鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist

『鋼の錬金術師』とは、月間少年ガンガンで2001年~2010年まで連載された荒川弘による漫画作品。少年誌にて掲載された作品だが、老若男女問わずに人気を博し、連載終了後も多くのファンに指示されている。
主人公はエドワード・エルリック(15歳)アメストリス人で小柄な長髪の金髪少年。
国家錬金術師の資格を有し、12歳で資格を得たことから天才と称され、右腕・左足の義肢から”鋼の錬金術師”の通り名を持つ。
弟のアルフォンス・エルリック(14歳)は、兄のエルリックとともに、亡くなった母親を人体錬成により生き返らせようとした代償として、肉体のすべてを心理の扉によって奪われる。
兄のエルリックが、その際右腕を対価として、鎧にアルフォンスの精神を定着させる。
以降アルフォンスは年をとることも眠ることもできない鎧の身体となる。
エルリック兄弟が、元の身体に戻る手段を探しもとめ、国家錬金術師の仕事をしながら旅をする物語となっている。
旅をしていく中で、敵であるホムンクルスに遭遇し、アメストリスの建国の歴史や錬金術の成り立ち、アメストリス軍の闇にも迫っていく。壮大な内容かつ、コメディ要素もありながら、戦争や人の欲や人の命の在り方を考えさせられる内容になっている。
累計発行部数は8000万部。アニメ化・映画化もされ2017年に実写映画化もされたシリーズは2022年に完結。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemistのレビュー・評価・感想 (2/2)

レビューを書く
鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
9

面白かった。

2001年8月とかなり前に連載された作品だが、もっと前から読んでいたらよかったと感じるほど、良い内容であった。
ストーリーが丁寧に作られており、キャラクターや世界観が適度に謎めいている、単行本1冊を読み終えたら、すぐに続きを読みたくなるほどはまってしまい、一気に読み終えてしまった。
多くのキャラクターが登場するが味方敵問わず、それぞれに魅力的な部分があるところも引き込まれた。
個人的に、キング・ブラッドレイがかっこいいと感じた。
主人公サイドと敵対しながらも、最期まで一貫性を保っていたため、敵キャラながらも非常に魅力的であった。
また、この漫画を読むと、挫折や価値観の違い、人間の本質など、さまざまな教訓が得られると思う。
総括として、ストーリーや世界観のの作り方、キャラクターの設定がしっかりとしており、途中で中だるみしないため、最後まで楽しめる作品であった。
単行本は27巻まで発売されており、長すぎもせず、短すぎもせず、ちょうど良い長さである。
10年以上前の作品だが、今でも読み続けている人は多いと思う。
余談ではあるが、アニメ版の作画も素晴らしいので、漫画でもアニメでも、一度試しに見てもらってほしいと思う。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
10

鮮やかな伏線回収が魅力

幼い兄弟達が死んでしまった母親を甦らせるべく人体錬成をした結果、兄は腕1本と足1本、弟は身体全てを無くしてしまいました。(兄が弟の魂を鎧に定着させたため、弟は死んだ訳では無いです)。そんな兄弟がお互いの身体を元に戻すために旅に出るお話です。
このお話の1番の魅力は、先の展開が読めない点にあると私は思います。特に、2人が最終的にどのように身体を取り戻すのか、という点においては一読者として「なるほど」と思わされました。
また、漫画の方は30巻、アニメの方は70話弱とボリューミーですが、無駄な話が一切無いという点も魅力の1つではないでしょうか。読み進めていくと、「話を引き伸ばしているのかな?」と思わされる部分も若干ありますが、そんなことはありません。最終回が近づくにつれ、「この話がこう活きるのか!」と伏線回収の鮮やかさに驚くことかと思います。
なお、作者は女性の方ですが男性キャラクターに違和感がない事で有名ですので、読んでいく際にそういった点で引っかかりを感じることが無いという点も、安心して読めるポイントです。(もちろん、女性キャラクターに関しても違和感はありません。女性読者から見て魅力的に感じられる女性キャラクターも沢山います)。
ちなみに、アニメは「鋼の錬金術師」と「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」の2種類がありますが、「鋼の錬金術師」の方は途中から原作と全く話が変わります。ですので、アニメから入る場合には「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」を先に見ることをオススメします。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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体を取り戻す旅に出た錬金術師の兄弟

