9

アニメ「ブラックジャック」の続編です

前作のアニメを見ている方にオススメです。前作のアニメは1話完結型でしたが、このアニメは連続性のあるお話です。
ブラックジャックが、自分の出生の秘密や、父親がかつて所属していた組織の陰謀を調べていく話で、舞台は日本だけでなく世界に渡ります。謎の組織のことを知っていくうちに、ブラックジャックはその組織から命を狙われていきます。見ていてハラハラドキドキしますが、ブラックジャックを頼りにしつつも支えているピノコの存在も見どころです。ブラックジャックはピノコの前から姿を消したり、ピノコを日本へ帰そうとしますが、本当はピノコを危険な目に遭わせないためでした。
原作と異なる点はありますが、私は先生とピノコの関係が切ないと感じつつも温かいなと思います。話が後半になっていくと組織の内部のことや、父親がどうして先生の前から姿を消したのかなど、今まで不可解だったことが少しずつ分かっていき、複雑ではありますが面白いです。最終話ではスカイホスピタルで謎の伝染病である、フェニックス病の治療法を探していきますが、自身もフェニックス病にかかりギリギリの状態ながらも諦めずに頑張るブラックジャックの姿には感動しました。どんなことがあっても最後まで努力をする姿は視聴者にもきっといい影響を与えるのではないかと思いました。

女の子の食卓
10

食べ物の思い出が甦るショートストーリー、一度は手にしたい「女の子の食卓」

集英社発行の月刊誌クッキーで連載されていた「女の子の食卓」は、1話16ページ程のオムニバス形式のショートストーリーで、じわりと心に残る話が多く、連載が終了した今でも思い出深い作品です。
1巻掲載のアイスクリームのエピソードは、スイミングスクールの帰りに自販機でアイスクリームを買うのが楽しみな小学生・郁が主人公です。両親の離婚のため別々に暮らす母親が突然スクールに現れ、郁にアイスクリームを渡そうとしますが、郁は新しい母親の手前、いらないと言ってしまいます。しかし郁が無理をしていることに気付いた継母が、今度郁と母親が会う機会を作ると言い、郁は本当に食べたかったのはあの母親が渡そうとしたアイスクリームだと思います。
2巻掲載のマカロンのエピソードは、女子中学生同士のほろ苦い友情の話です。一度は仲良くなりかけた2人ですが、それは繊細なお菓子のマカロンのように壊れやすいものでした。
6巻掲載のエピソードに珍しい食べ物が出てきます。私はこの作品を読んで初めて知ったのですが、アフォガートといって器にバニラアイスを盛り付け、上からアイスコーヒーを注ぐというものです。作中では甘いような苦いような複雑な味、と評されていました。ちなみにアフォガートとはイタリア語で溺れる、という意味、アイスがまるでコーヒーの中で溺れているように見えることが由来です。このエピソードでは彼氏を好きにも関わらず別れを告げた女子高生が出てきましたが、彼と付き合っている自分はアフォガートのようだと意味深なこと場を残しました。
「女の子の食卓」の単行本は全8巻、どこから読んでも入りやすく、エピソードも余韻が残る感じで味わい深くオススメです。

ママレード・ボーイ / Marmalade Boy
9

りぼん黄金期の金字塔

1990年代の少女漫画誌「りぼん」は250万乙女というキャッチフレーズ通り、圧倒的な発行部数と人気を誇っていました。その中でも看板作家の一人、吉住渉さんの連載作品「ママレードボーイ」は、当時のりぼんっ子にとってはオシャレで大人っぽい作風でした。
高校生の小石川光希はある日、両親から突然の離婚宣言、そしてお互いに別の夫婦と再婚するという、いわゆる交換結婚の話を持ち出されて卒倒寸前。相手の夫婦の一人息子・松浦遊はかなりのイケメンで、光希は一瞬ときめきそうになりますが、2組の夫婦の前で、両親が離婚するなんてやだ、と涙ながらに訴えます。しかし、再婚する夫婦2組と、その子供たちと6人で住むことが決まっている、と言われ光希は否応なく同級生のイケメンとの同居生活に巻き込まれることになります。
光希はとても素直で明るい女の子で、対称的に遊は一見柔らかい雰囲気ながら、本心を決して人に見せないという一面を持っています。それは家庭の事情などが複雑に絡んでいるからですが、それ故に光希に惹かれたんだと思います。
作品全体はコメディっぽく味付けされていてとても読みやすいです。特に光希と遊の親、両親ズは我が道を行く、という感じがどこか憎めません。物語の佳境にはこの両親ズがキーパーソンになっていきます。最終巻辺りはすごくシリアスでした。
実写映画では松浦遊役に吉沢亮さん、小石川光希役に桜井日奈子さんと、まるで原作から抜け出してきたようにピッタリのキャスティングです。1990年代の連載作品がどのような映画に仕上がっているのでしょうか。

