宇宙兄弟 / Space Brothers

『宇宙兄弟』とは、2008年1号から『モーニング』(講談社)で連載された、小山宙哉によるストーリー漫画である。コミックスは41巻刊行され、2020年12月時点で累計発行部数は2,500万部を超えた。物語は宇宙飛行士を目指す兄の南波六太(なんばろくた)と、その弟の宇宙飛行士南波日々人(なんばひびと)の兄弟愛と、直面した様々な問題に奮闘する姿が描かれている。2009年に「このマンガがすごい2009」のオトコ編で第2位、「第34回講談社漫画賞」で次点、「マンガ大賞」で2009年、2010年と2年連続で第2位を受賞した。この時コミックスの帯には2位獲得回数第1位と印字し出版した。その後2011年に「第56回小学館漫画賞」の一般部門、「第35回講談社漫画賞」の一般部門を受賞した。2012年4月から2014年3月までテレビアニメが放送され、六太の声を平田広明、日々人の声をKENNが担当した。2014年8月9日にはアニメ映画が公開され映画観客動員ランキング初日登場第8位を記録し、ぴあ初日満足度ランキングで第2位となった。実写映画は2012年5月5日に公開され、六太役を小栗旬、日々人役を岡田将生が演じた。この映画にはイギリスのロックバンド・コールドプレイが、日本映画史上初めて楽曲提供をした。また映画観客動員ランキング初登場第2位、ぴあ初日満足度ランキング第1位を獲得した。

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宇宙兄弟 / Space Brothers
10

漢なら絶対にアツくなれる漫画

主人公の南波 六太(なんば むった)が宇宙飛行士を目指す物語です。作者の小山宙哉さんは、この作品を作るにあたって、宇宙飛行士に関する様々な調査を行っているため、かなり宇宙飛行士について深堀りされた作品となっております。例えば、宇宙飛行士になるための試験や訓練などは実際のそれに沿ったものとなっており、高いリアリティを有しています。また、この作品の良さは上記のような背景や設定だけには留まりません。
私がこの作品に強く惹かれた理由は、各キャラクターが本当に生きているのではないかと錯覚するほどの情緒の表現力の高さにあります。この作品は、主人公のみならず、全ての主要キャラクターにフォーカスされる瞬間があり、その度に「ああ、あの行動はこういった背景があったからこそだったのか」と納得することができ、どのキャラクターに対しても好意的な感情を抱くことができます。また、全ての主要キャラクターには、それぞれの正義や信念があり、その感情から生じるそれぞれの言動には強く心を揺さぶられます。私もその言葉・行動に幾度となく涙しました。様々な漫画を読む中で、涙する機会は多々ありましたが、何度読んでも涙することができる作品は多くなく、その中でも涙するポイントの多さは『宇宙兄弟』がピカイチです。アクション漫画の持つアツさとはまた異なるアツさを持つ作品が『宇宙兄弟』です。もしこのレビューを読んで興味を持った方がいらっしゃったら、是非一度お読み下さい。