兄のエドワード・エルリック(以下エド)と弟のアルフォンス・エルリック(以下アル)が禁忌に手を出して、なくなった体を取り戻すために色々な人と出会い、奮闘する話です。私の思う見所は物語最大のテーマ「命」を考えさせられる部分だと思います。エドとアルは、幼い時に亡くなった母に会いたい一心で、錬金術の文献を使った人体錬成をしました。結果は失敗しましたが、それだけでなくエドの片腕たと片足、アルの全身を錬金術に持っていかれます。錬金術の基本は等価交換だったからです。そこから、体を取り戻すのに必要な「賢者の石」を探していると、「賢者の石」は人の命が濃縮されたものだと知ってしまいます。しかも、「賢者の石」の基は罪なき人々で、それを利用して不老不死を得ようとしている一味が国のトップと知ってしまいます。エルリック兄弟は、その思惑を壊すために奮闘する中で命と向き合い、体を戻すために「賢者の石」を使うか葛藤する。そんな部分を一緒に考えながら読んでいくと楽しめる作品です。個人的には、エドの身長に対する思い入れと人間関係の不器用さも見てて面白いと思います。エドは気が短く、身長について言及されると「誰がミジンコマメツブ野郎だ!」と殴ってしまう人です。エドの義足手(オートメイル)の技師ウィンリィに「俺の人生半分やるから、お前の人生半分寄越せ!」と言う場面も好きです。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
8

今も楽しめる「鋼の錬金術師」

「鋼の錬金術師」この名前を聞いたことがないアニメ好きは少ない印象でしたが、連載開始は2001年とアニメとしては一昔前の作品となったハガレン…。
この記事では是非まだご覧になっていない方に、ハガレンの魅力について的を絞っておすすめさせていただきたい…!
今回は
・主な登場人物のご紹介
・大まかな全体の流れ
をご説明しますので、少しでもハガレンに興味を持ってほしいです!

~主な登場人物~
ハガレンは個性豊かなキャラクターが、それはもう多い!
全員紹介していたらただのネタバレなんで、絞って紹介していきます!
まずは主人公「エルリック兄弟」。アルフォンス(弟)とエドワード(兄)の兄弟です。
チビでうるさい兄が「鋼の錬金術師」の異名を持つ(一応)主人公…ですw
お母さんを病気で亡くした二人は、禁忌「人体錬成」を行います。まあ簡単に言うとよみがえらせようとしたんですね。ママを。
それに失敗して代償だけを払うこととなり、兄は足を、弟は全身を失うという悲惨な展開からスタートします。
そこから体を取り戻す旅を始めるのがこの物語の主題ですね。

続いて、ウィンリィ・ロックベル。ヒロインですね。
体の一部をなくした主人公に義手(オートメイルと呼ばれる)を提供している技師。
この金髪ヒロインも後に物語に大きく関与してきます。

そして、おそらくこの方が一番人気?ロイ・マスタング大佐についてのご紹介!
まあ癖強いキャラしてます。かっこよくクールな反面、時に無能で時に無邪気。
それでいて、作中屈指の最強名称「炎の錬金術師」の異名を持つ、なんともバランスの良いキャラクターです。
マスタングの部下たちも活躍するのでぜひ注目してください!

極端に言えば、これらのキャラクターに加えて主人公の師匠や父親、マスタングと同じ軍に所属するキャラクターたちが「ホムンクルス」と呼ばれる人造人間と戦うアニメ…と言えばとても簡単に収まるのですが。
別にレッドリボン軍倒して、セル倒したら平和とか、そんな脳筋アニメではありませんので……。

それまでの様々なドラマ、行き過ぎていなくてかっこいい戦闘シーン、儚く悲しいシーン。
多くの要素をもったとてもバランスのよい作品となっているんです!
是非一度、ご覧になってみてください!

