舞妓さんちのまかないさん / Kiyo in Kyoto:From the Maiko House

『舞妓さんちのまかないさん』とは、小山愛子による日本の漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて2017年第5・6号合併号より連載されている。伝統ある舞妓の仕事をする「すみれ」と、舞妓たちの食生活のサポート役である「まかない」の仕事をする少女「キヨ」を軸に、彼女らの日常風景が描かれていく。そのため舞妓たちの仕事の様子や、花街ならではの世界を垣間見ることができる。ストーリーは、人一倍自分に厳しいすみれや、キヨの料理の力で同僚舞妓や花街の人々に小さな影響、変化を与えていくという流れが基本となっている。物語はすみれとキヨが舞妓見習いである「仕込みさん」の時期から描かれ、時系列は進んでいく方式となっている。少年向けコミック誌である少年サンデーでの連載だが女性からの人気も高く、連載作の中では箸休め的存在でもある。その人気から2021年にはNHKにてアニメ化、2022年にはネットフリックスにてドラマ化を果たす。

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舞妓さんちのまかないさん / Kiyo in Kyoto:From the Maiko House
8

ごはんを通して舞妓さんたちの日常を描くマンガ

京都のある花街に舞妓さんたちが共同生活を送っている屋形「市」に、青森から上京してきたキヨさんとすーちゃん(すみれ)が成長していく物語。

キヨちゃんが主人公のグルメマンガのように見えますが、すーちゃんが舞妓を目指して成長していく姿にも注目。
念願の舞妓デビュー後も真面目な性格なので上手くなりたいと無理をしたり苦労したりする事も多く、悩んでいる時にキヨちゃんのまかないによって心が救われる事があったり、舞妓を目指していたのにまかないさんになったキヨちゃんをさり気なく気遣ったり、お互いが言葉を交わさなくても支えあっている姿が丁寧に描かれています。
また、屋形の先輩後輩の舞妓さん達にも悩みや苦労などそれぞれの物語があり、キヨさんのまかないをみんなと一緒に食べて他愛ない会話をする事が気持ちをリラックスしたり、次に進む活力になっていきます。
幼馴染のキヨさんとすーちゃんが物語の中心ですが、もうひとり健太という男の子の幼馴染がいます。すーちゃんに密かに思いを寄せいる子で、プロを目指して野球をしていましたが高校でケガをして断念してしまいました。卒業後、京都の洋食屋で働くことになり、キヨちゃんとすーちゃん、健太の幼馴染3人の関係がどう変わっていくのかも気になるところ。

最近では市のおかあさんと百子さん(すーちゃんの芸姉妹の義理の姉)との過去篇にあたるストーリで、2人が同期であった事や、百子さんは先代の市のおかあさんの娘だった事も判明。2人の歩んできたストーリが過去と現在を織り交ぜながら描かれており、キヨちゃんとすーちゃんの関係性に似た部分もあるように感じます。

最初はキヨちゃんとすーちゃんの成長が中心でしたが、話が進みにつれ周りの人たちの物語も描かれているので、今後どうなっていくのか楽しみです。
アニメ化やドラマ化もしており、グルメだけでなく人間模様も丁寧に描かれているので、日常系で読みやすいオススメのマンガです。