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6xfallenのレビュー・評価・感想

博士の愛した数式
7

数字で心を通わす博士

この作品はとても心が温かく穏やかになります。
タイトルに数式とありますが、難しいことは全くありません。

あらすじとしては、シングルマザーの家政婦の杏子(深津絵里)が博士(寺尾聰)のもとへ派遣されるのですが、博士は交通事故の影響で記憶が80分しか持たないという事情を抱えていました。
しかも博士は数学のことしか頭になく、人付き合いがうまくできず、これまで何人も家政婦が入れ替わっているという状態でした。

それもそのはずで、杏子が初めて訪問したとき、挨拶をしても返ってこない。
居心地悪そうにしていると博士が唐突に靴のサイズを聞いてきます。
24cmと答えると「24。4の階乗だ。」となんでも数学にしてしまう、かなりの変わり者です。

記憶が80分なので、次の日尋ねると当然杏子のことは誰だかわかりません。
毎回自己紹介して、靴のサイズが24㎝と答えなければなりません。

杏子もこの状況に四苦八苦していましたが、博士の数学の話を興味津々に聞いて懸命に博士のことを理解しようと努めます。
ここのあたりの深津絵里さんの演技はとても愛が感じられます。
後に10歳の息子も博士と時間をともにすることになり、家族のような関係を築いていくというストーリーです。

観た翌日からの人付き合いを変えてみようと思わせてくれる作品です。
いつも杏子のように人の話を聴きたいものです。

アメリカン・サイコ / American Psycho
7

本当の自分とは?

殺人のシーンと名刺対決のシーンばかりが有名で、あまり本質について触れられづらい映画だけど、思ったよりも当時のアメリカの文化人(笑)に対する皮肉が強い映画で面白かった。
最初のシーンで「本当の俺はどこにもいない」と言いながら薄くはったパックをペリペリ剥がしていくシーンや、名刺の自慢大会で大汗をかいたりするところ、女にだけ地獄みたいに高圧的なところが自分への自信のなさと、自分より弱いと思っている女へ攻撃することでバランスを取っている姿が哀れで仕方なかった。
異常なまでの潔癖や、娼婦にエロいことをさせながらポップ音楽の批評をくどくどしたり、気持ち悪すぎたな。
セックスしながら鏡で自分を見ているところがこの映画の全てだな。
ジョジョ4部の吉良吉影はこの映画がモデルなのだろうか。
とにかくこの映画は「飽和しすぎた価値観と物」と、それに左右されているセレブたちを嘲笑っているようで、平たくいえば「スカッとジャパン!」みたいな作品ではある。貧乏な人やマイノリティ側の鬱憤を晴らしている側面と、金持ちだって大変なんですよ!(棒読み)と言った皮肉が詰め込まれているように感じた。
ミステリーでも無ければスプラッターでもない、これはヒューマンドラマなのかもしれない。

ランウェイで笑って / Smile Down the Runway
10

元スタイリストもおすすめ!デザイナー、モデルのリアルな実態

最近、とても気に入ってるアニメ。「ランウェイで笑って」はとてもリアルすぎる世界観。ファッション専門学校で体験を何度かしたファッションショーの裏側。何度も見たファッションショーの表側。そして、スタイリスト時代に経験した撮影現場。モデルのキャスティングの裏側。どれをとってもリアリティあるアニメです。デザイナーがぶつかる壁。モデルの素材として企業から求められること。どれをとっても自分が経験していた時にタイムスリップした感覚になります。
経験した者にしか楽しめないのか?と思うかもしれませんが、ファッションの裏側は知られることが少ないので、何もご存知ない方でも楽しめると思います。知らない事を、知れるって楽しいですよね?ファッションに興味のない方も主人公2人と周りの人達の関わり方や気持ちの変化など楽しめる要素があります。
「ランウェイで笑って」というタイトルですが、ファッション業界に関わったことの無い方やファッションに余り興味の無い方はご存知ないと思うのであまりピンと来ないかも知れません。
それもこのアニメをみて頂けたら分かって貰えます。
何か意味があるの?って思われた方。既に興味が湧いてられます。見て貰えたらと分かって貰えます。
是非、アニメでも単行本でもオススメします。
ファッションショーのことで言えば、アニメの方がより良いです。
これからデザイナーやスタイリスト、カメラマンを目指す学生さんにもおすすめです。