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原作マンガとは全くの別物。原作より暗いストーリーが展開。

原作マンガを読んだ後劇場版ハガレン『シャンバラを征く者』を見たら話の展開が意味不明で、これをきっかけに2003年から2004年にかけて原作とは異なるオリジナルストーリーで放送されたアニメ1期の存在を知りました。全体的に原作より暗いストーリー展開で、闇要素の強い作品だったと思います。特に衝撃的だったのはエドが殺人をしてしまうストーリーです。不可抗力ではありましたが、それでもそのエピソードを境にエドがより深い闇を抱えることとなります。原作では軍部の面々との仲の良いやり取りや助け合いが描かれるなど、全体的にエドとアルが周りの人たちとの関わりの仲で成長していく姿が印象的でしたが、アニメ1期では軍部の面々とのコミカルなやり取りなどはほとんど描かれません。エドとアルは周りの大人たちの助けを得ることがうまくできず、孤立しすべてを自分達だけで背負いどんどん闇を深めてしまっていったように感じました。どうにか周りの大人たちが救いの手を差し伸べてあげられなかったものか……と切ない気持ちになります。ホムンクルスとなった母親をエド自信の手で殺害するシーンは涙が止まりませんでした。登場キャラそれぞれの抱える複雑な心情が交錯し物語が展開していくので、切なさややるせなさを感じ、考えさせられるとても深いアニメになっています。全体的にダークなストーリー展開が好きな方にはぜひぜひ見ることをおすすめします!

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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見たことないなら是非とも見てほしいまんが!

名前を聞いたことが無い、なんてことを言う漫画好きはいないのではないか?と言えるくらい名の知れた名作だと思います。作者は『アルスラーン戦記』や『銀の匙 Silver Spoon』でなどの書いている荒川 弘(あらかわ ひろむ)先生です。
知ってる方も多いと思いますが、『鋼の錬金術師』の最終回を掲載された月刊『少年ガンガン』は、通常より発行部数を増やしていたにも関わらず完売。同じ年に、再度最終回を掲載された物が発売されるなど、ものすごい反響があった作品です。
巻数は27巻ありますが、あっという間に読めてしまうので、巻数を見てちょっと…と思っている方も、絶対読んで欲しい作品です。
この作品ほど色褪せない作品はないんじゃないかなと思います。バトルと錬金術に目が行きがちですが、作品の中には数えきれないくらい、名言や人生において大事なことが描かれているように感じます。
あらすじは、主人公のエドワードとアルフォンスは幼いころに亡くなってしまった母親に会うために錬金術では禁忌とされる人体錬成を行って失敗してしまい、体の一部を失ってしまう。
二人は失った体を取り戻すべく賢者の石を探し旅に出る。といった感じです。
見ていてこれほど完璧な作品はありません。見たことが無い人はぜひ見てみてください!

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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鋼の身体に宿った熱い心と、鋼のように硬い屈強な精神

この作品は、魔法や化学の存在しない『錬金術』の世界で、主人公『エドワード・エルリック』とその弟『アルフォンス・エルリック』が、自分たちの身体を取り戻すために旅をするお話です。
幼き頃、病気で亡くなった母と再び会うため、禁忌とされている人体錬成を行ってしまった二人。
その禁忌の代償として、エドは右手を、アルフォンスは全身を失ってしまうのです。
最初は世界観がよく分からなかったり、ストーリを好きになれずに読み切らずに断念してしまう方も多いと思います。
ただ、もう少し読み進めるだけで、その価値観が変わります。
幼き頃に大きな過ちを犯してしまった2人の兄弟。
その2人の旅の途中で出会う過去の自分たちのような過ちを犯そうとする人たち。
そしてそれを経験したからこそどうしても止めなければいけないと立ち向かう兄弟。
そして、そんな中でも密かに動きだす黒い影。
確かに最初は見どころが少ない作品かもしれません。
ただ、ふたを開ければ超人気作品と謳われるのも納得。
それにこの作品の見どころはバトルアクションシーンだけではなく、ギャグシーンやキャラクター1人1人の心に刺さる名言です。
決して諦める事のない兄弟、そしてその兄弟を慕い共に歩んでくれた仲間たち、そして敵という立場ではありますが、どうしても嫌いになれない強敵。
1人1人に物語があり、読んだ後に決してつまらないとは言わせない作品です。
もう一度言わせてください。
決してつまらないと言わせない作品です。
是非読んでみてください。

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8

セントラルの真実

舞台は国家『アメストリス』。
中央と東西南北に地域が分かれており、主要な機関はセントラル(中央)に集中している。
隣国との紛争や国内の不穏分子と、どこかで絶えず血が流れている。
タイトルにもなっている『錬金術』とは、発展した技術や学問を応用して、物の形を変えたり別の物に作り変える技術。
あらゆる分野に応用され、まるで魔法の様。

