鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist

『鋼の錬金術師』とは、月間少年ガンガンで2001年~2010年まで連載された荒川弘による漫画作品。少年誌にて掲載された作品だが、老若男女問わずに人気を博し、連載終了後も多くのファンに指示されている。
主人公はエドワード・エルリック(15歳)アメストリス人で小柄な長髪の金髪少年。
国家錬金術師の資格を有し、12歳で資格を得たことから天才と称され、右腕・左足の義肢から”鋼の錬金術師”の通り名を持つ。
弟のアルフォンス・エルリック(14歳)は、兄のエルリックとともに、亡くなった母親を人体錬成により生き返らせようとした代償として、肉体のすべてを心理の扉によって奪われる。
兄のエルリックが、その際右腕を対価として、鎧にアルフォンスの精神を定着させる。
以降アルフォンスは年をとることも眠ることもできない鎧の身体となる。
エルリック兄弟が、元の身体に戻る手段を探しもとめ、国家錬金術師の仕事をしながら旅をする物語となっている。
旅をしていく中で、敵であるホムンクルスに遭遇し、アメストリスの建国の歴史や錬金術の成り立ち、アメストリス軍の闇にも迫っていく。壮大な内容かつ、コメディ要素もありながら、戦争や人の欲や人の命の在り方を考えさせられる内容になっている。
累計発行部数は8000万部。アニメ化・映画化もされ2017年に実写映画化もされたシリーズは2022年に完結。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemistのレビュー・評価・感想

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鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
10

漫画「鋼の錬金術師」で笑って泣いて熱くなろう!

漫画「鋼の錬金術師」は荒川弘によって描かれた漫画である。略して「ハガレン」と呼ばれることが多い。舞台は錬金術が存在する架空の世界。主人公はエドワード・エルリックという国家錬金術師の少年である。物語は、エドワードと弟のアルフォンスが国中を旅をしながら各地で起こるトラブルを解決するという形で始まるが、そこに至るまでの経緯が幼い兄弟にはあまりに厳しく残酷である。2人は母親を亡くした悲しみから禁忌とされている人体錬成に手を出してしまうのだ。人体錬成は失敗し、エドワードは右腕と左足を、アルフォンスは身体をすべて失ってしまう。失った身体を取り戻すために2人は旅をしていくのだが、旅の中で2人は様々な経験をしていくこととなる。
多くの人に出会い、悲しく辛い別れを経験し、煮えたぎるほどの怒りにかられることもある。読者は、まるでエドワードになったかのように、彼の気持ちに共感できるだろう。一緒になって笑ったり怒ったり悔しがったりするだろう。ほかの登場人物にも、それぞれ悲しく辛い過去がある。作中には過去の内戦も描かれていて、戦争の悲しさや虚しさ、人の命の価値についても考えさせられるのだ。命というものに正面から向き合っている作品だと感じる。
この作品は、その人気の高さからゲーム、アニメ、実写映画化されているが、やはり原作である漫画は必読である。全27巻と短くはない作品だが、1巻から最終巻まで絵のタッチがほとんど変わらず描き続けられていることもストレスなく読める一因となるだろう。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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ダークファンタジーだけど暗すぎない

『鋼の錬金術師』は自信をもっておすすめできるコミックスです。
母親を蘇らせようとしましたが失敗し、代償として失われた身体を取り戻す物語です。本作品は「ダークファンタジー」として分類されるようですが、暗すぎず、でも読み応えのある作品に感じます。

まず「豊富で魅力的な登場人物」が目を引きます。『鋼の錬金術師』は登場人物が非常に多いのですが、それぞれが個性的です。
凄惨な過去を引きずっていたり、ストーリーの途中で亡くなってしまったり、はたまた信じていたのに実は敵だったキャラもいたりします。しかし、それぞれの生きざまのようなものを感じられ、読むものを飽きさせません。悪者が倒されていくというシナリオは少年漫画によくある展開ですが、味方キャラが死んでしまう描写もあります。そのような容赦のない描写がキャラクターの魅力と儚さを際立たせていると思います。

さらに気になるのが「錬金術というシステム」です。『鋼の錬金術師』の世界における錬金術とは、すでにある物質を変化させる技術です。例えば、義手を武器に変化させたり、空気中の酸素濃度を調整して発火させたりと用途を様々です。その錬金術がバトルや日常に取り入れられており、ほかの漫画ではなかなか見られない設定だと感じます。
また「国家錬金術師」という国に認められた錬金術師がいるのですが、それぞれが得意とする錬金術が異なるため、キャラによって闘い方が違うところも読んでいて楽しい点です。

『鋼の錬金術師』は漫画好きにはハマる作品になっていると思います。ぜひ読んでみてください。

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錬金術の奥深さと人間ドラマの融合

『鋼の錬金術師』は、アニメ化もされた荒川弘による日本のマンガ作品。錬金術という架空の科学を軸に、兄弟の絆、戦争の悲惨さ、政治の腐敗など深いテーマを扱っています。
亡き母を錬金術で蘇らせようとした結果、重い代償を払った主人公のエドワードとアルフォンスの兄弟。その後、失ったものを取り戻すための旅が始まります。

