火の鳥 / Phoenix

『火の鳥』とは、手塚治の代表作でライフワークとしていた作品。漫画家となった初期から晩年に至るまで描きつづけた長編大作。いくつものストーリーに別れているがテーマは一貫して「生と死」。また、他にも「輪廻転生」「愛」「人間の業」といった哲学的なテーマを投げかけている。
ストーリーは邪馬台国の時代の「黎明編」から西暦3404年といった「未来編」までを時系列順ではなく過去・未来・過去・未来と交互に描かれ現代に近づいていく形で発表された。しかし作者が亡くなり現代編が描かれることはなかった。その羽で撫でればどんな病や怪我も治しその血を飲めば不老不死になれるとゆう火の鳥をめぐって人々の権力争いや宗教戦争、宇宙がテーマのSF、時代劇、その世界観の中での友情や愛憎劇が描かれている。
また輪廻転生もテーマとして取り扱っていることからほとんどの作品で鼻の大きな「猿田」と名のつく人物が登場して物語に深く関わっている。時系列順に読む必要はなく気になったストーリーから読んでも問題なく楽しめる。子供向けに歴史や外国の勉強のためにもなるし、大人向けには生きることを考える指標ともなる。
たくさんの漫画家に影響を与え数多くのアニメ化やラジオドラマ化が行われた。

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火の鳥 / Phoenix
8

漫画『火の鳥』

『火の鳥』は今は亡き、手塚治虫先生が描いた代表的な漫画でいくつかの話に分かれている。
未来編や鳳凰編や生命編などがある。それらの話では火の鳥の血を飲めば不老不死を得られるということで、たくさんの人間が火の鳥の捕獲を試みるが、どうしても捕まえられない。
人間模様や、過去、現在、未来が描かれて2020現代を予想した手塚治虫先生のメッセージは、現実となっている。テロや戦争、人間愛、病気、社会問題、テクノロジーの発達をテーマにした哲学といえるストーリーで、オススメできる漫画である。
アニメ化もされたが、原作の漫画のほうが面白かった。
手塚治虫先生は火の鳥を通じて現代の人々に向けたメッセージを投げかけている。皮肉といえるメッセージに思える。コロナウイルス問題も東日本大震災による原発問題も火の鳥で似たようなシチュエーションで既に描かれているから驚きだ。普遍的なテーマの漫画である。
未来人は老いを恐れて死を恐れて、火の鳥の血を求めて争っている。
まだ知らない人はぜひお読みになることをオススメしたい。漫画の神様の作品を読む必要がある。良い勉強にもなるし、壮大な物語に感動するに違いない。
自分のとても好きな話は、人間の祖先がロボットだったという話だ。復活編である。