主人公の錬金術師『エドワード(エド)』と、鎧の体をしている弟『アルフォンス(アル)』は、錬金術に伝わる幻の『賢者の石』を探す旅をしている。
エドは史上最年少で国家錬金術師の名を手に入れ、『鋼の錬金術師』と謳われた優秀な人材。
その一方で、他の人間から『国の犬』と悪態付かれることも度々あった。

兄弟はかつて『人体錬成』という禁忌を侵してしまった。
代償として一部体を失ったエド。
体のすべてを失い鎧に魂を留めているアル。
一風変わった兄弟たちは、自分たちの体を取り戻すべく、賢者の石をなんとしてでも探す必要があった。

物語が進むにつれ、一体『賢者の石』とはなんなのか、解き明かされていく。
二人は数々の試練を乗り越え、導かれるようにセントラルへと歩を進めるのである。

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ハガレン

エドとアルの兄弟二人が、自分たちの身体を取り戻すための旅から物語がスタートしていきます。兄のエドは右腕と左足が義足、弟のアルは中身のない空っぽの鎧。死んだ母を蘇らせるために、錬金術の禁忌である人体錬成をしたものの失敗に終わり、その代償を受けた(等価交換)のがこの姿です。身体を取り戻すためには人体錬成を成功させる必要があり、“成功するには賢者の石というものが必要だ”という情報を政府の軍からもらい、その石を探すこととなります。しかし、その石の原材料は人間だということを知り、二人は苦悩します。その賢者の石から造られたホムンクルスという生物に会い、その親玉が自分の父親から派生して造られていて、また、父親も賢者の石で造られていることを知ります。さらに、物語の中盤になると、エドたちの国がホムンクルスと軍によって造られていることから、今まで自分たちの味方だと思っていた軍にもホムンクルスの仲間がいることまで突き留めて、人間vsホムンクルスの生き残りをかけた全面戦争が始まります。この作品は兄弟愛、家族愛、仲間、可能性の選択、人間の誰もが持っている醜い感情など、現実では可視できないものが作品の中に上手く具現化されていて、自分にとって本当に大切なものは何なのかを考えさせてくれる内容になっています。また、単行本が27巻までとちょうどよく、終わり方も全部が全部ハッピーエンドではないところに魅力が感じられます。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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とりあえず読んでみてほしい!

《ネタバレあり》
友人に勧められて、「ざっくりどんな話?」と聞いたら錬金術師の兄弟の弟の方が錬金術でヨロイになっちゃって…。
「…ん??何だそれ。くっそつまらなさそう」と、この時点で絶対つまらないマンガだと思いました。
数年後、友人宅で暇すぎて読んでみて驚き!こんな可愛らしい絵からは想像出来ないほど、心がえぐられるマンガでした…
エピソードのひとつですが、自分の奥さんと娘をキメラにしてしまった錬金術師…結局助けられない主人公達。泣けました。
このマンガは全てがハーピーエンドじゃないところが良いんだと思います。絵のタッチは甘いが話は甘くないんです。
でも最後はちゃんとハッピーエンドです。
そしてよく考えられているお話。最初馬鹿にしていたヨロイもちゃんと訳があったんです。馬鹿にしてごめんなさい。

こんなに面白いのに無駄に引っ張らず、27巻で完結という潔さ。長過ぎず短過ぎず本当にちょうどいいんです。長過ぎると読み返すのも大変で、全巻集めるには金額もバカになりません。
短過ぎても物足りなく、さみしい気持ちになってしまいます。
27巻というのは絶妙なんです。読み終わったあとに「すごく良かったなぁ…」と、ただそれだけです。

とりあえず読んでもらえればわかります。あれだけ人気があった理由も。
すっごくオススメです!

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10

見て損はない作品

言わずと知れた名作ですが、実際に見て損はない作品です。
そこそこ長編で登場人物も多いのですが、常にストーリーとキャラクターが明確でわかりやすいです。
まず、主人公が一切ブレません。主人公のエドは自分たちの目的を果たすため旅をしているうちに大きな戦いに巻き込まれていくのですが、その中でも目的は一切揺るぐことがなく、その性格や発言も一切ブレることがありません。そして、どんな修羅場をくぐっても変わらずに強い正義感を持ち続ける子ども、という主人公らしい主人公です。
そして、常に誰が強いのか、誰が敵なのかも明確です。長編になるとどんどん強いキャラクターが出てきて、結局誰が強い人なのか分からなくなりがちですが、ハガレンではそれが一切なく、常に強者は強者、そこそこの者はそこそこの強さであり続けます。
また、敵であるホムンクルスは人間の七つの大罪をテーマに描かれていますが、嫉妬や強欲といったそれぞれの抱える感情からブレることなく突き進んでいきます。ホムンクルスは敵ながらも、誰もが抱える感情がベースなので、どこか憎めなくて主人公とはまた違う魅力があります。
最終決戦は結構な長さがありますが、全ての伏線をきっちり回収し、大団円を迎えます。見終わった後はスッキリとした気持ちになります。

