からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri

からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

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からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri
10

笑顔の大切さを知るマンガ

謎のスーツの男に追われる小学5年生の才賀勝。
なぜかわからないが、スーツの男たちに命を狙われて逃げている。捕まってしまうと思った時に助けてくれたのは、くまの着ぐるみを着て風船を配っていた拳法使いの男。名前は加藤鳴海。
そして、勝が祖父から教えられていた、自分を守ってくれる女、しろがね。しろがねは、あるるかんという人形を操る、人形使い。
鳴海は、勝に言う。「おとなしくかっこつけてあきらめんな。あがいてあがいてダメだったらそん時ゃ…にっこり、笑うしかねぇけどよ」
鳴海は、どんな時も諦めが悪く、笑顔を大切にする。
しろがねは、人形のように美しいが、笑顔を忘れてしまった。
勝、鳴海、しろがねの出会いが少しずつそれぞれを変えていく。

鳴海は、ゾナハ病という奇病にかかっている。
ゾナハ病は発作が起こると、他者を笑わせることでしか抑えることができない。
やはり、笑顔がキーポイントなのだ。

ゾハナ病の原因は何なのか。
なぜ勝は命を狙われているのか。
しろがねはなぜ笑顔を忘れてしまったのか。
初期は謎が多いマンガではあるが、勝の成長、鳴海のまっすぐな行動、しろがねの変化に加え、他にも魅力的な人物が多く登場する。
人が成長するために、前に進むために、笑顔が大事だと教えてくれる名作。