物語は、複雑ながらも巧妙に織り交ぜられたプロット、魅力的なキャラクター、そして哲学的な問いかけが特徴。アクションシーンは迫力があり、感情的なシーンでは深い共感を呼びます。また、錬金術という独特の世界観が、この物語を他にはない特別なものにしています。

エドワードとアルフォンスの旅は、ただの冒険譚に留まらず、彼らが出会う人々、直面する社会的、倫理的な問題が深く掘り下げられています。彼らの成長と変化は読者にも大きな影響を与え、物語に没入させていくのです。また、サブキャラクターたちもそれぞれに背景があり、物語全体の豊かさを増しています。

この作品のもう1つの魅力は、その世界観の緻密さ。錬金術のルールや国家の政治体制など、細部にわたって考え抜かれた設定が、リアリティを生み出しています。また、作品全体を通じて繰り広げられる「等価交換」の法則は、単なるファンタジーの要素に留まらず、人生の哲学をも示唆しています。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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歴史上に残るアニメ

何度目かの再読。本当に最高な作品。
長々と続けるわけでもなく、きれいにまとめて感動のエンディングにしたのは本当に天才的だと思います。
もともとアニメから入りましたがやっぱり原作が最高に面白い。
はじめはエドが自己中でアルが苦労人のように感じていましたが、ストーリーが進むにつれてエドの弟思いな場面が増えとても感動するシーンが多かったです。
人間の狡さや醜さがちゃんと描かれているのできれいごとばかりの作品でなく生々しさがありとても魅力的でした。
ギャグセンスもあり、面白いシーン、感動シーンとWで面白い作品となっています。
一番好きなシーンはヒューズの葬儀の後、マスタングが涙を雨と誤魔化すシーン。これには何度も泣きました。
親しみのあるキャラが亡くなることの多い作品で毎回感動し涙が止まらないです。
最後のホーエンハイムが妻の墓の前で亡くなるシーンは誰もが涙するんじゃないと思うくらい、感動と笑いのある大作だと思います。
この作品は漫画、アニメと楽しむことができる作品になっているとは思います。私もアニメから見始めましたが今はアニメも漫画もどちらも大好きな作品となっています。
しかし実写版映画だけは個人的にはあまり好きではありませんでした。
だいぶ世界観が違ったような気がします。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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『鋼の錬金術師』

『鋼の錬金術師』は荒川弘氏による漫画で、『月刊少年ガンガン』で2001年8月号から2010年7月号まで連載されました。アニメや実写映画も作られており、息の長い人気作と言えるでしょう。錬金術を使うことができる世界が舞台で、主人公の兄弟2人、エドワードとアルフォンスは、人体練成という錬金術師最大の禁忌を犯し、エドワードは右手と左足を、アルフォンスは体そのものを失ってしまいます。彼等が失った体を取り戻そうと旅を続ける中で、国の重大な秘密を知り、いろいろな事情で集まった仲間たちと一緒に敵を倒すために戦うのです。
話の根底を支えるのは「一は全、全は一」という考え方。登場人物たちが容赦なく死んでいく作品も多い中、命の尊さ、そして命のつながりを改めて認識できる作品と言えるでしょう。何せ、主要な登場人物の一人、ロイ・マスタング大佐が部下たちに放つ言葉は「死ぬな」なのですから。
また、重要な役割を果たす「賢者の石」は、人間の魂から作られたものですが、エドやアルは魂だけの存在になってしまった賢者の石に対しても、人として扱おうとします。人の、そして命の尊厳を強く訴えかけていると言えます。もちろん、きれい事では済まされない、非情な論理で話が進むところもあり、そこの部分は、むしろストーリーのリアリティーさを増しています。最後は大団円とはなるのですが、決して手放しのハッピーエンドではないので、とても余韻のある作品です。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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緻密な伏線で構成されたワクワクするダークファンタジー

西洋風の架空の軍事国家「アメストリス」を舞台に、主人公の国家錬金術師エドワード・エルリックと鎧の弟アルフォンス・エルリックが、自らの失った身体を取り戻すために旅を続けるというファンタジー設定のストーリーです。

最初はエルリック兄弟たちが錬金術で身体を取り戻すために必要となる「賢者の石」の情報を求めて旅を続けていく展開ですが、やがて「賢者の石」の秘密が明かされ、軍事国家「アメストリス」の成立や軍部の思惑など大掛かりな物語へと展開していきます。

この漫画の魅力は、緻密な伏線や飽きさせない怒涛の展開が続くストーリーです。
ひとつひとつのエピソードもオリジナリティある展開で楽しむことができますが、第1話の序盤のエピソードからすでに最終章でのストーリー展開へつながる伏線ともなっており、何度でも読み返したくなる緻密な構成となっております。
その一方で臨場感のあるアクションや、錬金術という不思議なファンタジー設定によって常にダイナミックな展開が楽しめるので、何回読んでも飽きない作品です。

また、エドワードと同様に国家錬金術師の資格を持つロイ・マスタング大佐をはじめとした軍部の人間たちや、エルリック兄弟の旅を阻む人造人間(ホムンクルス)、エルリック兄弟同様「賢者の石」を求めて他国よりやってきたリン・ヤオなど個性豊かなキャラクター達のそれぞれのエピソードも楽しむことができます。
ダークファンタジーやアクションが好きな皆様にはぜひぜひおすすめの作品です。

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【不朽の名作】絶対に読んで欲しい漫画!