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鋼の錬金術師

科学が進化したこの世界とは別の、”錬金術”が進化した世界の話。
主人公兄弟達は、その世界で天才錬金術師として活躍している。ただ、弟は体を、兄は右手と左足をある理由で失っており、それを取り戻すために世界を旅している、という設定です。
時にコミカルに時にシリアスに話が進みますが、根底にあるテーマは等価交換という錬金術の根底にあるルールからくる命の重さとは?というものです。兄のほうは国家錬金術師という役職についていますが、”錬金術師は大衆のためにあれ”という大前提から外れてしまっている為、特定の人物やその層の人からは国家の犬として蔑まれています。ただ、弟が体すべてを失った理由は自分にあると、兄は考えている為、国に心を売ったと周りに言われようと気にしません。また、その心情を弟もわかっているため、一緒に旅をしています。
旅の道中でホムンクルスという、死なない人間に会います。彼らが自分達の体を取り戻す糸口になるのではと思い後を追いますが、実は彼らはある人によって作られ、ある目的を達成する為にはるか昔から、その国の裏で暗躍しているのでした。その目的を阻止しようと彼らに近づきますが、同時に彼らも主人公、主人公の周りの人たちを利用しようとしているのでした。

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生涯で1番自分でハマった作品

私が小学5年生の時に流行っており、ハマりました。
主人公の兄エドワード・エルリックと弟のアルフォンス・エルリック。
2人の兄弟愛と無垢な母親愛にとても感動したと共に、生き様のカッコ良さに惚れ込みました。
若くしてこの世を去ってしまった母親を何とか取り戻そうと、禁忌とされる人体錬成を行う。
禁忌とされる意味を身を持って知ることとなる2人。
多くを失い、手放した2人が全てを取り戻す為に旅にでる。
旅の為、情報収集の為に最年少で国家錬金術師へ。
そこで与えられた鋼の称号。
資格を得て旅へ出る2人。
立ち寄った町では様々な人々と触れ合い、その中で垣間見る軍絡みの町の問題。
非道な行いにエドワードが解決に動く。
見事解決し、町の復興に貢献する。
その後も勉強の為に訪れた国家錬金術師タッカー宅で触れ合う家族の空気に束の間の心の安らぎを得るものの、国家錬金術師資格を失わない為に成果を残したいタッカー氏が起こした行動。怒りと無力を2人が襲う。そこに現れる国家錬金術師のみを狙う連続殺人鬼。思い知らされる戦闘力の差。
様々な戦闘、新しい敵、軍の本質、本当の敵。
1つ1つの物語が最終的に繋がり合う爽快感、キャラクターの人柄のカッコ良さ、本当に読んで感じて欲しいです。

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ダークファンタジーを読むならハガレン!!

鋼の錬金術師は、主人公エドワード・エルリックと弟のアルフォンス・エルリックが、死んだ母親を生き返らせるために錬金術の禁忌である人体錬成を行って失敗したことから物語が始まるという、かなり重いスタートを切った作品です。
ダークファンタジーということもあり、とにかく「絶望」しかない場面も多々あります。その度に、兄弟2人は何度も悩み、苦しみつつも旅を続けていく…。兄弟での固い絆があるからこそ、物語は絶望から希望へと進んでいくので、読者もハラハラしつつ、つい次、また次と読み進めてしまいます。
物語の前半から伏線があちこちに散りばめられていて、「ここでこれ回収するの!?」という場面や、物語を通して「生きるとは」と考えさせられる場面などが多々あります。
この他、個人的にもう一つ注目してもらいたいのが、敵である「ホムンクルス」の存在。
主人公たちが悩み苦しむ裏で、七つの大罪を名前にもつホムンクルスたちが、主人公たちとは別の点で苦しむ姿も垣間見ることができるため、こちらも注目してもらいたいです。
鋼の錬金術師はストーリー性も申し分なく、キャラクターそれぞれが抱えているものが、物語の魅力を最大限に引き出していると思います。
ダークファンタジーで考えさせられるものが好きな人はぜひ読んでもらいたいです。

