ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger

『ワールドトリガー』とは、2013年より葦原大介が『週刊少年ジャンプ』で連載を開始し、2018年より『ジャンプスクエア』に移籍した漫画およびそれを原作としたアニメ、ゲーム作品。現代の日本に、突然異世界から近界民(ネイバー)が現れ、三門市という街を襲った。そして、それに唯一対抗できる界境防衛機関「ボーダー」という組織が作られた。そのボーダーの隊員である三雲修が、異世界からやって来たネイバーの転校生・空閑遊真に出会うところから物語は始まる。ジャンプ作品としては異質であるが故、コアなファンも多い。

shantivegetableのレビュー・評価・感想

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ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

”遅効性SF”というキャッチコピーに恥じないじわじわと効く面白さ

週刊少年ジャンプにて連載の少年漫画なのですが、読者公募のキャッチコピー大賞に選ばれた”遅効性SF”というキャッチにぴったりな、読み込めば読み込むほどに”効いてくる”SFを題材としたバトル漫画です。
近界民(ネイバー)という名の侵略者に襲われる街、三門市を舞台に繰り広げられる、界境防衛機関ボーダーと、そのボーダーに所属する少年少女を中心に物語が描かれます。
SFと言っても未来を描いた話ではなく、近界民が襲来してくること、その近界民に対抗するための武器「トリガー」をボーダーが所持していること、目につくSF要素はこれくらいのものですので、SFにあまり馴染みのない人でもとっつきやすいかと思われます。
この漫画で戦う少年少女は中学校や高校に通っている学生が多く、時に部活感覚で仲間同士との鍛錬としての戦う姿を、時に街を守る明確な意思を持って戦う姿が描かれます。そういった、現代社会に生きる私達に比較的近しい”感覚を持つ者たちが戦いの様子が描かれる漫画です。
またそのキャラクターの数が多く、一度読んだだけでは把握が難しい場合もあるのですが、しかしキャラクターの掘り下げと設定の練り込みが深い。そういったところも含めて、何度読み返しても楽しめる”遅効性SF”として完成されている漫画であると思います。