1度読み始めるとどんどん読み進めたくなります!

「大好きだった亡き母を生き返えらせたい…」という純粋な願いから犯してしまった罪、その代償、命の重さ、何かを得ようとするならそれと同等の代価が必要になる‘’等価交換‘’の法則など、「鋼の錬金術」の世界観に一気に引き込まれます。
バトルシーンも派手で迫力があったり息を呑む緊迫したシーンがあったりと、見ていて全然飽きません!

個性的なキャラクター達も無駄がなく魅力的です。
たくさん惹かれるキャラクターがいますが、特に主人公エドは男女関係なく惚れ込んでしまうでしょう…!
エドのぶっきらぼうだけど本当は優しいところ、自分より弟を優先するところ、知識も戦闘力も最初からレベル100の最強の主人公かと思いきや、悲しみ苦悩する姿もあり人間味が溢れるところ、そこに立ち向かう強さも最高にカッコいいです!!

物語が進むにつれて国や軍が関わってきて壮大なスケールになっていきますが、それがどのように錬金術に絡んでいくか、先が分からない展開と、伏線がひとつひとつ明らかになっていくのはかなり爽快で、読み終えた時のスッキリ感が半端じゃないです。

最終話まで読み終えた時には、もっとエド達と錬金術の世界を見たかったという思いになりますが、これが1番良い綺麗なラストだった、これ以上はないだろうと思う作品です。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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非常に深い内容で面白い作品です。

※ネタバレの内容をかなり含みますので、物語の内容を知らない方は、アニメや漫画を見てからこちらを読んで頂く事をおすすめします。

『鋼の錬金術師』のアニメを視聴した感想は、錬金術の“等価交換”の理論が私たちの日常にも当てはまるので、話の内容が理解、納得しやすいなと感じました。
“等価交換”とは、何かを得るためには、同等の対価が必要という理論です。

例えば錬金術では、ラジオが壊れた時、同じ大きさのラジオしか作れないという事です(リオールでのエピソード)。私たちの日常でも、努力をした量だけ結果が出るという事が、“等価交換”に似ていると思いました。
例えばアルバイトで働いた分だけ時給が貰える。勉強した量によって、資格試験や学科試験の結果が得られるという事です。

また、旧作版のアニメでは、”等価交換”について、努力しても結果が得られない事があるという表現がありました。私たちの現実も、努力しても結果が得られない事があります。
例えば、音楽技術を上げてもバンドとしてメジャーデビュー出来ない。面接で働きたい企業に不採用になる。勉強しても司法試験で不合格になる等です。(分かりやすく極端な例にしました)

私たちの日常では、”等価交換”の様に努力が報われる事もあれば、努力しても結果が得られない事があります。
だからこそ人生に深みが出てくると思いますし、その事を”等価交換”の理論を用いて表現した『鋼の錬金術師』は旧作・新作ともに非常に面白いと思いました。

死者を蘇らせる事は出来ないという事も、現実味があり、深い話であると思いました。旧作版で出てきたスロウス(ジュリエット・ダグラス)は、エルリック兄弟が人体錬成を行い、失敗した物から生まれたホムンクルスです。

私たちの日常にも感じられる”等価交換”の法則を軸にストーリーが考えられており、深く考えさせられる作品で、非常におすすめです。

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何周も読み返しちゃってます!

女性作家ということで、恋愛色が強いのかな〜って先入観を持っていましたが、恋愛色はアクセントで少しあるくらいでした。
物語の内容としては、主人公の兄弟が、過去の過ちで失ったものを取り戻す旅をする中で、色々な人と出会い、感動と挫折を味わいながら成長していく物語です。
主人公たちは「俺Tueee」でも「最強」でもなく、才能はあるけれど常に苦戦を強いられているイメージです。
しかしながら、戦闘シーンは魅力に溢れており、疾走感、爽快感、ハラハラ感が上手く合わさっているため、何度読んでも楽しむことが出来ます。
ストーリーに関して、主人公たちはよくある子供っぽい甘い考えを持っている訳ではないので、大人が読んでもイライラする事は無く、大人でも考えさせられるような深い内容になっています。
特に、登場する大人キャラたちの魅力が強く、序盤から終盤まで、終始大人キャラたちがカッコいいと感じること間違い無しだと思います。
登場人物の中には死んでしまうキャラもいますが、敵も味方もあっさり退場という感じが一切なく、最後まで繋がっているところが感動的です。
伏線も当初から張り巡らされており、間伸びした感じは全くなく、作者は天才かと思うくらい綺麗にまとまって話が完結しています。
読む前は長いと感じるかもしれませんが、読み始めたら最後まで一気に読んでしまうこと間違いなしの傑作なので、未読の方は一度は読むことをオススメします!!