あひるの空 / Ahiru no Sora
8

今までになかったスポーツ漫画

あひるの空とは高校バスケットボールを題材にした漫画です。アニメ化されるほどの人気漫画です。
なにが「今までになかった」かというと、主人公が所属する九頭龍高校バスケットボール部はびっくりするほど負けます。大事な試合、練習試合、などなど初期の方はほとんど勝ちません。
スポーツ漫画というと、下手だったチームが過酷な練習を経て強豪をなぎ倒す!というのが一般的ではないでしょうか。あひるの空の作者、日向武史は「リアル」を追求しています。作者コメントでも読者の傷をえぐりたいと言っています。勝ち負けでなく、リアルな葛藤を描いている部分こそあひるの空の醍醐味と言えます。
さらに、スポーツ漫画ではありえないこともしています。
それは、結果を先に描いてしまうことです。つまり、勝敗がわかっている試合を読むことになります。なにがおもしろいの?と思う方もいるかもしれませんが、作者曰く、そこまでの過程を見て欲しい。本当に大事な部分はそこなんだ、と。
明らかに他のスポーツ漫画では味わえない感覚、しかし部活動やなんらかのスポーツをやっていた人ならば、あの時の感覚が蘇るような、そんな漫画です。
あひるの空の中で一番好きなセリフがあります。
必死に努力して強豪に挑むバスケ部を見てサッカー部が「一年からちゃんと練習していたらバスケ部のように強豪と戦えたのかな。」とつぶやきます。そして顧問の先生が「わからんが、その後悔は一生消えんぞ。」と放ちます。
作者の思惑通り、見事に自分の傷がえぐられました。

スピッツ / Spitz
9

spitzの良き点

草野マサムネさんの作る曲が、すべてといってもいいほど名曲です。また、草野さんが作る曲の幅の広さもいい点だと思います。例えば、POP調の曲では、「チェリー」「ロビンソン」「春の歌」などあげてもきりがありません。また、マイナー調では、「楓」「夜を駆ける」「さらさら」など、こちらもあげてもきりがないほど、どの曲も代表曲といっても過言ではありません。
また、草野マサムネさん歌声が切ない曲にピッタリとマッチします。ただ、草野マサムネさん本人は、自分の声を嫌っているようですが。また草野さんの歌声と曲を際立たせるようなアレンジがされており、けっして自己主張をしないところも、よい点だと思います。また、spitzのLiveは驚くほどクオリティーが高いです。生のサウンドでの迫力には、驚かされるでしょう。そして、Liveに来た人は、必ずと言ってもいいほど満足する事でしょう。

魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica
8

闇が深い

スロットのまどマギから入って、アニメをすべて一気に見てしまいました。巴マミが序盤に魔女に殺されてしまうのはかなり衝撃的でした。中学生の話なのにかなり闇の深いアニメです。かなり病んでいます。
キャラクターそれぞれに問題があり、葛藤しながらも踠いている姿をみていると心が苦しくなります。それぞれの過去が原因で、それぞれが願い事をして魔法少女になっていきますが、それがキューベイの狙いだったとはまったく分かりませんでした。目的も不明なまま物語が進んでいきますが、後半に進むにつれてほむらとキューベイの関係性や、ほむらのやってきたことの切なさや、まどかを助けようとする健気さがとても切なく、悲しい物語になっていきます。ここまでみているものを暗くさせるアニメも珍しいでしょう。途中暗くなりすぎてどうしようかと思いましたが、謎が多いので最後まで見てしまいました。
とても悲しい終わり方をすると予想していたのですが、あっさり裏切られまどかの優しさに世界が包まれ、ここまで暗かった物語を一気に払拭してすっきりとした気分で終われます。ぜひ一度みてください。

学園ベビーシッターズ / School Babysitters
9

くすっと笑えてほのぼのした温かい漫画

学園ベビーシッターズとある通り、ベビーシッターをする高校生のお話です。
高校生活を面倒見る代わりに、学園内に併設されている託児施設の手伝いをすることになった男の子が主人公です。この施設は学園の先生たちのお子さんを預かっています。主人公は「ベビーシッター部」の部活動として子供たちのお世話を手伝うのです。また、この託児施設で幼い弟を預かってもらうことになります。学園ものですが、恋愛はあまり描かれておりません。
ある日、突然両親を失った高校生の兄と、まだ幼児の弟という、かなりシリアスな状況にも関わらず、周囲のキャラクターが個性的で面白く、主人公の兄弟も温かく優しい子供たちなので重くなりすぎずに読めます。一見個性的で面白いだけの脇役たちも、それぞれの背景や思いがあるところも魅力的です。なによりも、預かっている子どもたち一人一人がとってもかわいいのです。それぞれ小さいながらも、必死に毎日を生きている様もいじらしくかわいいです。
また、1話完結型なので、途中から読んだり、1話だけ読んでもちゃんと着地してくれるので、時間がないけど、かわいい漫画でちょっと泣けたり、笑えたりするものを読みたい方にもお勧めです。

アイカツ! / Aikatsu!
10

女児向けアニメと侮るなかれ

元々はゲームセンターや、オモチャ売り場等にあるカード着せ替えゲームがアニメ化した作品です。私は元々アニメが好きですが、いわゆる”アイドルアニメ”には全く興味がありませんでした。たまたま仕事から帰ってきた時間帯にやっていたアイカツ!は日々の仕事の疲れを癒すアニメにいつのまにかなっていました。

アイドルアニメというと、美少女キャラが可愛い衣装を着て歌って踊る、アイドルオタクのためのアニメと思う方も多いと思います。私もはじめはそう言った印象を持っていました。しかし、アイカツ!というアニメに出てくる女の子たちが他のアイドルアニメと違うとところ、それはとにかく熱血!ということです。
ただ可愛い衣装を着て歌って踊るだけではない。自分には無い何かを求め、マラソンやダンストレーニング、衣装を手に入れるためにいたるところにかけあい、仲間たちと協力しながらステージを作り上げていきます。それが大人の心を打つのは、子供だましではない世界観に他なりません。アイドルがステージを行う裏では様々な職人が携わっていたり、自分の仕事がどういったところへ影響するのか、というところまで書き込まれています。
日々の仕事、生活、家事に疲れた大人にこそ、アイカツ!で戦い、輝く彼女たちの日常はおすすめです。