ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger

ワールドトリガー / ワートリ / World Triggerのレビュー・評価・感想

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ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

何度も読み返したくなるSF漫画

ワールドトリガーは読めば読む程、読み返したくなるSF漫画です。特殊な技術であるトリオンを使い、少年少女達が壮絶な戦いを繰り広げていきます。単純なバトル漫画とは異なり、集団戦がこの漫画の大きな見所です。
倒す相手は近界民(ネイバー)と呼ばれる異世界の人々ですが、そのネイバーに対するスタンスも各々異なります。ネイバーに家族を殺され「ネイバーをぶっ殺す」と徹底的に殲滅しようという考え方の人もいる一方で、「ネイバーにも良い奴がいるから仲良くしようぜ」と考えている人もいます。その考え方の差は、各々が経験した事や知識の違いからくるものです。そのため、時には同じ組織にいるのにも関わらず対立をしたり、戦い方が異なったりします。さらに、ただ敵を倒したらお仕舞いと言う訳ではなくいという点もリアルに近く感じます。
その先についてもしっかりと描かれており、その戦い方を次にどう生かすのか、どう勝利に繋げていくのかなどについて良く練られています。
ひたすら戦うのではなく、組織の人それぞれが地形を活かしたり陣形を考えたりと、とにかく頭脳戦も楽しむことができます。常にネイバーと戦うだけではなく、味方同士で練習として戦うこともあります。そのため練習で戦っていた人達が、ネイバーを相手にすると一丸となる姿も感慨深いものがあります。

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

この漫画を読むべき

この漫画では、大きく分けて地球と異世界の2つの世界があります。地球は異世界からの攻撃や侵略に、ボーダーという組織の力で耐えている状況です。そんな世界で、ボーダーに所属する三雲修、地球と違う異世界からやってきた空閑遊真、異世界のどこかに姿を消した兄を探したい雨取千佳の3人がチームを組み成長していく物語です。

この漫画の大きな魅力は「主人公が強くない」こと、「空閑遊真の秘密」です!主人公が何らかの特殊能力を持っていて、あるいは潜在的な力に目覚めて、土壇場で覚醒して…などという展開が一切無いのです。修の戦闘員としての能力は低いのですが、自分の弱さを理解したうえで戦術や頭脳で立ち回ることによって強い相手に立ち向かっていくところに見どころがあります。空閑遊真の秘密についてはネタバレになりますが、彼は肉体的に死にかかった状態であり、その体は今も死に向かっているということです。修たちのチームは遠征部隊に選ばれるために努力を重ねますが、当然急に強くなることはできないわけで壁にぶつかります。特に修は、上のレベルにいる隊員から「自分たちと互角に渡り合うにはあと2年は必要」といったことを言われ、最速最短で遠征部隊に選ばれようとすることは現実的ではないと言われます。しかし、遊真の体があとどれほど保つのかは分からない。だからこそ諦めるわけにはいかない。この展開が本当に読み応えがあります。

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

”遅効性SF”というキャッチコピーに恥じないじわじわと効く面白さ

週刊少年ジャンプにて連載の少年漫画なのですが、読者公募のキャッチコピー大賞に選ばれた”遅効性SF”というキャッチにぴったりな、読み込めば読み込むほどに”効いてくる”SFを題材としたバトル漫画です。
近界民(ネイバー)という名の侵略者に襲われる街、三門市を舞台に繰り広げられる、界境防衛機関ボーダーと、そのボーダーに所属する少年少女を中心に物語が描かれます。
SFと言っても未来を描いた話ではなく、近界民が襲来してくること、その近界民に対抗するための武器「トリガー」をボーダーが所持していること、目につくSF要素はこれくらいのものですので、SFにあまり馴染みのない人でもとっつきやすいかと思われます。
この漫画で戦う少年少女は中学校や高校に通っている学生が多く、時に部活感覚で仲間同士との鍛錬としての戦う姿を、時に街を守る明確な意思を持って戦う姿が描かれます。そういった、現代社会に生きる私達に比較的近しい”感覚を持つ者たちが戦いの様子が描かれる漫画です。
またそのキャラクターの数が多く、一度読んだだけでは把握が難しい場合もあるのですが、しかしキャラクターの掘り下げと設定の練り込みが深い。そういったところも含めて、何度読み返しても楽しめる”遅効性SF”として完成されている漫画であると思います。