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アニメ第22話の感想

ウィンリィは優秀な機械整備士で、主人公のエドワードとその弟のアルフォンスの幼なじみでした。
ウィンリィは実は8歳の頃に医者である両親をイシュバールの内乱で亡くしています。
つまり、その時は犯人が誰なのかわからないけれど、殺されたという報告が来ていたのです。
それ以来は父方の祖母のピナコが孫のウィンリィを育ててきました。
後になって、エドワードとアルフォンスは、ウィンリイの両親は「傷の男」と呼ばれるスカーに殺されたことを知るのですが、ウィンリィの反応を想像して怖がり、隠しておくのでした。
ですが、エドワードとスカーが話をしている時にウィンリィは聞いてしまうのです。
「ロックベル夫妻を知っているか?」
「テメーを助けて、テメーが殺した夫婦を知っているか?」
そこを通りかかったウィンリィは、初めて自分の実の両親を殺したのは、目の前にいるスカーだと知りました。
ウィンリィは泣きながら、座り込みました。
「父さんと母さんが殺された? 助けた人に?何で父さんと母さんが殺されなきゃいけなかったの?殺されなきゃいけなかったこと、何もしてないよね?」
「返してよ! 父さんと母さんを返して!」
次の瞬間、ウィンリィは涙を流しながら銃をスカーに向けました。
エドワードやアルフォンスの「銃をおろせ」「撃っちゃだめだ」も聞こえていません。
「撃てるなら邪魔だ、立ち去れ!」
スカーがウィンリィを攻撃しようとしましたが、エドワードが守りました。
「おまえの手は人を殺す手じゃない。人を生かす手だ」
そうやってエドワードはウィンリィを説得しました。とても感動できるエピソードです。

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『鋼の錬金術師』(ハガレン)が世界で愛される理由3選

こんにちは。今回は、漫画家の荒川弘先生原作の漫画『鋼の錬金術師』が読んでみたくなる!
そんな漫画レビューを書いていきたいと思います。
アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』完結から、アプリゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』リリースまで、筆者はかれこれ10年以上ずっと、この作品の虜です。
今回はそんな私による所謂“布教”を、この記事の中で行わせて下さい。
もちろん、私と同じように既に『ハガレン』のファンだ、なんて方も大歓迎です。
熱量をもってご紹介するので、きっと頷きながら共感して、そしてきっと作品を読み返したくなるはず。
前置きが長くなりましたが、早速具体的なレビューに行ってみましょう。
魅力その1 “無駄のない構成”
原作の荒川先生は、漫画を制作する際にまずネーム(漫画のコマ割りや、キャラクターの配置などを大まかに決める作業)からではなく、アニメ制作のように絵コンテ(映像作品を制作する際に、キャラクターなどの配置や動き、カメラの位置などを絵にかいたもの)の制作から始めるんだとか。
それによって、必要な要素が取捨選択されたものが、最終的に作品として昇華されています。
個人的にこれが「ハガレン」最大の魅力のひとつであるとも思うのですが、このおかげでとにかく「わかりやすい」。
ダークで複雑な世界観だけど、全部スッと頭に入ってくる。
言語や文化の垣根を越えて人気な理由が、このあたりにあるのではないでしょうか。
魅力その2 “かっこよすぎる主人公像”
「ハガレン」の主人公、エドワード・エルリックの主人公像も魅力の一つです。
物語のはじめ、エドワードはある出来事をきっかけに右手と左足、そして弟のアルフォンスは肉体すべてをある場所に「持っていかれ」てしまいます。
それを取り戻すための旅路の中で、兄弟は多くの人々で出会い、助力を受けたり、時には戦闘に発展したり。
その中で、何度か「元の体に戻る」ための直接的な提案を投げかけられることも。
しかし主人公エドワードは尽くこれらを拒否。「自分たちの行ったことは自分たちの力で決着をつける」のだ、というスタンスで旅を続行します。
ただエドワードはその中にも、「でもありがとう」なんて感謝の言葉を忘れません。
これは最終巻の荒川先生のコメントとして書かれていたものなのですが、「ハガレンの登場人物のセリフには極力“挨拶”の言葉を入れるように意識した」のだそうです。
そんな荒川先生の誠実な人間性が、エドワードの言動に反映されているのでしょうね。
人の善意にきちんと感謝して、自分が納得いく道を探し続ける姿がとにかくかっこいい。
そのまっすぐな姿勢は国籍や性別、年齢の壁を越えて人々を魅了しています。
魅力その3 “これ以上ないほど綺麗に「完結」する”
巷には星の数ほどのコンテンツがありますね。
漫画、アニメ、映画に小説…人気が出るとシリーズ化したり、はたまた蛇足では?とも思えるような続編の制作が行われて、原作ファンが「そうじゃない!」なんて嘆く…そんな構図もよく見かけます。
そんな中でも『ハガレン』は、この上無く綺麗に、完膚なき「完結」に辿り着いた作品の一つであると、筆者は考えます。
作品内の伏線や謎、登場する全てのキャラクターの葛藤、etc…『ハガレン』において、その全てが「完璧に描写され切る」のです。
これも、『ハガレン』の特徴、あるいは人気の理由のひとつだと筆者は考えます。
もう、とにかく気持ちがいい。この作品を読み切った時の、物語を追い終えた時のあの爽快感を、少なくとも筆者は、他の作品で味わうことが出来ていません。
勉強不足ももちろんあるのでしょうが、それでも本当に、『ハガレン』の完結の仕方は他の作品に追随を許さない完璧さがあります。
どうかこのレビューを読んで下さった貴方が、そんな素敵な完結を見届けて下さることを、筆者は切に願ってみます。
長くなってしまいました。これでも伝えたいことを出来る限り削ってみたのですが、いけませんね。
正直、『ハガレン』の魅力をひとつの記事の中で紹介しきるのは本当に難しい。
それでも、今回私のまとめた魅力3選、
1.無駄のない構成
2.かっこよすぎる主人公像
3.完膚なきまでに綺麗な「完結」
この3つを、どうか貴方の目で確かめてほしい。切にそう思います。
面白い漫画を探している、感動したい、現実は退屈で、久しぶりになにか胸や目頭が熱くなる体験がしたい。
そんな方に全力でおすすめしたい漫画が、荒川弘先生の『鋼の錬金術師』です。
ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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あまりにリアルで生々しい