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10

ダークファンタジー『鋼の錬金術師』

史上最年少で国家錬金術師となり、鋼の手足を持つことから“鋼の錬金術師”と呼ばれている主人公、エドワード・エルリック。彼は弟のアルフォンスと共に伝説と云われる“賢者の石”を求めて旅をしています。
彼ら兄弟は幼い頃に病で母を亡くし、その母を蘇らせるため禁忌とされている人体錬成を試みます。しかし、錬成は失敗。
エドワードは左足を失い、アルフォンスは身体全てを失ってしまいました。
絶望の淵に落とされるエドワードでしたが、たった一人の弟までをも失いたくない想いから自身の右腕を代価に再び人体錬成を行い、その場にあった大きな鎧に弟の魂を定着させます。
左脚・右腕を失ったエドワードと生身の身体を失ったアルフォンスは、お互いを元の身体に戻すため“賢者の石”と呼ばれる伝説の手掛かりを探して旅に出ます。
旅の途中で様々な事件に巻き込まれながらも、ついに二人は“賢者の石”にまつわる手掛かりを見つけます。ところが兄弟の前に“ホムンクルス”と呼ばれる組織が立ちはだかります。
圧倒的な力を持つ彼らはエドワードとアルフォンスを“人柱”と呼び、あらゆる手を使って“賢者の石”に関する情報を潰していきます。
彼らの目的は一体何なのか。そして“賢者の石”の知られざる真実とは…
ダークファンタジー『鋼の錬金術師』、読めば読むほど続きが気になって仕方なくなる漫画です!

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鋼の錬金術師の魅力

これから紹介する漫画は中世ヨーロッパで魔法と考えられていた「錬金術」がテーマとなった物語で、ワクワクドキドキするファンタジー漫画です。
19世紀の産業革命期のヨーロッパを題材とした舞台で、深い倫理観をテーマとした作品です。錬金術の社会における役割がどのようなものかを考えながらストーリーが組み立てられてます。登場人物が多く、それぞれがユニークで多彩ですが非常に読みやすく書かれています。難しいストーリーと思われるような複雑さがありますが、読み終わったら途端に内容が腑に落ちると思います。
累計売上部数は1億部にも届きそうだったり、2010年の連載終了から数年たっている2020年時点でリバイバル連載されたりなど、世界的にも人気があります。
物語の中で戦争のシーンがとても迫力のある描かれ方をしており、少年誌としてはかなりハイクオリティで内容も濃いものになっています。
何度読み返しても全く飽きがこないので、本当におすすめの作品だと実感しています。
キャラクターの中でも大好きなのがエドことエドワード・エルリック君です。エドは少年漫画のキャラクターには珍ししく天才的です。いつも怒っているのが印象的でそこがたまらなくかっこいいです。そこが魅力の一つでもあります。

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タイトルなし

<全てのキャラの魅力がすごい>
この作品、全ての人物に見せ場があり、物語があります。例えば初めは小汚い悪党だった人物が、あくまで自分のためだといって主人公を助け出すシーンがあります。また、敵であり人外であるはずのホムンクルスにも人間味を感じます。しかもそれでも全く違和感が無いのが驚きです。家族愛、仲間に関するストーリー、名言の数々、心打たれること間違いなしです。

<完璧なストーリー>
多くの漫画は途中で矛盾が生まれてしまったり中だるみがあったりしますが、この漫画はありません。前半で少しずつ配置された伏線が、後半でしっかり回収されます。さらに、バトルマンガだとありがちなありえないほどのパワーアップもありません。しかしテーマはダークファンタジーというだけあって、優しい人物の容赦ない死、残酷な世界、過去、と胸が痛くなるシーンも多いですが、その分感動も大きく、涙なしでは見られないストーリーとなっています。1つの物語として、完璧に完成しているのです。

<あらすじ紹介>
錬金術の禁忌を犯して亡くなった母を取り戻そうと人体錬成を行う主人公のエドワード(兄)とアルフォンス(弟)。しかし出てきたのは母とは程遠い肉塊だった。さらにその代償にエドワードは片足、アルフォンスは全身を奪われてしまう。
「返せよ!たった一人の弟なんだ」といってエドワードは自分の片腕を代償に弟の魂のみを錬成し、鎧に魂を定着させる。
錬金術は物質を理解、分解、再構築する化学なり。
されど万能の技にはあらず。
無から有を生ずること能わず。
何かを得ようと欲すれば、必ず同等の対価を支払うものなり。
これ即ち錬金術の基本、等価交換なり。
錬金術師に禁忌在り。
祖は人体錬成なり。
これ何人も犯すことなかれ。

