来る

tomomi0219のレビュー・評価・感想

レビューを書く
来る
8

オカルト好き必見のホラーエンターテイメント映画

開始3分で「ザ・ジャパニーズホラー」といった感じに、得体のしれないモノへの恐怖心を一気に煽られます。しかし見始めると多角的な視点で物語が進み、恐怖や嫌悪感の対象がコロコロと変化していく、不思議な感覚でした。ジャパニーズホラー独特の湿気っぽい恐怖感がありながらも、生きている人間の怖さも存分に味わえます。

ある一家を追い詰める「あれ」と呼ばれるモノの引き起こす怪異との闘いが軸となって物語が進みつつ、その合間に繰り広げられる人間模様が、ジトっとしてリアルで気持ち悪く嫌悪感を強く感じます。

『呪怨』や『リング』などのように恐怖の対象のおどろおどろしさや分かりやすい恐怖演出がメインのホラー映画ではなく、あまりにもサクサクと人が「あれ」に蝕まれていくのと、演出が無駄に引っ張られることもなくサクサクと見進められました。

中でも一番印象に残るのが、中盤からクライマックスにかけての霊媒師vs「あれ」のバトル描写です。イタコやユタなど古来より日本に存在する呪術師や霊媒師が一同に集結する様子や、各々の力を総動員して「あれ」と呼ばれるモノを祓うために行われる大々的な儀式はとても新鮮で、ホラーやオカルト好きにとってはある意味エンターテイメント性の高い映像なので必見です。