この作品は鮮やかな伏線回収やシリアスとギャグのバランスも評価されていますが、なんといっても生々しいまでの人間味が魅力です。
まだあどけない少年たちは「命とは、人間とは」というような重い課題を目の前に容赦なく突きつけられ、成長せざるを得ない状況でしぶとくひたむきに成長していきます。
その伝え方が丁寧で思わずのめり込んでしまいました。
「大切なものを守る」
「心の強さ」
「優しさ」
という頻出ワードをもう一歩踏み込んで、「それってつまりどういうこと?」まで深掘りしていくような作品で、読者も知らぬ間に一緒に掘ってしまっています。

主人公の兄弟を取り巻く錬金術師達も一本筋の通った気持ちいい大人が多く、実力はありながらも人間として未熟な兄弟を諭し、導きます。
反抗して素直に落ち込んで受け入れていく兄弟達は良くも悪くも少年らしくて愛らしくもあります。
こう書くとかなり深くて重い作品なのかと思うかもしれませんが、構成がうまいので重苦しくならずに読めます。大丈夫です。

初めて読んだ時は主人公達を応援する立場でしたが、大人になってから読むと周りの大人達の行動の意味を理解することができて共感が止まりません。
是非何度も読み返して頂きたいです。

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第1話から最終話まで飽きないアニメ

見始めて最初に思うであろうことは、「そっちが兄なのか!」
鋼の錬金術師というタイトルから想像すると全身鎧姿のほうが兄のように感じますが、実は全く逆。身長が低く、片手片足が義手義足のエドワード・エルリックが兄。身長が高く、全身鎧のアルフォンス・エルリックが弟。2人の錬金術師の兄弟が主人公の物語。
アニメはパート1〜5まであり、それぞれのパートが12話ほどあり、全65話。65話と聞くと見る気が起きにくいですが、見始めると一変。ストーリーに引き込まれ、気づいたら2、3話と何話も続けて見てしまいます。
鋼の錬金術師の面白いところは、共闘する戦いがメインのところ。バトルアニメによくある主人公が修行をして強くなるというような描写はあまりありません。登場してくる敵に圧勝するどころか大敗してしまうシーンも多々あります。その分、周りの仲間やかつての敵と力を合わせて強敵と戦っていきます。主人公が強すぎず、弱い部分をさらけ出すからこそのバトルの面白さがあります。
序盤からド派手な伏線があり、後半を見るのが不安になる部分がありますが、その伏線は後半に向けて徐々に回収されていくので、最後まで飽きずに見ることができるので安心です。なぜこの2人の兄弟は変わった姿をしているのか?鋼の錬金術師というタイトルが表すものとは?単純にストーリーを楽しむだけでなく、人について深く考えさせられるアニメです。

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禁忌を犯し身体が鋼になってしまった兄弟が、元の身体に戻るため旅に出る物語。無駄なエピソードが一切ない素晴らしい作品!