時は過ぎ、2人は自分たちの体を元に戻すため、旅に出る。しかし錬金術は等価交換で、人体を錬成するとなると、強力な賢者の石がいるという。果たして2人は元の体に戻ることができるのか。
と、魅力ばかりの物語となっています。完結していて見やすいですし、父親の存在、錬金術の心理、ホムンクルス、様々な謎とストーリー、終始飽きずに見られる、中毒的な作品となっています。ぜひご覧ください。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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読者をひきつける鋼の錬金術師の魅力とは!

鋼の錬金術師は、2001年から2010年まで月刊少年ガンガンで連載されていた漫画作品である。著者は荒川弘。主人公エドワードエルリックとその弟のアルフォンスエルリックが、人体錬成という禁忌を侵し、肉体を一部失ってしまう。その肉体を取り戻すため、賢者の石を探す旅に出るというダークファンタジー作品である。

鋼の錬金術師の魅力はたくさんあるが、ここでは3つ紹介させて頂く。

1. 多彩で魅力的なキャラクター達
主人公のエドワード・エルリック、アルフォンス・エルリックを始めとし、性格や思考、価値観、その人の生い立ちなど十人十色なキャラクターが数多く出現する。ホムンクルスといわれる敵の集団においても様々な過去や、そこに至るまでの経緯があるのだ。
この漫画を読めば、読者の考え方に近いキャラクターや、共感できるキャラクターは必ずと言っていいほど出現し、読めば読むほど鋼の錬金術師という漫画に惹き込まれてしまうのである。
またウィンリー・ロックベルやアームストロング少将など、芯が強い女性も多く登場するため、読者に女性ファンが数多くいる要因の一つになっている。

2. 錬金術という魔法のようなわくわく感
錬成陣を用いて、そこに術師がエネルギーを送ることで錬金術が発動する。この錬金術は術師によって様々であり、いわば魔法のようなものである。キャラクターによって、炎を生み出す錬金術・人に変身できる錬金術などがあるため、戦いごとに活躍するキャラクターがいたり、どんな錬金術を使うのか毎回飽きない展開が待っていたりするのだ。
発動するときの錬金術の描写も迫力があり、それを真似する読者も大勢いた。

3. 練り込まれたストーリー
なんといっても緻密なストーリーが多くの読者を惹き込んでいる。伏線が必ず回収され、読者が納得し理解できる形で着地している。
また、そのストーリーの上で重要なキャラクターのセリフがまた魅力的である。辛い環境であっても、努力し前向きに生きようとするキャラクターたちのポジティブなセリフには、読者の背中を押してくれる確かなものがある。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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生き方を考えさせてくれる

ストーリーもしっかりしていて、作品の中で出てきたフラグもしっかりと回収されているため、最後まで読んだ時にモヤモヤとする物がない。
主人公やヒロインが好かれるのは当たり前だが、敵のキャラクターにもそれぞれに個性があって、兄弟の旅路を邪魔する存在ではあるがどこが憎めない。更にはその、敵が死ぬ時には胸が苦しくなる時もある。錬金術というファンタジーな世界ではあるが、内容は人間と人間の話で、主人公の生き方やその周囲の生き方から色々な事を学ぶことが出来る。全27巻の中で主人公も大きく成長し、その成長がストーリーの中でしっかりと描かれている。更には、兄弟の成長だけではなく彼らの家族の絆も描かれていて最後激闘の中に家族の絆を感じる。
2001年に始まった古い作品ではあるが、今の若者が忘れているかもしれない心を教えてくれる作品ではないだろうか。荒川弘先生の作品は全体的に温かい作品が多く、人間について考えさせられる物が多い気がする。全部読み終わった後には少し心が温かくなり、また少し時間が経つともう一度読みたいと思える作品だと思う。また、主人公のここぞという時の一言や敵の最後の一言、仲間の一言読んでいてグッとくる物が多い。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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最高の作品

