ヴァイオレット・エヴァーガーデン / Violet Evergarden

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは、2015年から刊行された暁佳奈原作の小説である。2018年に京都アニメーション制作でアニメ化、2019年・2020年に映画化された。原作小説は、京都アニメーション大賞初の大賞受賞作品である。
代筆業を生業とする「自動手記人形」である主人公が、依頼を通じて失った感情を取り戻しながら、大切な人から告げられた言葉の意味を探していく物語。
アニメ化・映画化の際はアニメオリジナルキャラクターやストーリーが多数採用されている。
2020年の劇場版は京都アニメーション放火殺人事件とコロナ禍の影響で2度の延期となるも無事公開され、興行収入は21億3000万円。
「京アニクオリティ」と称される程の映像美にファンも多く、英語・スペイン語・フランス語・ブラジルポルトガル語でも吹替翻訳されている。

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン / Violet Evergarden
9

言葉を伝える

時代が流れ年月が経ち、手段は変わりつつも、誰かに気持ちを伝えたい・届けたいという思いは絶対に変わらない。心を込め思いをのせた言葉は、手紙であれ電話であれ気持ちを届けるという点では同じだと、この映画を観て殊更強く感じる。手紙は形として残すことも出来るがすぐ伝えられない・電話は相手にすぐ伝えることは出来るがその時は交わした言葉は形にはならないから、どちらも良し悪しはあるだろう。映画の中では、まさに人々の生活の中で使われる手段が紙という媒体から電気信号へと時代が変わりつつある中で、その2つのモノがどのように人々と関わっていくのかが描かれていて、今の時代を彷彿させるかのような内容でした。かつて届いたいくつもの手紙が残された家族の絆を繋ぐきっかけを作ったり、もう傍にいることが出来ない友に大切な言葉を交わし友情を繋いでくれだ電話。手紙も電話も生まれたきっかけは同じなんだ、と。便利さを追求したこともあるだろうけど、根本的なところは今この瞬間に感じた思いや言葉を届けることなんだ、と。
今は気軽に使える電子機器があり、色とりどりの種類豊富な手紙の用紙もたくさんある。身近いる家族や友人に、いつもより少し考えて言葉を送ってみようかと思わせてくれた映画です。