錬金術師としての禁忌を犯し、鋼の身体となってしまったエルリック兄弟。元の身体を取り戻すため国家錬金術師となった兄エドワードと鎧の身体のアルフォンスは、なんでも錬成できるという「賢者の石」を探して旅に出るが、その賢者の石は大量の人間の命を使って作られたものだった。
身体を取り戻す唯一の希望だった「賢者の石」が一気に絶望へと変わり、さらにはその裏に潜む陰謀が兄弟の前に立ちふさがる。賢者の石で作られた人ならざる者「ホムンクルス」と国の未来を守る者たちの闘いが全64話にわたって描かれています。
散りばめられた伏線の回収、個性的なキャラ、物語の終着点、どれも素晴らしい作品です。敵であるホムンクルスにも個性があり、どこか嫌いになれないカッコ良さすら感じられます。
辛いシーンもありますが、それも物語やエドワード兄弟の強さには欠かせないものであり、無駄な死が一切ありません。暗い雰囲気漂う物語ですが、時にコミカルで笑いもあるのでずっと見ていても飽きません。
最後にはそれぞれが目標を達成し終えた後のことも描かれていて、「あの人はどうなったの?」がない最終回となっています。2人が身体を取り戻す方法も最後にしか分からないというのもこの作品を最後まで楽しめる魅力の一つです。

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なぜ漫画「鋼の錬金術師」は名作として知られているのか

皆さん、一度は「鋼の錬金術師」というタイトルの漫画・アニメを聞いたことがあるのではないでしょうか?
「鋼の錬金術師」に興味はあるけれどどんな内容なんだろう?名作といわれているけれど読んだ人はどのようにかんじているのだろう?など読みたい・見たいと思いながら一歩踏み出せない人ではないでしょうか?
そんなあなたに私が超おすすめする「鋼の錬金術師」の良いところを余すことなくお伝えしていきます。
主人公のエドワードエルリック(以下エド)は弟、アルフォンスエルリック(以下アル)と協力し病気で亡くなった母親を生き返らせる為、人体錬成を試みます。しかし、人体錬成は錬金術師にとって禁忌。蘇った母親は人ではありませんでした。
母親を二度失う体験をした最中、人体錬成の代償として兄エドは左脚を、弟アルは全身を持っていかれます。その渦中で全身を持っていかれた弟アルの為、エドは自身の右腕と引き換えに鎧に弟の魂を定着させます。
錬金術師の基本原則は「等価交換」。何かの犠牲無しに何も得ることは出来ない。無くなった左脚と右腕、体全体を取り戻す旅へ少年二人は旅に出ます。果たして二人は元の体を取り戻すことができるのでしょうか?また錬金術の真理に辿り着くことは出来るのでしょうか?
こんな感じのお話です。笑いあり、涙あり、得られるものの多い人生のバイブルになり得る最高の作品ですよ。
私自身、正直絵が好みでは無く敬遠しておりましたが、実際に漫画を読んでみるとどハマりしました。是非手に取ってみてください。1巻から最終巻まで引き込まれっぱなしですよ!!
正直アニメの制作当時のクオリティではこの世界観を表現できていないように感じます。よって脳内補完できる漫画がおすすめです。アニメの良さはなんといってもOP・EDの楽曲!!センス良すぎるでしょ!と言わざるを得ない豪華ラインナップ!!
アニメを見るときはOP・EDは飛ばさずに見てくださいね。

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ウィンリイ・ロックベルについて

ウィンリイ・ロックベルとは、エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリックの幼馴染となる女性です。彼女は、エルリック兄弟と同じ町に住んでいて、エドとは同い年でアルトとは、一歳差であり二人にとっても家族のような存在となっています。
オートメイルの技師として自宅で働いており、作品の中ではエドの腕と足を点検、整備することが多くあります。見た目はとても美人なのですが、オートメイルをエドが壊すと、オートメイル好きのウィンリイが怒りだし、スパナやパイプ椅子などを持ってエドに襲い掛かってくるという少し強い一面もあります。これには理由があり、エドがオートメイルを壊した時にしか故郷に戻ってこないことから、エドが戻ってくると整備道具を投げつけたりします。
しかし、整備の際に一度エドの腕のネジを一本締め忘れていたこともあり、少し天然なところもあります。仕事に関しては、とても真面目で熱心に取り組んでいるため思わずキュンとしてしまいます。
そんな少し野生的な印象を与えてしまうウィンリイですが、礼儀正しい一面もありエルリック兄弟の他に、軍人にも偏見の目を持たずに分け隔てなく接してくれます。裏表がない明るい女性であるため、いろんな人から絶大な信頼を得ているキャラクターです。実際にこのような女性がいたら、思わず好きになってしまいますね。

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エドワード・エルリックについて

エドワード・エルリックとは、この作品の主人公である男性です。右腕と左足がオートメイルになっており、この失われた身体をもとに取り戻すために使用する「賢者の石」を探すために弟のアルフォンス・エルリックと旅に出ることになりました。
エドは、国家錬金術師の資格を最年少で取得しており、錬金術を使う時は掌を合わせるだけで使うことができます。一般的な錬金術師は錬金術のマークを描かなければ錬金術を使うことができないため、とても優秀な人だということがわかりますね。
性格は、人の意見に流されない性格です。そしてとても正義感が強く錬金術があればどんなこともすべて解決することができると考えています。少し強引な部分もありますが、仲間思いな一面もあるためそのギャップに多くのファンから支持されています。
小柄な体型なこともあり、「チビ」や「小さい」という単語を聞くことで怒り出してしまうという可愛らしいエピソードもあります。身長に関しては触れない方がいい人なのだということがわかります。
小柄な体型ながらも、身体能力は非常に高く素早い動きをとることができます。敵と戦う時にはこの素早さと錬金術を活かしながら戦うため、迫力あるシーンがとても多く見応えがあります。

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完成されたダークファンタジー「鋼の錬金術師(アニメ第1期)」深く考察しながら物語にひたりたい人におすすめ!