まず、面白いと思ったのは、魔法のように錬金術を繰り出して、悪と戦う所です。
子供の頃、誰もが魔法など、憧れるのでは無いでしょうか。この作品は様々な能力を持った主人公たちが、技を繰り広げてゆきます。その技1つづつきちんと理に適った理由があります。
例えば、錬成陣が書かれた手袋で、指パッチンをすると、炎が錬成されるというもの。これは手袋が濡れていると、指パッチンの摩擦による火種が生まれないため、炎が錬成されません。0からは何も錬成できないのです。
主人公は母親を錬成しようとして、人間の元素を全て集めます。このように、0からは何も生まれない。等価交換、等このアニメの作者はかなり調べて作品を作ったのだなと感じました。その主人公は、人間を錬成した代償に体の一部を持っていかれてしまいました。兄弟で、行ったのですが、弟は魂のみ残ります。兄は責任を感じ、弟の体を取り戻すために旅に出ます。その旅の中での兄弟愛もかなり感動的です。錬成の部分では、化学の勉強になり、旅の経過では兄弟愛や、出会った人々などの、友情等いろいろな角度から勉強になるアニメだと思います。漫画本もそこまで多くはないので、本気を出せば1日で読み終わるので、オススメです。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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何回でもつい見てしまうダークファンタジーなアニメ

アニメ『鋼の錬金術師FULL METAL ALCHEMIST』をオススメさせていただきます。
この作品のアニメは、原作が終わる前に完結した原作とは設定の違う「鋼の錬金術師」と、原作にそったストーリーの「鋼の錬金術師FULL METAL ALCHEMIST」があります。
どちらも個人的には大好きなのですが、原作にそった方をオススメする理由は、話がわかりやすいからです。
基本的なストーリーは、二人の兄弟エドとアルが錬金術師となり、死んだ母を生き返らせようとした代償に失ったものを取り戻す旅に出るというお話。
その旅の邪魔をするホムンクルスという存在がいるのですが、この設定が前作と原作で違うのです。
前作では、ホムンクルスは人体錬成の失敗作が賢者の石を食べる事で出来上がるものなのですが…
原作では、そもそも人体錬成で出来上がるものはゴミでしかなく、ホムンクルスを自在に作る「おとうさま」なる存在がいるのです。
まず、こうした主要キャラ誕生の設定が違うところがとっつきにくい部分かもしれないのですが、そんな違いのおかげで二度美味しい作品であるとも言えます。
また、錬金術とは例えば木製のテーブルを同じ木製のタンスに変化させたり、木から紙を生み出したり、ただの水を水素と酸素に分けて水素を爆発させたりと、等価交換ではあるものの大変夢のある技術であり、自分でも使えたらなあと、かめはめ波の感覚で手を合わせてしまう事でしょう。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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王道少年漫画のダークファンタジー

アニメ「鋼の錬金術師」には2種類のバージョンある。
1つは原作をかなりアレンジ…というか変えすぎてほぼオリジナル作品レベルの第一期。
もう1つは第一期を受けて作られた原作準拠の第二期。このレビューでは第二期の方をとりあげる。

「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」は、その名の通り、右腕と左足に鋼の義肢「機械鎧(オートメイル)」を装着した国家錬金術師の兄「エドワード・エルリック」と、その弟「アルフォンス・エルリック」の兄弟が、錬金術の力を増幅させるという「賢者の石」を求めて旅をするダーク・ファンタジーだ。

ダーク・ファンタジーとは言うものの、登場人物の精神性はかなり前向きだ。彼らはそれぞれに「罪」を背負っている。
主人公たちは自分の母親を錬成しようとして失敗し、代償に手足や肉体を失った。
ある者は、自分の子供を錬成しようとして、やはり失敗した。
ある者は、過去の戦役で沢山の異民族を殺害した。
ある者は、軍の言われるがまま、非道な人体実験を繰り返した。

彼らには数々の悲劇が襲い掛かり、時には打ちのめされ、絶望に飲み込まれそうになるが、それでも自分たちの「罪」に向き合い、懸命に前を向いて歩く。その前向きさは、王道の少年漫画を彷彿とさせる。

彼らの前向きさに、見ているこちらも救われる気持ちになる。だから私は第二期、ひいては原作の「鋼の錬金術師」が大好きだ。
アニメとしての純粋な出来もかなり良い。作画も全体的に質が高く、5クールという長さながらクオリティを維持し続けているのが素晴らしい。
まだ見たことのない人にはかなりおススメできるアニメだ。