私がおすすめするのは鋼の錬金術師のアニメの第1期で、2003年から2004年まで地上波で放映されていました。また、続編として「劇場版鋼の錬金術師シャンバラを征く者」があります。
「鋼の錬金術師」は、アニメ化、実写化もされた「銀の匙 Silver Spoon」の作者荒川弘の初連載作品です。
科学技術として錬金術が発展している世界で、主人公のエドワード・エルリックとその弟のアルフォンスは錬金術び禁忌とされている錬成を行ってしまいます。その禁忌の錬成とは死んでしまった人間を生き返らせるという人体錬成のこと、二人の願いは母親を生き返らせ、もう一度笑いかけてほしいというものでした。
この錬成の代償としてエドワードは右腕と左足、アルフォンスは全身を失いますが錬成は失敗。
「死んだ人間は生き返らせられない。でも、生きているなら取り戻せるはず…」
たった2人の兄弟は、失った肉体を取り戻すため旅を始めるというのがあらすじです。
当時連載中だった本編にアニメが追いついたため、途中からアニメオリジナル展開になりますが、このオリジナル展開が素晴らしいです。
ハッピーエンドとは言えませんが、重厚なBGMに繊細な映像、声優さんの演技が相まって、緻密に作り上げられたダークファンタジーになっています。
深く考察しながら物語を楽しみたい方におすすめです。
兄弟愛と戦争や人間を錬金術で作り出す禁忌の人体錬成を絡めて、生命について考えさせられるような作品。ぜひ一度見てください。

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個性的なキャラクターたちが織りなす重厚な群像劇

強気で直情型な兄エドワード・エルリック、弱気で控え目な性格(でも訳あって体はデカい鎧すがた)の弟アルフォンス・エルリックの二人が、賢者の石を探す旅の中、様々な出会いや経験を通じて成長していく姿を描いたファンタジー作品。
本作ハガレンの魅力は、なんと言っても出てくるキャラクターがみんな個性的で魅力的!という点です。主人公2人の幼馴染のウィンリイ・ロックベル、ロイ・マスタング大佐をはじめとするアメストリス軍の仲間たち、旅の途中でエルリック兄弟の前に立ちはだかるスカーという男やホムンクルスの面々など敵キャラも含めて、どれも個性的なキャラクターばかりです。
各キャラクターがそれぞれの背景を持っており、様々な事情を抱えながら自身の目的のために行動していきます。それらが交差しながら群像劇のように物語が展開していくという、ストーリーの重厚さも圧巻です。
さらに戦闘シーンも魅力的!
主人公2人も持っている「錬金術」という特殊能力を駆使した戦闘シーンが描かれ、少年の心をくすぶるような様々な能力を持った者同士の戦闘が繰り広げられます。しかし、特殊能力を持っていても肉体は生身の人間(一部例外はいますが…)。そのため戦闘シーンの中にもリアリティを感じられる部分があり、つい引き込まれて読んでしまいます。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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現実味がある「錬金術」の世界観にとても惹かれます。

「錬金術」という名前自体は聞いたことのある人もいるかと思います。他物質から金を錬成することを指します。この「鋼の錬金術師」では、人間の定義や等価交換の概念を題材としていて、得るということは失うこと、逆もしかりということをとても実感した作品です。内容はやや難しめですが王道のダークファンタジーとなっているため、それ系統の物語がお好きな方は楽しめると思います。また、兄弟の絆、国家、SF要素のある個性など入り込む要素は満載で、私も展開に夢中になったりしました。
さて、「鋼の錬金術師」についてなのですが、舞台は欧州の産業革命期(富裕層と貧困層の格差が大きい時期)としており、田舎育ちの兄エドワード・エルリック(エド)とその弟アルフォンス・エルリック(アル)が、禁忌である「人を作る」ということを行い、その代償として体の一部を「真理」に持っていかれてしまう。その代償を取り戻す旅に出るファンタジー物語となっています。その中で国の実態を目の当たりにするエルリック兄弟、その国の野望を暴きそこにある真実を解明するべく、血を流し仲間とともに進んで行く姿にとても感動しました。
物語の詳細は実際に読んでいただきたいと思います。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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原作のダークさがしっかりと出ているアニメ

原作リアタイ勢で、アニメも毎週とても楽しみにしておりました。
連載当時からただならぬダークな雰囲気と、主人公・エドワードの見た目のかっこよさはもちろん、鎧の体となった弟・アルフォンスを人間に戻すという壮大な兄弟愛に心を奪われ、気付けば常に「ハガレン」のことを考えていた時期がありました。そのくらい、人の心に残るキャラクター達とストーリーです。
錬金術で母親を蘇らせようとしたエドワード兄弟が、その際に失ったエドワードの右腕と左足、さらにアルフォンスの体全てを取り戻すために旅をし、悪と戦うという土曜日の夕方6時に放送するには重すぎるダークなストーリーなのです。これが大変に熱く、声優の配役もピッタリな上に、作画クオリティも高い作品でまさに「週に一度のご褒美」的存在でした。
アニメは原作連載中に始まったため、後半からはアニメオリジナル展開となって最終回へと着地しましたが、正直ハガレンファンとしては悲しすぎるアニオリだったかなと思います。原作者の荒川弘先生も、とあるキャラクターの大幅な改変には大変お怒りだったそうです。何があったのかに関しましては…是非、本編をご覧下さい。
この作品の直接の続編として制作されたアニメ映画「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」も必見です!

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錬金術師の兄弟の話

幼くして亡くした母親を生き返らせるため、兄弟は錬金術を独学で学び、人体練成という禁忌を犯した。
その結果、弟は体そのものを失い、兄は命からがら弟の魂を鎧に練成し、兄は最終的に片腕と片足を失った。
その後、まだ幼い兄弟が元の体を取り戻すべく、世界を旅する物語。
冒頭から絶望的な状況で物語が始まり、引き込まれてしまう。
その絶望の中でも、兄弟が前向きに進み続ける姿が印象的。
旅の途中で出会う錬金術師の中で、真理を求めるあまり、自分の研究を優先して、妻や娘を錬金術でキメラにしてしまうシーンは特にゾッっとしました。
人間の欲望や闇に触れるシーンも鮮明に描かれており、登場する大人が、主人公である子供に諭されるシーンなど、見ていて深く考えさせられる物語です。
登場する仲間達も、それぞれの意志や考え方の違いが明確にわかるようになっているので、非常に魅力的です。
敵役として登場する人物も、完全な悪役とは言えず、それぞれの信念を持って行動しているのがわかりやすく描かれています。
だから敵役の登場人物も非常に魅力的でした。
戦闘シーンもスピード感があり、見ていて飽きません。錬金術での攻撃もかっこいいです。
最終的には目的を遂げ、新たな旅に出ます。最後まで前を向いて歩み続ける兄弟が最高でした。
物語の始まり方、魅力的な登場人物、戦闘シーン、各章での深いテーマ、どれをとっても秀逸といわざるを得ません。
是非、おすすめしたい作品です。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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面白かった。

2001年8月とかなり前に連載された作品だが、もっと前から読んでいたらよかったと感じるほど、良い内容であった。
ストーリーが丁寧に作られており、キャラクターや世界観が適度に謎めいている、単行本1冊を読み終えたら、すぐに続きを読みたくなるほどはまってしまい、一気に読み終えてしまった。
多くのキャラクターが登場するが味方敵問わず、それぞれに魅力的な部分があるところも引き込まれた。
個人的に、キング・ブラッドレイがかっこいいと感じた。
主人公サイドと敵対しながらも、最期まで一貫性を保っていたため、敵キャラながらも非常に魅力的であった。
また、この漫画を読むと、挫折や価値観の違い、人間の本質など、さまざまな教訓が得られると思う。
総括として、ストーリーや世界観のの作り方、キャラクターの設定がしっかりとしており、途中で中だるみしないため、最後まで楽しめる作品であった。
単行本は27巻まで発売されており、長すぎもせず、短すぎもせず、ちょうど良い長さである。
10年以上前の作品だが、今でも読み続けている人は多いと思う。
余談ではあるが、アニメ版の作画も素晴らしいので、漫画でもアニメでも、一度試しに見てもらってほしいと思う。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
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鮮やかな伏線回収が魅力

幼い兄弟達が死んでしまった母親を甦らせるべく人体錬成をした結果、兄は腕1本と足1本、弟は身体全てを無くしてしまいました。(兄が弟の魂を鎧に定着させたため、弟は死んだ訳では無いです)。そんな兄弟がお互いの身体を元に戻すために旅に出るお話です。
このお話の1番の魅力は、先の展開が読めない点にあると私は思います。特に、2人が最終的にどのように身体を取り戻すのか、という点においては一読者として「なるほど」と思わされました。
また、漫画の方は30巻、アニメの方は70話弱とボリューミーですが、無駄な話が一切無いという点も魅力の1つではないでしょうか。読み進めていくと、「話を引き伸ばしているのかな?」と思わされる部分も若干ありますが、そんなことはありません。最終回が近づくにつれ、「この話がこう活きるのか!」と伏線回収の鮮やかさに驚くことかと思います。
なお、作者は女性の方ですが男性キャラクターに違和感がない事で有名ですので、読んでいく際にそういった点で引っかかりを感じることが無いという点も、安心して読めるポイントです。(もちろん、女性キャラクターに関しても違和感はありません。女性読者から見て魅力的に感じられる女性キャラクターも沢山います)。
ちなみに、アニメは「鋼の錬金術師」と「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」の2種類がありますが、「鋼の錬金術師」の方は途中から原作と全く話が変わります。ですので、アニメから入る場合には「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」を先に見ることをオススメします。